土地を活用して駐車場経営しよう!経営の進め方や税金対策についても解説!

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土地を活用した駐車場経営って何?利用料が収益になる!

土地を所有している場合には、『売る』『残す』かどちらかしかありません。『残す』のであれば、土地を最大限に有効活用しなければ、税金や維持管理費など経費がふくらむばかりで、みなさんのポケットからお金が出ていくだけの負債になってしまいます。

土地活用の種類は様々なものがありますが、駐車場経営は比較的初期投資が少なく始められる土地活用です。駐車場経営にはさまざまな種類がありますが、一般的な月極駐車場の場合、最初に投資するものは、土地の造成、砂利敷、アスファルト舗装、ライン引き、車止め設置、看板設置などの費用です。土地の大きさにもよりますが、数百万円程度の投資額で始められます。

収入に関しては、お客様からの毎月の賃料になります。かかる経費に関しては、管理を不動産会社に任せれば毎月の賃料の5%~10%ほどの管理費と固定資産税などの税金になります。

駐車場経営の種類って?

駐車場経営の種類に関しては、大きく分けると一般的な月極駐車場コインパーキングの2種類があります。

以下に月極駐車場とコインパーキングについて詳しく解説します。

月極駐車場

月極駐車場に関しては、貸主と借主との間で駐車場の利用契約をします。毎月管理費を支払えば管理を不動産会社に任せることができ、お客様の募集、契約業務、毎月の賃料の徴収、車庫証明の発行、クレーム対応、駐車場内の清掃などを代行してもらうことができます。

不動産会社が徴収した賃料は、毎月決まった日に、不動産会社から管理費などが差し引かれ、貸主に振り込まれます。

もしも、管理を不動産会社に任せずにご自身で管理をする場合には、このような業務をご自身で行う必要があり、かなりの手間がかかります。

また、月極駐車場の場合にはお客様の入退去に合わせて毎月の賃料収入が変化します。確定申告の際にはこの点も手間になる可能性があります。

月極駐車場経営を行う際に注意すべき点は、不正駐車です。空いているスペースに不正に駐車されてしまうなどの被害は珍しいことではありません。
不正駐車を防ぐために罰則を明記した看板の設置や防犯カメラの設置など、月極駐車場経営を始める前に対策しておくと良いでしょう。

コインパーキング

コインパーキングの場合には、コインパーキングの運営会社が、毎月の定額賃料を貸主に支払うので、毎月賃料収入が変化するということはありません。

初期投資に関しては、コインパーキングの精算機、フラップ板、車止め、料金看板、満車/空車を表示するP看板などの設備設置費用はすべてコインパーキングの運営会社が負担します。

土地の造成費用やアスファルト舗装費用に関してもコインパーキングの運営会社が負担するケースも多い(造成費用・アスファルト舗装費用は貸主に負担してもらう場合もあります)ので、初期投資が0円で始められる土地活用ということになります。

管理に関しては、駐車場内の管理や清掃、クレーム対応などもすべてコインパーキングの運営会社が行いますので、貸主がやることは何もありません。管理を不動産会社に任せる必要もありませんので、管理費などの経費がかかるということもありません。

立地に関してですが、駅前の立地でないとコインパーキングの運営はできないと思っている方がとても多いのですが、決してそんなことはありません。もちろんすべての土地が対象になるわけではありませんが、駅から離れた住宅街でもコインパーキングの運営ができます。

車の通りが多い場所や一時的な駐車スペースを必要とする人の多い場所には、コインパーキングの運営はおすすめです。

初期投資をなるべく抑えて、手間はあまりかけたくないという方にはコインパーキングの運営会社に一括で貸してしまうのがおすすめです。

駐車場経営のメリット・デメリットとは?

駐車場経営のメリットの1つ目は、初期投資が少なく比較的手軽に始められることです。賃貸アパートや店舗、介護施設などの建物を建築し賃貸するには初期投資で数千万円~数億円となるケースが多くなります。

固定資産税の対策だけでなく、相続税の対策として土地の評価を下げるということが目的であれば賃貸物件を建築することは大きなメリットがありますが、固定資産税の対策だけを考えるのであれば駐車場経営はリスクが少なく手軽に始められるのでおすすめです。

駐車場経営のメリットの2つ目は、転用のしやすさです。駐車場から他の活用に転用したり、売却をするという際にスピーディーに動くことができます。

月極駐車場の場合には通常数ヶ月前に借主に解約の通告をすれば解約ができます。コインパーキングの場合にもコインパーキングの運営会社に数ヶ月前に解約の予告をすれば、機器類をすべて撤去し、更地の状態で明渡しを受けることができます。

これは、駐車場の利用契約の場合には、借地借家法の適用がない契約形態ですので、このようなことができるわけです。

賃貸アパートや賃貸マンションなどの場合には、これだけスピーディーに動くことはできません。建て替えなどの場合には、入居者の方に退去していただかなければなりません。この際に定期借家契約ではなく、普通賃貸借契約を締結している場合には、入居者の方には居住権が発生するため借主の立場が優先されます。退去していただく際に、引っ越し費用や新居の敷金礼金、慰謝料など賃料の数ヶ月分をお支払いしなくてはならないといった場合もあります。

逆に駐車場経営のデメリットの1つ目は、大きく収益をあげられる事業ではないという点です。投資額が少ない分、リターンも大きくはないということです。逆の見方をすれば、賃貸住宅経営のように多額の借入をするような事業ではありませんので、リスクは最小限に抑えることはできると思います。

駐車場経営のデメリットの2つ目は、大きすぎる土地だと需要が見込めないケースがあるという点です。これはもちろん立地にもよりますが、月極駐車場もコインパーキングの場合にも共通していえることです。

特に月極駐車場の場合には、最初の造成費などは貸主が負担するわけですから、数百万円かけて造成したものの半分くらいしか利用者がいないとなると赤字になる可能性があります。

コインパーキングの場合には、コインパーキングの運営会社にこの場所でコインパーキングの運営をしてもらえるかどうかの回答を先にもらうことができます。

コインパーキングの運営会社が、この立地条件だとコインパーキングの運営は難しいと判断した場合には断られるケースがありますが、月極駐車場と違って事前投資がありませんので、赤字になるということはありません。

駐車場経営に向いている人とは?

駐車場経営は以下のような方におすすめの土地活用です。

  • 土地活用が初めての方
  • 経営のリスクに不安を感じている方
  • 所有地が狭い、非整形である
  • 初期投資額を抑えたい方
  • 将来的に転用する予定がある方

    駐車場経営は初期投資額が抑えられ、かつ撤退や転用の際も建物の処分などの手間がかからないため、土地活用をするのが初めての方でも始めやすい方法といえます。

駐車場経営における2つの失敗例と解決策を解説

駐車場経営の失敗例としてあげられるのは、まず1つ目は管理の問題です。

これは、賃貸経営において駐車場経営に限らずいえることだとは思いますが、管理会社に管理を委託する場合に、管理会社の質が非常に大切な要素になります。

月極駐車場の管理のケースですが、管理会社に賃料の集金もお願いしていたところ、契約台数分の賃料が貸主に振り込まれていなかったということを聞いたことがあります。

管理会社から報告を受けている契約件数と現地に停まっている車の台数が明らかに違うと感じ、不審に思った貸主が借主に問い合わせたところ、毎月きちんと管理会社の方に賃料は振り込んでいるということが判明したというケースがありました。

要するに借主から振り込まれた賃料を貸主の口座に振り込まずに管理会社が横領していたということです。こちらは貸主が管理会社に対して訴訟をしています。

このケースは極端なケースかもしれませんが、駐車場内の清掃や借主からのクレーム対応など管理会社によって対応は様々ですので、注意が必要です。

管理会社を選択する場合には、信頼できる方からのご紹介や管理会社に出向いて管理内容などをきちんと確認してから依頼するべきだと思います。

駐車場経営の失敗例の2つ目が、違法駐車の問題です。

月極駐車場でもコインパーキングの場合でも共通していえることですが、違法に車を乗り捨てられた場合の対応を誤ってしまった場合の失敗例です。

違法に乗り捨てられた車の処分に困った貸主が、勝手にその車を処分してしまった後に、その車の所有者が現われました。

『人の車をどうして勝手に処分したんだ!?あの車の中には、高級時計も入っていたんだ。その分も弁償しろ!』

このような違法駐車があった場合には、きちんと手順を踏んで処分をしないとこのようなトラブルに巻き込まれます。

当社の場合には、このようなケースの場合、違法駐車の車の撤去を専門に行っている業者に依頼しています。もちろんそれなりの費用はかかりますが、それだけの価値はあります。

車の所有者を探し出してくれて、その方とのやり取りなどをすべて記録に残してくれます。

警察立会いのもと、車の中身をすべて確認し、高価な物がないかどうかもすべて確認してくれます。

最終的にはこれらを報告書にして、提出までしてくれます。

このような手順をふんでおけば、後々車の所有者が現われたとしても、冷静に対応することができます。

コインパーキングの運営会社に駐車場用地を貸している場合には、これらの対応や費用はすべてコインパーキングの運営会社が負担しておこなってくれます。

月極駐車場の場合には、対応は管理会社で行ってくれるケースが多いとは思いますが、費用負担に関しては貸主が負担することになるでしょう。

駐車場経営ってどんな税金が掛かる?知っておきたい税金対策って?

駐車場経営をはじめるには?経営の進め方や全体の流れを解説

駐車場経営を始めるにあたって、まず何から始めればよいのかを解説していきます。

駐車場経営において、もっとも大切なことは立地条件です。

月極駐車場の場合は、周辺環境や競合となる駐車場の調査が必要になります。該当地周辺の月極駐車場の入庫状況を調べます。周辺の月極駐車場がどこも満車に近いようであれば、需要に供給が追いついていない可能性が高いので、うまくいく可能性が高いです。

また、周辺の月極駐車場の相場を調べます。砂利敷の駐車場で月額賃料はいくらなのかアスファルト舗装でいくらなのかを調べます。

需要がありそうなエリアということがわかった場合には、造成費用の見積もりを数社からとり、月極駐車場が8割くらいの稼働だった場合に、何年くらいで投資額を回収できるかを計算し、充分に採算がとれそうであれば駐車場経営をスタートさせて良いと思います。

あとは、管理を不動産会社に任せるのかどうかを決めます。管理を不動産会社に任せるのであれば、やはり管理会社を2,3社ピックアップして管理内容、管理手数料の金額、会社の経営方針、社風、担当者の人柄などを加味したうえで管理会社を決めていけばよいと思います。

ここで注意をしてほしいのは、管理費が安いという理由だけで決めない方が良いということです。

先ほども申し上げましたが、駐車場経営において管理はとても重要な要素なので、総合的に判断されたほうがよいと思います。

逆に周辺の月極駐車場に空きが多い場合には、駐車場が供給過多になっている可能性が高いので、慎重に進める必要があります。

その際には、コインパーキングの運営会社に一括で貸すことを検討するのがよいでしょう。

コインパーキングの運営会社が立地条件などを検討し、一括借り上げ賃料を提案してくれるはずです。

コインパーキングの運営会社は、駐車場の施工、設備の取り付け工事、オープン後の管理もすべて行ってくれます。月極駐車場と違って駐車場オープン後のお客様の募集や契約業務などもありません。

ですから駐車場のオープンからその後の管理業務なども土地所有者の方がやっていただく作業は、月極駐車場を始める際に比べるとかなり軽減されます。

また、賃料も毎月決まった賃料をお支払いしてくれますので、売上も安定するというメリットもあります。

お持ちの土地の特性を見極めて、駐車場経営をスタートすることをおすすめいたします

駐車場に必要なスペースはどれくらい?

月極駐車場のサイズに対する規格・ルールは、国土交通省による駐車場整備の指針「駐車場設計・施行指針」で示されています。
駐車場整備の指針に記載されている駐車場のサイズの基準値は以下の通りです。

対象車両奥行
軽自動車2.0m3.6m
小型乗用車2.3m5.0m
普通乗用車2.5m6.0m

普通自動車1台分に必要な駐車場の広さは、幅2.5m×奥行6.0mですので、約4.5坪の土地が必要とされています。

そのため、5台分駐車スペースを確保したい場合は約22.5坪、10台分の場合は約45坪のスペースが必要となります。

駐車台数を多くしたい場合は、ドアの開閉に必要なスペースも考慮し、「幅+50㎝」「奥行+30cm」を確保していれば、駐車場を利用する方にとって利用しやすいスペースになるでしょう。

また、コインパーキングの場合は、精算機の設置スペースも必要となるため上記で挙げたスペースにプラス2坪ほど確保しましょう。

駐車場経営の始め方を解説!

土地活用として駐車場の経営を始めようと考えている方に、駐車場経営の始め方を解説します。

経営方針を決める

まず、月極駐車場にするかコインパーキングにするかを決めます。

上記で挙げた月極駐車場とコインパーキングの特徴から自身の土地がどちらに適しているのか確認し、決定しましょう。

続いて、駐車場の経営を個人で行うか、管理会社に委託するかを決め、「個人経営」「一括借り上げ方式」「管理委託方式」を選択します。

管理会社に相談する

経営方針を一括借り上げ方式または管理委託方式と決めた場合は、業務委託先の管理会社を選定する必要があります。

管理会社により費用や管理方法が異なるため、慎重に選定しましょう。

駐車場の工事を行う

駐車場の経営方針、管理会社を決めたら駐車場に必要となる設備を設置しましょう。

月極駐車場の場合は、砂利を敷くまたはアスファルト塗装の工事を行う必要があります。コインパーキングの場合は、精算機、ロック版、照明などの設備を設置する必要があります。

利用者を募集する

駐車場の設備の設置が完了したら、駐車場の利用者を募集します。募集の看板や貼り紙の掲示またはインターネットでの広告などで集客しましょう。

基本的には管理会社(委託先の会社)が利用者の募集も行うことがほとんどですが、ご自身で集客できるノウハウがある場合はご自身でマーケティング活動を行うこともおすすめです。

コインパーキングの場合は、利用者を募集しなくても経営を始めることも可能です。

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この記事を書いたのは…

森王 大樹

レックスパーク株式会社 代表取締役

森王 大樹(もりおう だいじゅ)

1993年に不動産会社としてシスコム株式会社を設立。今年で創業29年目。2014年にコインパーキングの運営・管理を業とするレックスパーク株式会社を設立。1都3県で約120か所のコインパーキングを運営する。
延べ1万人の地主さんと面談した経験を活かし、2018年には上尾相続相談センターを設立。『もめない・損しない・わかりやすい』をモットーに、税理士・司法書士・FPなどと一緒に、地主さんを中心とした不動産オーナーへ相続対策のご提案をしている。
お付き合いさせていただいている不動産オーナー様は、170名を超える。

サイトURL:http://www.rexpark.jp/

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