【記載例付】遺言書の財産目録をエクセルで作る際のルールと注意点

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遺産相続

遺言書に財産目録を添付しようと思っても、「エクセルで作成しても本当に有効なのか」「法務局に提出できる形式はどのように設定すればいいのか」と疑問を持つ方は少なくありません。

結論から言えば、2019年の民法改正によって、財産目録はエクセルやWordで作成することが正式に認められています。ただし、単純に表を作ればよいわけではなく、法的に有効な状態にするための署名・押印のルールや、法務局の保管制度に提出する場合の余白規定など、守らなければ遺言書ごと無効になりかねない厳格なルールが存在します。

本記事では、遺言書に添付するエクセル財産目録の正しい作り方を、財産種別ごとの記載例とともに解説します。さらに、「名義預金の記載漏れによる税務トラブル」や「相続税評価額と時価の乖離が引き起こす遺産分割紛争」といった、財産目録の実務において絶対に知っておくべきリスクについても、公的データと裁決事例をもとに詳しく解説します。

Contents

【記事内容を動画で解説】

遺言書の財産目録はエクセル(パソコン)で作成可能!

2019年の民法改正でパソコン(Excel・Word)作成が解禁

2019年1月13日に施行された改正民法(第968条第2項)により、自筆証書遺言に添付する財産目録については、遺言者が自書(手書き)する必要がなくなりました。

改正前は、自筆証書遺言の全文を手書きすることが必須だったため、財産が多岐にわたる場合に遺言者への負担が極めて大きく、記載ミスや書き直しのリスクも高い状況でした。

改正後は、財産目録の部分に限り、以下の方法での作成が認められています。

  • エクセル(Excel)やWord等のパソコンソフトで作成・印刷した書類
  • 預貯金通帳の見開きコピー
  • 不動産登記簿謄本(登記事項証明書)のコピー

これにより、財産の全容を視覚的にわかりやすく整理できるエクセル形式の財産目録に対する需要が高まっています。ただし、パソコンで作成した財産目録を法的に有効にするためには、全てのページに遺言者本人が自筆で署名し、押印することが絶対条件です(詳細は後述します)。

手書きよりもエクセルで作成するメリット

エクセルで財産目録を作成することには、手書きと比較して次のような実務的なメリットがあります。

①修正が容易でミスが起きにくい

手書きで作成した自筆証書遺言の本文(財産目録以外の部分)を訂正する場合、民法で定められた厳格な訂正方法(訂正箇所を二重線で消し、欄外に訂正内容と訂正した旨を記載し、押印する)に従わなければ遺言書全体が無効になるリスクがあります。一方、エクセルで作成した財産目録であれば、内容の変更が生じた際にデータを修正して印刷し直すだけで済み、訂正ミスによる無効化リスクを大幅に軽減できます(ただし、修正後には改めて全ページへの署名・押印が必要です)。

②財産の全容が把握しやすい

エクセルの集計機能や並べ替え機能を活用することで、不動産・預貯金・有価証券・負債など、種別ごとに財産を整理して一覧化できます。財産目録の総額計算も自動化できるため、相続税申告の要否(基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人数」との比較)も一目で判断できます。

③相続人や専門家が内容を確認しやすい

手書き文字が読み取りにくいと、相続人や遺言執行者が財産内容を正確に把握できずトラブルになることがあります。エクセルで作成した目録は判読性が高く、税理士や司法書士等の専門家が相続手続きを進める際にも作業効率が向上します。

なお、エクセルで財産目録を自作する際は、裁判所が書式集として公開しているサンプル(遺産目録)を参考にすることができます。書式の決まりはないものの、記載すべき項目の参考として活用できます。また、インターネット上でも無料のエクセルテンプレートが複数公開されています。ただし、法務局の保管制度への提出を想定する場合は、余白設定や片面印刷への対応など本記事で解説するルールに合致しているかを必ず確認してください。

[裁判所COURTS IN JAPANホームページ 書式集]

https://www.courts.go.jp/kyoto/saiban/katei/s_syosiki/index.html

【財産種別】エクセル財産目録への具体的な書き方と記載例

財産目録への記載は、「財産の種類が書いてある」だけでは不十分です。相続手続き・相続税申告・遺産分割協議のいずれにおいても支障が生じないよう、財産の詳細情報を具体的に明記する必要があります。以下に、財産種別ごとの書き方と記載例を示します。

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預貯金・現金の書き方(※注意:名義預金の記載漏れトラブル事例)

預貯金を記載する際は、以下の項目を全て明記してください。

記載項目記載例
金融機関名○○銀行
支店名△△支店
口座種別普通預金 / 定期預金
口座番号1234567
口座名義山田 太郎
預金残高(基準日)〇〇〇万円(令和○年○月○日現在)
備考・特記事項

現金(タンス預金)がある場合は、金額と保管場所(「自宅金庫保管」等)を明記します。

【重要】名義預金の記載漏れによる税務トラブル事例

財産目録作成において最も見落とされやすく、かつ税務リスクが高いのが「名義預金」の問題です。

名義預金とは、口座の名義は配偶者・子・孫などの家族になっているものの、実際には被相続人が原資を出捐し、通帳・印鑑の管理も行っていた預金のことです。税務当局の判定基準は「名義人の名前」ではなく、①原資の出捐者は誰か、②誰が管理・運用していたか、③名義人が口座の存在を知っており自由に使える状態にあったか(適切な贈与が成立していたか)、という実質的な側面です。

◆実例:名義預金の否認事例(国税不服審判所 令和6年11月21日裁決)

被相続人の兄名義の預金について、相続人が相続財産から除外して申告したところ、税務当局から名義預金として指摘され、国税不服審判所で争われた事例があります。審判所の調査により、「名義人である兄が預金口座の存在自体を全く知らなかった」という事実が明らかになり、管理・運用も被相続人が行い、原資も被相続人が拠出していたとして、当該預金は被相続人の相続財産(名義預金)と認定されました。

国税庁「令和5事務年度における相続税の調査等の状況」(令和6年12月公表)によれば、実地調査件数8,556件のうち申告漏れ財産の構成比第1位は「現金・預貯金等」で30.3%を占めており、名義預金やタンス預金がその主要な原因となっています。税務当局はKSKシステム等で被相続人の過去の所得・蓄財能力を把握しており、申告額との乖離が大きい場合は調査対象として選定されます。

◆エクセルテンプレートの「特記事項」欄を活用した対策

財産目録の預貯金シートに「備考・特記事項」欄を設け、名義預金の実態を被相続人自身が遺言書で明記しておくことが最も有効な対策です。

記入例:
「○○銀行の長男名義口座(定期預金○○万円)は、原資および通帳・印鑑の管理を私(被相続人)が行っているため、長男への贈与は成立しておらず、実質的な私の相続財産として相続税申告に含めること。この預金は全て配偶者に相続させる。」

このように明記することで、税理士が申告内容を正確に把握でき、税務調査における指摘リスクと親族間での「隠し財産」疑惑を未然に防ぐことができます。

不動産(土地・建物)の書き方(※注意:「相続税評価額」と「時価」の違い)

不動産は、登記簿謄本(登記事項証明書)の記載内容に基づいて以下の項目を記載します。

◆土地の記載項目

記載項目記載例
所在東京都○○区○○一丁目
地番123番4
地目宅地
地積150.00㎡
参考:相続税評価額(路線価基準)〇〇〇〇万円
参考:時価(実勢価格・査定額)〇〇〇〇万円

◆建物の記載項目

記載項目記載例
所在東京都○○区○○一丁目123番地4
家屋番号123番4
構造木造スレート葺2階建
床面積1階 60.00㎡ / 2階 50.00㎡
固定資産税評価額〇〇〇万円
参考:時価(実勢価格・査定額)〇〇〇〇万円

【重要】「相続税評価額」と「時価(実勢価格)」の違いが引き起こす遺産分割トラブル

不動産の財産目録において評価額の欄を一つしか設けないことは、後の遺産分割紛争の火種になります。不動産には複数の価格基準が存在し、相続実務で特に問題になるのが、相続税計算に用いる「相続税評価額(路線価・固定資産税評価額)」と、実際の市場価格である「時価(実勢価格)」の乖離です。

この乖離は、「代償分割」(特定の相続人が不動産を相続し、他の相続人に金銭を支払う方法)の局面で深刻なトラブルを引き起こします。

例えば、路線価による相続税評価額が3,000万円、実際の時価が5,000万円の実家を長男が相続し、次男に代償金を支払うケースを考えます。長男は「公的な評価額3,000万円を基準にすべき」と主張し、次男は「実際に売れば5,000万円だから時価で計算すべき」と反発します。こうした認識のズレは当事者間での解決を困難にし、家庭裁判所での調停に発展する要因となります。調停が長引けば、客観的な時価を算定するための不動産鑑定費用(数十万円規模)も必要となり、相続財産全体が目減りしていきます。

最高裁判所「令和5年司法統計」によれば、家庭裁判所の遺産分割事件(認容・調停成立)のうち、遺産額「5,000万円以下」のケースが全体の77%以上を占め、「1,000万円以下」だけでも約33%に及びます。「遺産分割トラブルは富裕層だけの問題」という認識は誤りであり、実家の土地建物と少額の預貯金しかない一般的な家庭こそ、物理的な分割が困難なことから感情的な対立が生じやすい実態があります。

◆エクセルテンプレートの「ダブル表記」と遺言書による評価基準の明示

こうしたトラブルを防ぐため、財産目録の不動産シートには「参考:相続税評価額(路線価基準)」と「参考:時価(実勢価格・査定額)」の2列を設け、意図的に異なる金額を記入しておくことを推奨します。これにより、「税金計算用の価格」と「遺産分割の基準となる価格」は概念が異なることを相続人全員が認識できます。

さらに、遺言書本文に代償分割の指示を記載する際、「長男に甲土地を相続させる。長男は代償として次男に〇〇万円を支払うこと」と確定金額を明示するか、「財産目録に記載された『時価(実勢価格)』を基準として算定した代償金を支払うこと」と評価基準を指定しておくことで、相続人間で「どの価格を使うか」をめぐる争いを防止できます。

有価証券(株式・投資信託等)の書き方

記載項目記載例
種類株式 / 投資信託 / 国債 等
銘柄名○○株式会社 普通株式
証券会社名・口座番号○○証券 △△支店 / 口座番号:1234567
株数・口数1,000株 / 〇〇口
単価(基準日時点)○○○円(令和○年○月○日終値)
評価額(基準日時点)○○○万円

株式は相続開始日の終値等で評価されるため、財産目録には「基準日」を明記してください。基準日が不明確だと相続税申告時に混乱が生じます。

その他の財産(自動車・生命保険・貴金属など)の書き方

エクセル財産目録には、見落とされがちな以下の財産も必ず記載します。

◆自動車

記載項目記載例
種類・用途普通乗用車
車名・型式○○(メーカー名)・△△型
車台番号XXXXXXXXXX
登録番号品川○○ あ 1234
参考評価額○○万円(査定額)

◆生命保険(死亡保険金)

生命保険の死亡保険金は「みなし相続財産」として相続税の課税対象になりますが(受取人固有の財産であるため遺産分割の対象外)、財産目録に記載しておくことで相続人全員が把握できるようになります。

記載項目記載例
保険会社名○○生命
保険証券番号1234567890
保険の種類終身保険
保険金受取人配偶者 山田 花子
死亡保険金額(見込み)○○○万円

◆貴金属・美術品・骨董品

記載項目記載例
品名・種類金地金(○○g)/ 絵画「○○」等
参考評価額○○万円(購入時領収書・査定書に基づく)
保管場所自宅金庫 / 銀行貸金庫(○○銀行△△支店)

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マイナスの財産(借金・未払金・葬儀費用など)の書き方

財産目録には、プラスの財産だけでなくマイナスの財産(債務)も必ず記載します。マイナスの財産が多い場合、相続放棄や限定承認を検討する判断材料となります。

種類記載項目記載例
住宅ローン等金融機関名・残高・返済期間○○銀行、残債〇〇〇万円(令和○年○月○日現在)
連帯保証債務被保証人・保証内容長男○○の事業借入金に係る連帯保証(○○万円)
未払金種類・相手先・金額クレジットカード未払い(令和○年○月分)○○万円
未払い税金税目・期限令和○年分所得税 ○○万円(申告済み・納付前)

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通帳コピーや登記簿謄本の添付でエクセル入力を省く代用方法

財産目録には、エクセルで一から入力するほかに、既存の書類のコピーを添付する方法も認められています。ただし、この方法にも守るべきルールがあります。

預金通帳の見開きコピーを添付する場合のルール

預貯金については、通帳の見開きページ(金融機関名・支店名・口座番号・名義が確認できるページと、残高が確認できるページ)をコピーして添付することができます。

この場合も、添付したコピーは財産目録の「1ページ」としてカウントされるため、そのページにも遺言者の署名・押印が必要です。また、法務局の保管制度を利用する場合は、A4サイズ・片面印刷・指定余白の遵守が求められます。なお、感熱紙の通帳はそのまま長期保管すると印字が消えるため、必ずコピーして添付してください。

不動産登記簿謄本(登記事項証明書)を添付する場合のルール

不動産については、法務局が発行する登記事項証明書(全部事項証明書)を財産目録の代わりに添付することができます。

ただし、登記事項証明書はA4サイズで発行されるものの、内容が1枚に収まらない場合は複数ページになることがあります。この場合も、全てのページに署名・押印が必要です。また、登記事項証明書には時価や相続税評価額は記載されていないため、それらの情報は別途エクセルの一覧表に補足記載することを推奨します。

エクセルで作った財産目録を遺言書に添付する際の法的ルール【無効化を防ぐ】

エクセルで財産目録を作成しても、添付方法のルールを守らなければ遺言書そのものが無効になる可能性があります。以下のルールを必ず確認してください。

財産目録の「全ページ」に遺言者の署名・押印が必須

民法第968条第2項の規定により、パソコンで作成した財産目録を自筆証書遺言に添付する場合、遺言者は財産目録の全てのページ(毎葉)に自筆で署名し、印を押さなければなりません。これは努力義務ではなく、法律上の絶対要件です。

1ページでも署名・押印が漏れると、その財産目録は法的効力を持たず、遺言書全体の有効性にも影響が及ぶ可能性があります。エクセルテンプレートには、各シートの印刷範囲の最下部に「自筆署名欄」「押印欄」をあらかじめ設けておくことで、記載漏れを未然に防ぐことができます。

両面印刷をした場合は「裏表両方」に署名・押印が必要

1枚の用紙に両面印刷した財産目録は、表面と裏面がそれぞれ独立した「1ページ」として扱われます。この場合、表面と裏面の両方に署名・押印が必要です。

ただし、法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用する場合は、両面印刷自体が認められていません(後述)。保管制度の利用を検討しているなら、最初から片面印刷で作成することを強く推奨します。

遺言書本文と財産目録は「別々の用紙」で作成する

財産目録は、遺言書の本文(遺言者が自書する部分)とは必ず別の用紙に作成しなければなりません。遺言書本文のページにエクセルの表を貼り付けたり、同じ用紙に印刷したりする方法は認められていません。

遺言書本文は引き続き全文を遺言者が自書する必要があり、財産目録は別紙として作成・添付します。

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エクセルの入力内容を後から訂正する場合の正しい方法(作り直しを推奨)

財産目録(エクセル作成分)の内容を後から訂正する場合、正しい方法は「修正前の財産目録を廃棄し、新しいページを印刷して全ページに再度署名・押印すること」です。

手書き遺言の本文に適用される厳格な訂正手続き(欄外への記載・押印等)とは異なるため混同しがちですが、パソコンで作成した財産目録の訂正においては「作り直し」が最もシンプルかつ確実な方法です。訂正が生じた際は、古いページを確実に処分し、遺言書に添付する財産目録を常に最新版のみに統一してください。

「自筆証書遺言書保管制度」を利用する場合のエクセル作成時の注意点

2020年7月から開始された法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用すると、遺言書の紛失・改ざん・隠匿リスクを排除でき、家庭裁判所での検認手続きも不要になります。ただし、この制度を利用する場合、財産目録のエクセル作成において特に厳格なルールが適用されます。

用紙はA4サイズ限定・片面印刷のみ

法務局が保管する遺言書(および添付の財産目録)は、全てのページがA4サイズでなければなりません。B5やB4などの用紙は受け付けられません。また、スキャナーによる自動読み取り処理と長期保管を前提としているため、片面印刷のみが認められており、両面印刷は不可です。

用紙は地紋・彩色のない無地の白色コピー用紙を使用してください。折り目やシワがある場合も申請が受け付けられないことがあります。

法務局が定める余白設定(上5mm・下10mm・左20mm・右5mm)が必須

法務局の保管制度において、最も申請却下の原因となりやすいのが余白規定の違反です。法務局は、全てのページに対して以下の余白を確保するよう義務付けています。

方向法務局の最低基準推奨設定(安全マージン込み)
5mm以上10mm
10mm以上15mm
20mm以上25mm
5mm以上10mm

この余白内には、テキストや罫線が1文字・1本もはみ出してはなりません。余白規定が守られていない場合は、その場での書き直しまたは再申請が求められます。

エクセルのページ設定で指定した余白と、実際に家庭用プリンターで印刷した際の余白にはズレが生じることが多いため、上記の「推奨設定(安全マージン込み)」を採用することを強くお勧めします。

また、ページ番号をヘッダー・フッターに入れると余白領域に印字される危険性があるため、本文のセル内に「1/2」「2/2」形式でページ番号を入力する設計が安全です。

複数枚になってもページ番号のみで可・「ホチキス留め・契印」は不要

財産目録が複数ページになっても、法務局の保管制度ではホチキスやクリップでの綴じ合わせは禁止されています。全ての用紙はバラバラの状態で提出します。

文書の連続性は「1/2」「2/2」形式のページ番号と、各ページへの遺言者の署名・押印によって担保されます。契印(割り印)も不要です。

そもそも相続財産目録を作るメリットとは?作る義務はある?

遺産全体が把握しやすくなり、遺産分割協議が円滑になる

相続財産目録を作成する主なメリットは次の3点です。

①遺産全体が把握しやすくなる

被相続人が遺した不動産や預貯金等のプラスの財産、ローンや未払金等のマイナスの財産が一覧で把握できます。財産の全容がわかれば相続人間の遺産分割協議も円滑に進みます。また、マイナスの財産が多いと判断できれば、速やかに相続放棄や限定承認の手続きを検討できます。

②遺産分割協議をスムーズに進められる

財産目録を作成して各相続人に配布することで、財産の種類・評価額等が全員に共有され、口頭だけでは生じがちな「財産の伝え忘れ」や「認識のズレ」を防ぐことができます。

③相続手続き全体を効率化できる

財産目録があれば、預貯金・不動産の名義変更といった各種相続手続きの計画が立てやすくなります。相続税の基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人数)との比較も容易になり、申告・納税の要否を早期に判断できます。

なお、財産目録の作成は、遺言執行者を除いて一般的には義務ではありません(後述の遺言執行者については義務あり)。しかし、作成しておくことで全ての相続手続きが格段にスムーズになるため、実務上は強く推奨されています。

相続税申告の必要性の有無が判断でき、生前対策が可能になる

財産目録に各財産の評価額を明記することで、財産総額を把握し、相続税の申告・納税が必要かどうかを事前に確認できます。基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人数」の範囲に収まれば、申告・納税は不要です。

財産目録の作成を通じて「思ったより財産が多かった」という気づきを得た場合は、生前贈与や生命保険の活用といった相続税対策を早期に開始することが可能になります。

遺言執行者には財産目録の作成・交付義務がある

遺言執行者とは、遺言者から指定され、遺言内容を実現するために必要な手続きを行う人です。民法第1011条により、遺言執行者には財産目録を作成して相続人に交付する義務があります。

遺言者が生前に財産目録を作成しておくことで、遺言執行者の業務負担を大幅に軽減でき、相続手続き全体をスムーズに開始することができます。

自分で財産目録を作るのは不安…専門家に依頼するときの相場とは?

弁護士・司法書士・行政書士・税理士の業務範囲と費用相場

相続財産目録の作成は、弁護士・司法書士・行政書士・税理士に依頼できます。それぞれの業務範囲と費用の目安は以下のとおりです。

士業財産目録作成費用の目安対応できる主な業務
弁護士5万円〜10万円財産目録作成・遺産分割協議・相続人間の紛争解決
司法書士5万円〜7万円財産目録作成・不動産の名義変更登記・遺言書作成
行政書士3万円〜5万円財産目録作成・遺産分割協議書作成(紛争解決は対応外)
税理士相続税申告費用に含む場合が多い相続税申告・名義預金の整理・生前対策

費用は各事務所が自由に設定しており、上記はあくまで目安です。相続人間でトラブルが発生しそうな場合は、最初から紛争解決のプロである弁護士に相談することを推奨します。

特に名義預金の整理や相続税申告が絡む場合は、財産目録の作成段階から税理士が関与することで、税務調査リスクを大幅に低減できます。

どの専門家に頼むべきか迷ったら?「相続診断士」への無料相談がおすすめ【円満相続ラボ】

「どの専門家に相談すればいいかわからない」「まず状況を整理したい」という方には、まず相続診断士への相談をお勧めします。

相続診断士は、様々な相続の質問・疑問に対応できる有資格者であり、相談内容に応じて弁護士・司法書士・税理士など最適な専門家への橋渡しも行います。

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【無料相談】相続に関するお悩みは相続診断士へ

相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。

本記事で抱えている問題が解決できているのであれば大変光栄なことですが、もしまだもやもやしていたり、具体的な解決方法を個別に相談したい、とのお考えがある場合には、ぜひ相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にご相談することをおすすめします。

本サイト「円満相続ラボ」では、相続診断士に無料で相談できる窓口を用意しております。お気軽にご相談ください

この記事を監修したのは…

税理士法人マインライフ 代表社員:門倉 誉士希、伊藤 千尋、久保 佑介、川崎 朝輝

税理士法人マインライフ 代表社員:門倉 誉士希、伊藤 千尋、久保 佑介、川崎 朝輝

相続税専門の税理士法人として、東京都新宿区新宿、千葉県習志野市津田沼に事務所を展開しております。
少数精鋭の税理士法人を目指しており、申告には必ず100件以上の申告関与数のある税理士が担当することで、
二次相続や将来的な譲渡もふまえた分割のアドバイスなどお客様に寄り添った相続税申告を行うことを法人の理念としております。

サイトURL:https://www.mine-life.jp/ https://itoctaxsouzoku.com/

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