数次相続による相続登記申請書の書き方を解説!中間省略登記が認められるケースも!

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遺産相続

そもそも数次相続とは?

数次相続とは、被相続人が死亡し法定相続人が相続承認後(一次相続)、相続に関する手続きが終了しないうちに、その法定相続人まで亡くなってしまい(二次相続)、複数の相続が発生してしまう状態を指します。

数次相続と似た相続として、次の「代襲相続」「再転相続」があげられます。

  • 代襲相続:本来相続人となるはずの法定相続人が、相続開始前に死亡、相続廃除や相続欠格で相続権を失っていた場合、その子どもが相続人となる状態。
  • 再転相続:一次相続の法定相続人が相続を承認するか放棄するかを判断しないまま、熟慮期間中に死亡、一次相続・二次相続が同時期に発生した状態。

例をあげ数次相続、代襲相続、再転相続の違いを比較すると下表の通りです(登場人物:祖父、父親、子どもの3人)。

数次相続代襲相続再転相続
1.祖父死亡(一次相続発生)
2.父親が相続承認した
3.遺産分割前に父死亡(二次相続発生)
4.子どもが相続
※父親が既に相続を承認しているので、子どもは一次相続の相続放棄ができない
1.祖父より前に父親死亡
2.祖父死亡
3.祖父の遺産を父親の代わりに子ども(祖父みて孫)が相続
※子どもは祖父の遺産の相続放棄が可能
1.祖父死亡(一次相続発生)
2.父親が相続の承認か放棄するか決めないまま死亡(二次相続発生)
3.子どもが相続
※子ども一次・二次相続両方の相続人になれる。ただし、一次相続を承認し、二次相続は放棄するという選択はできない

数次相続による相続登記の手続きの流れ・必要書類を解説!

数次相続による相続登記も相続不動産の所在地を管轄する法務局で、登記手続きを進めます。

  1. 相続の発生
  2. 相続人の確定
  3. 遺産の確認
  4. 相続人と協議
  5. 相続登記を進める

相続不動産を中間の相続人(一次相続人)1人が引き継ぐ予定だった場合、数次相続の発生後、中間省略登記(中間部分の所有権移転登記を省略する手続き)が可能です。

被相続人→二次相続人という形で直接相続登記を行えます。

しかし、相続不動産を一次相続人と他の相続人とで共有する場合、中間省略登記は認められません。

被相続人→中間の相続人(一次相続人)・他の相続人→二次相続人・他の相続人という形で相続登記を行います。

相続登記の必要書類は主に次の通りです。二次相続人も書類を準備する必要があります。

  • 登記申請書:法務局で取得。
  • 戸籍謄本(除籍謄本):本籍地の市区町村役場で取得。
  • 住民票の写し(除票・戸籍の附票):住所地を管轄する市区町村役場で取得(戸籍の附票は本籍地の市区町村役場で取得)。
  • 登記簿謄本(登記事項証明書):法務局で取得。
  • 固定資産税評価証明書:住所地を管轄する市区町村役場で取得。
  • その他:(必要に応じ)遺産分割協議書、遺言書等

数次相続においてかかる費用はどのくらい?

数次相続の相続登記に関する費用は、下表を参考にしてください(土地・建物の固定資産税評価額が各1,000万円の場合)。

項目費用(目安)
登録免許税(土地・建物ともに)税額0.4%
(例)固定資産税評価額
・土地:1,000万円
・建物:1,000万円

(1,000万円+1,000万円)×0.4%=8万円

なお、数次相続で中間省略登記ができないと、その都度登録免許税の納付が必要となるので、

8万円×2回分=16万円

ただし、2025年3月31日までの申請分につき、二次相続にかかる土地の登録免許税が免除される。
戸籍謄本(除籍謄本)1通450円~750円
住民票の写し(除票・戸籍の附票)1通200円~300円
登記簿謄本(登記事項証明書)1通600円
固定資産税評価証明書1通300円前後
合計(目安)8万~17万円程度

なお、司法書士に依頼した場合の報酬は6万~10万円であり、数次相続による相続登記では2万円を上乗せする司法書士事務所が多いです。

本ケースの場合では、司法書士報酬も含めると16万〜29万円が費用目安となります。

数次相続で中間省略登記が認められる条件

中間省略登記とは、A→B、B→Cという手順を省略し、A→Cの1回の申請で登記をする手続です。

数次相続の場合、主に次のようなケースで中間省略登記が可能です。

  • 中間の相続人が1人だけ(例:相続不動産を、中間の相続人1人だけが引き継ぐ場合)
  • 中間の相続人は複数いたが、他の相続人が相続放棄して1人しか残らなかった

相続放棄をすれば、たとえ相続放棄した人が存命していても、最初から相続人とはならなかったという扱いになります。
そのため、結果的に中間の相続人1人しか相続不動産を引き継がなかった形となるのです。

数次相続での中間省略登記のメリット・デメリットを解説!

数次相続で中間省略登記が可能なら、申請書や添付書類の提出が1回の手続きで済むため、相続人の負担はかなり軽くなります。

また、登記申請の際に登録免許税も1回の納税で済むため、中間省略登記できない場合より納税負担が半分で済むのは大きなメリットと言えるでしょう。

ただし、中間の相続人(一次相続人)と他の相続人とが、共有名義の相続をする場合、中間省略登記は認められません。

そのため、2回の手続きと、2回の税負担(ただし、土地の場合は2025年3月31日まで免除措置利用可)が必要となる点はデメリットと言えます。

数次相続による相続登記の際の登記申請書の書き方

こちらでは、数次相続時の登記申請書の記載方法と、綴じ方について解説しましょう。

数次相続時の登記申請書の記載方法

申請書にはまず「原因」「相続人・被相続人」を明記します。

数次相続で申請書用紙の原因欄に「令和◯年△月□日  相続」と記載する場合、申請者本人(二次相続人)への相続発生日ではなく、被相続人から亡くなった相続人(一次相続人)への相続発生日を明記しましょう。

例えば被相続人から一次相続人への相続発生日が「令和5年6月17日」なら、申請者本人の相続発生日が「令和6年1月10日」でも、令和5年6月17日の方を記載します。

相続人・被相続人の記載は、次のように明記します。

  • 被相続人:最初の相続における被相続人の氏名
  • 相続人:中間の相続人(一次相続人)の氏名

例のように記載しましょう。

相続人(被相続人 山田 太郎)
   埼玉県さいたま市〇町△丁目□
   (亡)山田 一郎  
   (申請人・上記相続人)      
   山田 ひろし (印)
連絡先の電話番号 〇〇〇〇〇〇

提出書の綴じ方

書類は登記申請書を1番上にして、次のように重ねていきます。

  1. 登記申請書
  2. 収入印紙貼付台紙
  3. 委任状:代理人が行う場合
  4. 相続関係説明図
  5. 遺産分割協議書または遺言書(コピー)
  6. 印鑑証明書(コピー):遺産分割協議の場合
  7. 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票(コピー)
  8. 相続不動産取得者の住民票(コピー)
  9. 固定資産評価証明書(コピー)
  10. 被相続人の死亡〜出生までの戸籍謄本等、相続人の現在戸籍(原本)
  11. 遺産分割協議書または遺言書(原本)
  12. 印鑑証明書(原本):遺産分割協議の場合
  13. 被相続人の住民票の除票または戸籍の附票(原本)
  14. 相続不動産取得者の住民票(原本)
  15. 固定資産評価証明書(原本)

書類の原本の返却をしてもらうには書類のコピーが必要です(原本還付)。原本還付をしなくても良い場合は、コピーは不要となります。

登記申請書・収入印紙貼付台紙を重ねてホッチキスで綴じ、書類の綴じ目に契印を押印します。

次いで原本還付のコピー書類を重ねホッチキスで綴じ、コピーした一番上の書類に「写しは、原本と相違ありません。」という記載と申請人氏名を明記し、氏名末尾に申請書の押印に使用した印鑑と同じ印鑑で押印しましょう。なお、コピーの全ページの綴じ目にも契印をします。

なお、返却をしてもらう原本はクリップ等で留めます。

その後、全ての書類を重ね大きなクリップ等でひとまとめにすれば完成です。

数次相続に中間省略登記の登記申請書の書き方

中間省略登記を行う場合も、申請書に「原因」「相続人・被相続人」の明記に注意が必要です。

まず原因には中間の相続人(一次相続人)が相続した事実、中間の相続人が亡くなり今回の相続発生の事実を記載します。

例のように記載しましょう。

原因 令和5年6月17日 山田 一郎 相続
   令和6年1月10日 相続

相続人・被相続人の欄には、中間の相続人の氏名は記載しません。次のように記載しましょう。

相続人(被相続人 山田 太郎)
   埼玉県さいたま市〇町△丁目□    
   山田 ひろし (印)
連絡先の電話番号 〇〇〇〇〇〇

数次相続が発生した事例を解説!

具体な事例をあげて数次相続時の相続登記の流れをみていきます。

(例)被相続人Aの不動産を配偶者B・長男Cが相続人となった。しかし、遺産分割前に長男Cが死亡した。

  • 被相続人A(死亡)
  • 法定相続人:配偶者B(生存)
  • 法定相続人:長男C(死亡)→長男Cの子D(生存)

二次相続の遺産分割協議にて、長男Cの分を子Dが相続すると決定

(ケース1)被相続人Aの所有不動産を長男Cが単独相続するはずだった

→中間省略登記をして、被相続人Aから子Dへ登記手続き可能

(ケース2)被相続人Aの所有不動産を配偶者B・長男Cが共有名義で相続するはずだった

→中間省略登記は認められず、次の手順で進められます。

  1. 被相続人Aから配偶者B・長男Cへまず相続登記をする
  2. その後、長男Cから子Dへ相続登記をする

数次相続による相続登記を行う際の注意点を解説!

数次相続による相続登記でたとえ中間省略登記が利用できなくとも、二次相続にかかる土地の登録免許税は「相続登記の登録免許税の免税措置」を利用し、免除が可能です。

ただし、次の条件に注意しましょう。

  • 免除対象は土地のみ
  • 2025年3月31日までの申請分が対象
  • 「租税特別措置法第84条の2の3第2項により⾮課税」と申請書に記載する

特に「租税特別措置法第84条の2の3第2項により⾮課税」と明記しないと、他の条件に該当しても、免除措置は受けられません。

数次相続による相続登記がわかりにくいなら、司法書士に登記手続きを依頼した方が無難です。

また、数次相続をはじめ相続に関する悩みがあるなら「円満相続ラボ」を利用しましょう。円満相続ラボでは「相続診断士」の紹介を無料でサポートしてくれます。

相続診断士は相続全般に深い知識を有する専門資格者なので、相談者の悩みへ適切なアドバイスを行ってくれるはずです。

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相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。

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