土地活用の面白いアイデア21選!失敗しないポイントと成功のコツを事例と共に解説
面白い土地活用アイデア21選
土地活用といえば、アパートやマンション経営を思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、近年ではこれに限らず、様々なアイデアや方法で土地を有効活用する手段が広がっています。
ここでは、ユニークで多様な土地活用のアイデア21選をご紹介します。あなたの土地に最適なアイデアが見つかるかもしれません。
トランクルーム経営
貸倉庫(ルーム型またはコンテナ型)を提供する方法です。ルーム型は屋内、コンテナ型は屋外のトランクルームとして賃貸します。
修繕作業のような、貸主による管理の手間はほぼありません。立地に左右されにくい点も魅力です。ただし、経営が軌道に乗るまでは時間がかかり、コンテナ型の場合は1基あたり約25㎡の土地面積を要します。
駐車場経営
駐車場経営は、駐車場を作り、駐車料金を収益として得る方法です。駐車場は、初期費用が少なく始められるため、投資リスクの少ない土地活用方法の1つです。
駐車場経営は、狭い土地でもできる活用方法であり、また、駐車場経営をやめる時も容易であるというメリットがあります。
コインパーキング経営
コインパーキングとは、事前の賃貸契約なしで誰でも利用できる時間貸しの駐車場です。月極駐車場とは異なり、利用時間に応じて収入が発生するため、交通量が多い場所や商業施設の近くでは、効率的に利益を上げることが可能です。特に繁華街や人通りの多いエリアでは、収益性が高まる傾向にあります。
月極駐車場経営
月極駐車場は、1ヵ月単位で契約する駐車場で、定額の賃料を毎月得ることができるため、利用者がいれば安定した収入を見込めるのが特徴です。コインパーキングと異なり、精算機やゲートなどの機器を導入する必要がないため、初期費用が少なく、比較的手軽に始められる点がメリットです。
さらに、月極駐車場は利用者との契約が終了すれば、他の土地活用に転用したり、土地を売却したりといった柔軟な対応が可能です。簡単に始められ、将来のプラン変更もしやすいことから、リスクを抑えた土地活用方法として人気があります。
コインランドリー経営
洗濯は日常的な行為なので、自宅に乾燥機がない人たちの需要は高いといわれています。住宅地や若い人が多い(例:学生街等)地域に向いている活用法です。
しかし、店舗建設・工事費のほか、洗濯機や乾燥機などのリース・購入費用も必要なので、初期費用が高額になります。また、不特定多数の利用者を対象とするため、犯罪、利用者同士のトラブルが起こるリスクもあります。
コンビニ経営
一般的にフランチャイズ契約を結んだ加盟店として経営します。長期的に安定した収入を得られるので、収益性は高いと言えるでしょう。土地所有者が自分で経営しても良いですし、コンビニの運営元に任せることもできます。土地を貸すだけでも地代収入を得ることが可能です。
ただし、収益は立地条件の影響を受けやすく、人を雇うと人件費が重い負担となる場合もあります。
ロードサイド店舗経営
幹線道路沿いに店舗を構える「ロードサイド店舗」は、交通量の多い場所で行う土地活用の一つです。コンビニエンスストアやファーストフード店、ドラッグストアなど、道路沿いの立地が便利な業態が多く採用されています。ロードサイド店舗は、集客力が高く、土地所有者にとって安定した収益を見込める方法です。
この土地活用には主に2つのスタイルがあります。1つ目は、事業用定期借地権を設定し、土地だけを貸し出す方法です。テナントが自分で建物を建て、運営します。2つ目は、土地所有者が自ら建物を建て、土地と建物を一括して賃貸する方式です。この場合、建築資金はテナントが「建設協力金」として融資することが多いです。
民泊経営
民泊は、一般の住宅や空き家を旅行者向けの宿泊施設として提供するビジネスモデルです。従来のホテルや旅館とは異なり、家庭的な雰囲気や地域に密着した体験ができるのが特徴です。特に、相続した実家や地方の空き家などを有効活用する方法として注目されており、遊休資産を活かしながら収益を得る手段として利用されています。
また、民泊は維持管理費の負担を軽減しつつ、活用されていなかった不動産を収益化できる利点があります。特に、インバウンド需要の増加や旅行スタイルの多様化に伴い、日本の民泊市場は急成長しており、都市部や観光地では人気の高い土地活用の一つとなっています。
トレーラーハウス経営
トレーラーハウスは、車でけん引できる移動式の住居で、アメリカなどでは広く普及しています。日本でも、その柔軟な利用方法から注目され始めています。トレーラーハウスは、特定の条件を満たせば「車両」として扱われるため、建築確認申請が不要で、不動産取得税や固定資産税がかからないというメリットがあります。
また、電気や水道などのライフラインを整備すれば、住宅としてだけでなく、宿泊施設や店舗としても利用が可能です。設置や移動にかかる費用を含めても、通常の建物よりも初期費用が安く済む点も大きな魅力です。
さらに、移動が容易なため、土地の状況やニーズに合わせて場所を変更できる柔軟さが、この土地活用方法の大きな強みです。
戸建賃貸経営
戸建賃貸経営は、アパートやマンションに比べて家賃収入がやや低めで、空室があるとその期間は収入がゼロになってしまうリスクがあります。
しかし、ファミリー層に人気があり、賃料が高めでも空室になるリスクが少ないというメリットがあります。
また、戸建賃貸では一度入居すると、長期間住む傾向が強く、安定した収入を見込めます。さらに、売却する際も立ち退きの手間が少ないため、スムーズに進めやすい点も大きな利点です。
狭い土地や既存の住宅を有効に使いたいとき、資金を抑えて土地活用したい場合におすすめの方法です。
ガレージハウス経営
ガレージハウスとは、1階に車やバイクを収納できるガレージがあり、2階以上に居住スペースがある物件です。車やバイクを趣味にしている人や、保管場所に困っている人にとっては魅力的な賃貸物件です。
駅から離れていても、車やバイク移動がメインのターゲット層には不便を感じさせないため、立地に関係なく高めの賃料を設定できるのが強みです。競合物件が少ないこともあり、差別化しやすい点も魅力です。
デメリットとしては、空室が出るとその間は収入がゼロになるリスクが挙げられます。また、ガレージハウスの市場データが少なく、成功例がまだ多くないため、実績が見えにくい点も考慮が必要です。
複合型駐車場経営
複合型駐車場経営は、月極駐車場やコインパーキングに加えて、店舗やトランクルーム、コインランドリー、さらには太陽光発電設備などを併設し、収益を多角化させる方法です。通常の駐車場経営は、初期費用が比較的低く、手軽に始められるというメリットがある一方、収益性の面では他の土地活用方法に比べると限界があります。
この複合型駐車場は、その収益性の弱点を補うために考えられたもので、駐車場利用だけでなく、付随する施設や設備からも収益を得ることができます。これにより、駐車場経営の安定した収入を維持しながら、追加の収益源を確保できる、効率的な土地活用方法です。
カーシェアスペース運営
カーシェアスペース運営は、コインパーキングにカーシェアリングのサービスを追加する形で展開されることが多いです。駐車場をカーシェア事業者に貸すだけであれば、通常の駐車場経営と収益に大きな違いはありませんが、自分でカーシェア事業を運営することで収益性を大幅に向上させることができます。
収益は地域によって変動しますが、オフィスが多いエリアでは、法人利用が安定しやすく、収入も見込みやすくなります。カーシェアの需要が高まっている都市部や通勤エリアでは、特に魅力的な土地活用の選択肢です。
貸し農園
便利な設備(トイレや農機具等)を備えた初心者向けの農園として、土地を貸し出します。農地を引き継いだものの放置状態になっている場合は、貸し農園として有効活用すれば安定した収益が期待できます。
しかし、農地をいきなり貸し出せるわけではありません。貸し出すには農業委員会や市町村への届け出が必要です。また、定期的な管理が必要なため、農地の手入れはもちろん、施設のメンテナンスにもお金がかかります。
キャンプ場経営
キャンプ場やグランピング施設は、近年ますます人気を集めています。特に、一人キャンプ向けに区画を分けた施設や、キャンピングカー専用エリアなど、様々なコンセプトを持たせることで、他と差別化できるのが魅力です。アウトドアブームに乗り、キャンプ場向けの土地を購入したい投資家も増えています。
ただし、キャンプ場経営には注意すべき点もあります。最低限、電気や水道といったインフラの整備が必要ですし、土地の安全性も重要です。土砂災害のリスクや不法投棄の可能性については、事前に十分な調査を行っておく必要があります。
コワーキングスペース経営
コワーキングスペースやシェアオフィスは、都市部だけでなく地方でも人気が高まっている土地活用のひとつです。スペースを提供することで、運営者からの賃貸収入を得るモデルが主流となっています。
最近では、自然に囲まれた郊外にスペースを設置したり、アートギャラリーと併設するなど、さまざまな新しいスタイルが誕生しています。リモートワークやノマドワークが普及する現代において、快適な作業環境を提供するコワーキングスペースは、今後も需要が増えると予想される土地活用法です。
保育園経営
待機児童問題が依然として深刻な地域では、保育園のニーズが高く、供給が追いついていない状況です。特に都市部では、保育施設の需要は今後も伸びることが予想され、土地活用の有力な選択肢となっています。
保育園の設立にはある程度の広さが必要で、プロジェクトの規模も大きいですが、企画の立案から運営までをサポートしてくれる専門のコンサルタント会社があるため、未経験者でも安心して取り組むことができます。
事業形態としては、事業用定期借地契約で土地を貸し出す方法や、土地と建物を一括でリースする方法があり、どちらも長期的な安定収益が期待できます。
コレクティブハウス運営
コレクティブハウスは、個々の住戸がありながら、キッチンやラウンジなどの共用スペースで住民同士が交流できる新しいタイプの集合住宅です。一般的なシェアハウスと似ていますが、よりコミュニティ形成を重視した住まいで、住民が協力して生活の一部を共有するのが特徴です。
コレクティブハウスの中には、建設段階から入居者を募集し、住民が自ら家賃や共用スペースの設備を協議して決めるものもあります。住民同士の関わりを大切にしながら、快適な生活空間を提供することを目的としたこの運営スタイルは、コミュニティを重視する人々に人気の土地活用方法です。
太陽光発電
クリーンエネルギーとして注目されている太陽光発電システムを設置し、電力会社から売電収入を得る方法です。田舎の土地で農業を行うわけでもなく、持て余している場合には最適の活用法です。
積雪がある地域でも活用できますが、周りに遮蔽物のない土地である必要があります。また、面積は200㎡以上が目安です。当然、広い土地でなければ難しい活用法です。
マンションのモデルルーム
建設予定のデベロッパーに貸出し、モデルルームを作ってもらうことで、収入を得る方法です。立地の良いエリアに土地を持っている場合には、最適の活用方法です。
マンションの販売が終わった後はモデルルームの役割も終わるため、その後の活用方法も事前に考えておきましょう。
自販機や証明写真機の設置
自動販売機や証明写真機などを設置し、機器の設置事業者から収入を得る方法です。スペースを使わずにできる活用方法であるため、余ったスペースがある場合には最適です。
大きな収入は望めませんが、機器の撤去も容易であるため、手軽にできる土地活用の方法です。
看板の設置
広告看板の設置は、土地を貸し出して収入を得るシンプルな活用方法です。幹線道路沿いや交通量の多いエリアであれば、小さな土地や形が不規則な土地でも設置が可能なので、これまで活用が難しいと感じていた土地でも有効に使えるかもしれません。
ただし、収益性はそれほど高くなく、年間契約で得られる収入は数万円から十数万円程度が一般的です。手軽に始められる反面、大きな収益を期待するのには不向きです。
等価交換での土地活用
等価交換は、所有する土地を提供する代わりに、土地上に建設される建物の一部の所有権を取得するという方法です。この方式は、再開発プロジェクトや複数の土地を集めて再整備する際によく利用されます。たとえば、自分の土地と新しく建てられたマンションの一室を交換するという形が一般的です。
実際には、土地を売却して建物を取得する形となるため、譲渡所得税が発生する可能性がありますが、一定の条件を満たせば税金の支払いを先延ばしできる特例も適用されます。この方法を使うことで、土地を手放さずに資産を多様化することが可能です。
面白い土地活用のメリットとデメリット
土地活用をした場合は、主に次のメリット・デメリットが考えられます。
面白い土地活用のメリットとは?
土地活用をすれば安定した収入が期待でき、自身の資産形成に役立ちます。賃貸物件を所有していれば、不動産所得の場合は給与所得・事業所得のような所得との損益通算が可能なので、不動産所得が赤字になれば所得税・住民税が安くなります。つまり節税効果も期待できます。
また、購入した土地の価値が上昇する可能性もあります。土地は、需要や供給によって価値が変動するため、土地活用によってその価値を高めることができます。例えば、土地に太陽光発電を設置した場合、売電収入によって土地の価値が上昇する可能性があります。また、コンビニやドラッグストアなどが周辺にできた場合も、土地の価値が上昇することがあります。
面白い土地活用のデメリットとは?
土地活用をする場合、マンション・アパートを建てたり、トランクルームやコインランドリーの施設・設備を購入したりするなど、多額の初期費用やランニングコストがかかることもあります。また、収入が安定しなければ借金だけが残ってしまい、土地活用に失敗するリスクをはらんでいます。
その他、閑静な住宅街にコンビニを建てると「夜間の車の音がひどくなった」「不良のたまり場になっている」など、近隣住民とのトラブルに発展するおそれもあります。
メリットを最大化しデメリットを最小化する方法
土地活用のメリットを最大化し、デメリットを最小化するためには、以下の5つの方法をとることをおすすめします。
事業に関する知識を深める
土地活用を成功させるためには、まず事業についてしっかりとした知識を持つことが重要です。市場調査は、その第一歩となります。地域の経済状況や人口動向、周囲の競合状況を理解することで、その土地にどのような需要があるかを正確に把握できます。この情報が、どのように土地を活用すべきかを判断する助けになります。
次に、自分の土地に適したビジネスモデルを理解することが求められます。たとえば、賃貸住宅、商業施設、駐車場、または農業用地としての活用など、さまざまな選択肢が考えられますが、それぞれのメリットとデメリットを理解しておくことが必要です。成功例や失敗例を参考にしながら、自分の土地に最適な方法を選ぶことが、成功への鍵となります。
また、土地活用には大きな資金が必要になるため、財務知識も不可欠です。収支計画や資金調達の方法、キャッシュフローの管理をしっかりと学ぶことで、事業を安定して運営するための基盤を作ることができます。
関連法規の理解と許認可の取得
土地活用を成功させるには、関連する法律や規制を理解し、それに従った手続きを進めることが欠かせません。まず、自分の土地がどのような制約を受けているかを把握する必要があります。たとえば、都市計画法では、土地の用途や建物の種類・規模が制限されていますので、事前に確認しておくことが大切です。
また、建物の構造や安全基準については建築基準法が定めており、設計や施工においてこれらの基準に従うことが求められます。さらに、農地を他の用途に転用する場合には農地法が適用され、転用の許可を取得しなければなりません。
こうした法律に基づく手続きとしては、建築確認や開発許可などの許認可の取得が必要です。手続きはやや複雑に感じられるかもしれませんが、土地活用の目的に沿って進めると全体像が見えやすくなります。わからない点は、不動産会社や宅建士などの専門家に相談することで、スムーズに進めることができるでしょう。
地域住民とのコミュニケーション
土地活用を成功させるためには、地域への影響や地域住民との関係を大切にすることが不可欠です。まず、計画の初期段階で地域住民に対して説明会を開き、事業の目的や計画内容をしっかりと伝えましょう。この場で住民の意見や懸念を聞くことで、計画に対する理解を得られ、必要であれば修正を加えることでより良いプランにすることができます。
住民からのフィードバックは積極的に受け入れ、可能な限り反映する姿勢を持つことが信頼を築くためには重要です。計画が進む中で、事業の進捗や変更があれば、定期的に情報を提供し、透明性を保ちながら継続的なコミュニケーションを心がけましょう。
柔軟な発想と変化への対応
土地活用は長期にわたるため、状況が変わることを前提に進める必要があります。成功のカギとなるのは、柔軟な考え方と変化への適応力です。
まず、リスクをしっかりと見据えた対策が大切です。市場の変動や法規制の変更、そして自然災害といった不測の事態に備えて、リスク管理を事前に計画しておくことが求められます。
次に、状況が変われば計画の見直しも必要です。時代の流れに合わせて、新しい技術や流行を取り入れることで事業を柔軟に調整し、競争力を維持できます。例えば、エネルギー効率の高い設備を導入したり、スマートな管理システムを取り入れるなど、時代に適応する工夫が重要です。
また、土地の活用方法も一つに絞るのではなく、複数の選択肢を検討することでリスクを分散できます。たとえば、住宅だけでなく、商業施設や駐車場を組み合わせた複合施設を考えることで、収益の多角化を図れます。土地活用は常に進化するものであり、事業が始まった後も定期的に見直し、改善策を考えることで、より良い結果に結びつけることができます。
長期的な視点での事業展開
土地活用においては、長期的な視点を持つことが大切です。目先の利益に固執せず、持続可能な事業運営を意識することで、より大きな成果を得られます。
まず、環境への配慮が求められます。環境にやさしい設計や再生可能エネルギーの活用を取り入れることで、地域社会にも貢献し、長期にわたって安定した運営を目指すことができます。
次に、収益を安定させるためには、賃貸契約や賃料設定に細心の注意を払う必要があります。市場の変化に対応できる柔軟な契約条件を取り入れることで、リスクを最小限に抑えながら、安定した収益を確保できます。
また、建物や設備の定期的なメンテナンスも忘れてはいけません。これにより、資産価値を維持し、長期にわたって収益性を保つことができます。地域社会との協力関係を築くことも重要で、長く事業を続ける姿勢が、周囲からの支持を得るための土台となります。
目的を明確にする
土地活用には、貸し倉庫や貸し農園、ホテルやマンション、商業施設など、さまざまな方法があります。土地の活用方法を決定する前に、目的を明確にすることが重要です。収益を得ることが目的であれば、土地の立地や周辺環境を調べ、どのような活用方法が収益につながるのかを考える必要があります。
マーケティングを考える
土地活用には、競合が存在することが多いため、マーケティングを考えることが重要です。マーケティング戦略を策定し、ターゲットを設定し、効果的な宣伝手段を選択することで、需要を獲得しやすくなります。
資金計画を立てる
土地活用には多くの資金が必要です。土地を購入する際には、ローンを組んで購入することが多いため、資金計画を立てることが重要です。資金計画を立てる際には、将来のリターンを見据えて資金調達計画を立てることが大切です。
売却も考慮しておく
これまで土地活用の方法について解説してきましたが、ご自身の持つ土地が土地活用に適さない場合は、土地の売却の選択も検討しましょう。
土地を売却してしまうと、土地活用による収益化はできませんが、固定資産税について悩まされる必要がなくなります。
土地活用業者などのプロフェッショナルに相談
素人の判断では有効な土地活用法が決まらない場合もあります。そんな時には土地活用業者に相談してみると良いでしょう。
この土地活用業者は大手や中小の不動産会社が該当します。これらの業者の中には「土地活用比較サイト」から活用プランを提示してくれるところもあります。
サイトで土地活用一括資料を請求すれば、複数社の提案を比較検討でき、自分のニーズに最も近い業者を選んで土地活用の相談が可能です。
また、相続によって土地を取得したものの、その活用方法がわからないといった場合には、「円満相続ラボ」がおすすめです。
相続に関する基本知識から、トラブル回避のための具体的なアドバイスまで、わかりやすく提供しているウェブサイトで、専門家によるサポートも受けることができます。
相続に伴う土地活用で悩んでいる方は、ぜひ円満相続ラボのサポートを検討してみてください。
面白い土地活用の成功事例・失敗事例をご紹介!
ここでは土地活用の成功事例・失敗事例について取り上げます。
土地活用の成功事例
[事例]大学移転の情報を即座につかみ、学生アパートを建築
故人から畑を相続したものの、持て余す状態が続いていた。しかし、所有している畑の地域内に大学が移転するという情報を得る。
(1)経緯
自分が所有している畑の地域に学生が大勢集まると予想。近隣にマンション、アパートも見当たらず、移転時期に合わせて単身者用の賃貸アパートを建設しました。
(2)成果
入居者募集を開始後、早期に学生で満室となり安定収入を得られました。学生なので概ね4年間で入れ替わりはあるものの、退去時に後輩を紹介してくれて空室はすぐに埋まる状態が継続しています。
土地活用の失敗事例
[事例]コンビニ経営に活用したが苦情殺到
脱サラのためにコンビニ経営を決断。所有している土地の広さなら適度な駐車場も確保できると確信した。
(1)経緯
近隣のコンビニは自分の所有する土地の近くに数店しかないため、経営は安定すると考え、某コンビニチェーンとフランチャイズ契約を結び開店しました。
(2)成果
コンビニの出店が少ない地域だったので、客足が絶えず早期に事業は安定したものの、運送用トラックの騒音や、駐車場で若者が夜遅くまで騒ぐ等の理由で、仲の良かった近隣住民との間でトラブルが続発しました。
深夜の客の来店や駐車場の利用を断るわけにもいかず、警察に協力を求めているものの、トラブルで精神的に疲弊する日々が続いています。
面白い土地活用で失敗しないためのポイント
土地活用のために活動を開始する前に、いろいろと確認しなければいけない点があります。ここでは主な注意点と成功のコツを解説します。
土地活用の注意点
まずは次の4点に注意しましょう。
(1)土地の広さや立地等をよく確認する
太陽光発電や貸し農地など、ある程度の広大な土地がないと活用するのが難しいケースもあります。また、土地が道路に接しているか、用途地域で建物の建築が制限されているかを良く確認しておかないと、活用法を決めても建物を建てられない事態が想定されます。
(2)自分が十分に管理可能な土地活用かをよく確認する
アパートやマンション等の場合は、管理を徹底していないと賃借人が安全に利用できない事態が起こり得ます。自分で管理するのではなく業者に任せたほうが最適か否か、管理に費やす時間・手間・金銭的負担を確認しておきましょう。
(3)転用性をよく確認する
転用性とは土地活用を開始後、他の方法に変更する転用の容易さを指します。将来転用する可能性があるのかどうかもよく検討しましょう。例えば建物(マンション・アパート等)を建てる土地活用は、何十年も継続するものです。
そのため、建物が建っている土地を貸し農地にしたいと考えた場合、賃借人に退去してもらったり、建物自体を撤去したりする必要があります。このような転用は非常に難しいとみて良いでしょう。
(4)リスクを考慮しておく
土地活用にはリスクがつきものです。土地活用する方法によっても、リスクが異なりますので、ご自身が選択する土地活用方法で起こりうるリスクも理解しておく必要があります。
リスクの例としては、マンションやアパート経営をした場合は、空室の発生があったり、貸料の下落、また自然災害などが挙げられます。
万が一、土地活用に失敗しても生活に支障が出ないように事前に計画を立ててから土地活用を行いましょう。
法律や条例の確認
土地を有効に活用するためには、まず関連する法律や条例の確認が不可欠です。土地に新たな建物を建てる際には、建築基準法や都市計画法などの法規制に従う必要があります。特に、その土地がどの「用途地域」に属しているかを把握しておくことが重要です。
たとえば、市街化調整区域では、新たな建物の建築が原則禁止されています。また、農地の場合は、農地転用の手続きが必要で、これを怠ると建物を建てることができません。
さらに、地域ごとに定められた自治体の条例が、国の法律より厳しい場合もあります。したがって、計画を進める前に、地方の規制にも十分目を通しておくことが重要です。
周辺環境とニーズの把握
所有している土地の立地をよく確認して、どんな活用法が有効かを決めましょう。立地によって次の有効活用例が考えられます。
- 住宅街にある→コインランドリー経営・コンビニ経営
- オフィス街にある→トランクルーム経営・コンビニ経営
- 郊外→コンビニ経営・貸し農園・太陽光発電
一見するとコンビニ経営が最も選びやすい活用法といえます。しかし、住宅街の中でも第一種低層住居専用地域(低層住宅に係る良好な住居環境を保護する地域)では、住環境を害さない、公益上やむを得ないなどの条件がクリアされないと、建築が非常に難しいです。
所有する土地がどんな用途地域(都市計画区域内でどのような街づくりをするか決められている地域)なのか、よく確認してから活用法を決めましょう。
なお、用途地域データに関しては国土交通省のホームページから確認できます。
「国土交通省 国土数値情報ダウンロードサービス 用途地域データ」
収支計画の策定
土地活用を成功させるためには、まず「収支計画」をしっかり立てることが欠かせません。これにより、事業が採算に合うかどうかを事前に把握でき、長期的に利益を上げるための方向性を定めることができます。収支計画では、収入と支出を丁寧に整理し、どれだけの利益が期待できるかを計算することが重要です。
例えば、駐車場経営を考える場合、駐車料金や月極め契約から得られる金額が「収入」に該当します。まず、駐車場の最大利用時の収入を見積もり、さらに実際の利用率を考慮して現実的な収入額を算出します。
一方、支出には固定資産税や都市計画税、駐車場設備の設置費用、日々の管理費、そして借入金がある場合はその返済額が含まれます。また、駐車場の運営には定期的なメンテナンスや清掃費、防犯カメラや精算機の維持費用も考慮に入れなければなりません。
こうして収入と支出を比較し、年間の収入が支出を上回っていれば、事業としての収益が期待できることになります。もし支出が収入を超えるようであれば、計画の見直しや調整が必要です。
アービトラージを使って考える
土地を有効活用する以上は収益を効果的に上げたいものです。しかし、活用法によっては収入アップや高い売却益を得ることが難しいケースもあります。そこでアービトラージを使った土地の活用法が注目されています。
- アービトラージとは
アービトラージ(裁定取引)とは、価格差を利用して利益を上げる取引です。土地の利用方法によっては、タイミング次第で所有している不動産(土地・建物)を高く売却することが可能です。
不動産の価格が上がるタイミングとしては「権利がシンプル」「空間を細分化」「利用時間が短い」のいずれかに当てはまることが必須と言われています。
- 不動産の収益や価格が上がる要素
これから紹介するものの中で、一つでも該当するものがあると、収入をアップしたり高く売却したりできる可能性があります。
(1)複雑な権利の解消
土地等の権利が借地、底地、借家、共有、区分等、複雑に入り組んでいると価格は安くなります。そのため、単独所有であれば権利関係は単純になり、価格が高くなる傾向にあります。売却することだけを目指すなら、まずは権利がシンプルであるかをチェックしましょう。
(2)分割利用
土地の活用法として戸建を賃貸し、1人または一家族に利用させるだけでは効率が悪いです。シェアハウス(一つの住居に複数人が共同で暮らす賃貸物件)として貸し出したほうが、より多くの収入を得られ、売却の際の価格も高くなると言われています。
(3)利用時間が短い
土地を貸し出す時間を細かくして不動産利用の回転率を上げれば高い収益を見込めます。月極駐車場や賃貸マンションとして貸し出すよりも、時間貸し駐車場やホテルとして有効活用したほうが利用時間は短くなります。
利用できる補助金や助成金の調査
土地活用を成功させるためには、国や自治体が提供している補助金や助成金を活用することが非常に有効です。適切な補助金を利用することで、初期費用の負担を軽減でき、事業の成功確率を高めることができます。
まず、太陽光発電設備の設置を検討している場合、経済産業省が提供する「再生可能エネルギー導入支援補助金」があります。これにより、太陽光発電や蓄電池の導入にかかる初期費用の一部が補助され、コストの削減に役立ちます。
農地の活用については、農林水産省が提供する「農地利用再編対策」の補助金があります。これにより、耕作放棄地の再生や新規就農者の支援を目的とした施設整備などに活用できます。特に、農地の再生を通じて農業振興を目指す場合に適した支援策です。
また、地方自治体ごとに独自の補助金もあります。たとえば、埼玉県の「彩の国太陽光発電設備設置費補助金」や、東京都が実施している「農地利用再生緊急対策」などが挙げられます。これらの地域ごとの支援策も活用することで、さらに有利な土地活用が可能になります。
このように、補助金や助成金は、土地活用における資金面での負担を軽減する強力なツールです。自分の事業に合った補助金を調べて活用することが、成功への一歩となるでしょう。
信頼できる不動産会社の選定と比較検討
土地活用を成功させるためには、複数の不動産会社に相談し、それぞれの提案を比較することが重要です。異なる会社の視点を取り入れることで、自分の土地に最も適した活用方法が見つかる可能性が高まります。
まずは、信頼できる不動産会社をリサーチするところから始めましょう。実績や口コミなどを確認し、信頼性の高い会社を選定します。その後、複数の会社に相談し、各社の提案内容や見積もりを比較検討します。各会社が提供する専門知識やサポート内容も慎重に確認することで、最適なパートナーを見つけることができます。
都心の場合
都心の一等地(銀座等)にある土地を持て余している場合は、売却することが最も有効な活用法です。地価はもちろん需要も高いため、一気に高額を提示してくれる買い手が現れるかもしれません。
その他、都心は人が多く出入りも激しいため、利用できる土地は限られています。マンションやアパート、駐車場経営で大きな利益が期待できます。
地方・郊外の場合
地方でも中心市街地や駅近ならマンションやアパート、駐車場経営等による収入が十分期待できます。しかし、地方はもとより都心でも郊外に行けば、のどかな農地や自然が広がっているはずです。
自動車で移動しやすい広い道路(国道)に隣接している土地であれば、太陽光発電や貸し農地が最適です。
なお、活用法として建物を建てた場合、地域に住んでいる人が少ないからといって、どんなケースでも収入が得られないわけではありません。
例えば国道が通っていて交通の要衝となっている田舎では、道路沿いにコンビニがあると運送業者やレジャー客にとっては大助かりです。
また、地方や山間部には、都心部と比べて物件価格が安く、利回りの高い不動産が多くあります。マンションやアパートの建設、古民家のリノベーションなども土地活用として考えられます。地元の需要に合わせた不動産投資を行い、安定した収益を得ることができます。
よくある質問
最後に、よくある質問とその回答を紹介します。
お金がかからなくて面白い土地活用アイデアは?
一つのアイデアとして、所有する土地に広告看板を設置し、企業と契約して毎月の掲載料を得る方法があります。看板のサイズにもよりますが、設置コストが比較的低いため、少ない投資で利回りを確保できるのがメリットです。
変形地や狭い土地でも活用できる点が魅力ですが、特にロードサイドなど、視認性の高い場所が適しています。
一方で、設置時にはあらゆる法令に則る必要があるほか、収益性が非常に低く、周辺の草刈りといったメンテナンス・管理を定期的に行わなければならないデメリットもあるので注意が必要です。
田舎でおすすめの面白い土地活用アイデアは?
田舎で農地を相続した場合におすすめなのが、「特定農地貸付方式」を使った市民農園の開設です。
これは、利用者が一定の区画を借りて農作物を育てる仕組みで、利用料を収益として得ることができます。農地を無駄にせず、地域の人々に農業体験の場を提供する面白い活用方法です。
ただ、農地の種類や地域によって、条件が異なる場合があり、農業委員会の許可が必要となるケースもあるので、事前に確認が必要です。
土地活用の流れは?
土地活用を始める際は、まず信頼できる業者に相談することが第一歩です。専門業者のアドバイスを受けながら、自分の土地に適した活用方法を探ります。
次に、市場調査を行います。周辺地域の需要や競合の状況を確認し、どのプランが収益性が高いかを検討することが重要です。この段階では、複数の業者から提案を受け取り、予算や希望に合ったプランを慎重に選びます。
プランが決定した後は、契約を進めます。土地活用に関する契約を結び、その後、必要に応じて行政への申請手続きを行います。特に、建築確認や開発許可が必要な場合は、速やかに対応することが求められます。
申請が通ると、建設工事が始まり、計画通りに建物や設備が整備されていきます。そして、最終的に建物が完成し、引き渡しを受けた時点で、土地活用が本格的にスタートします。
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この記事を監修したのは…
弁護士・ライター
中澤 泉(なかざわ いずみ)
弁護士事務所にて債務整理、交通事故、離婚、相続といった幅広い分野の案件を担当した後、メーカーの法務部で企業法務の経験を積んでまいりました。
事務所勤務時にはウェブサイトの立ち上げにも従事し、現在は法律分野を中心にフリーランスのライター・編集者として活動しています。
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