山の住所の調べ方【2026年最新】相続した土地の特定方法
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【記事内容を動画で解説】
相続した山の場所がわからず悩む方は少なくありません。本記事では、手元の資料を使った調べ方から無料のオンラインツール、役所での公的資料取得まで、優先順位順に解説します。
なぜ山の住所や場所は分からなくなるのか?山林特有の3つの理由
理由1:そもそも山に「住所(住居表示)」はないことが多い
住所と地番には次の違いがあります。
- 住所:郵便・宅配等を届けるための表示制度。管轄は市町村。
- 地番:土地一筆ごとの番号で、登記関係に用いる。管轄は法務局。
山林には建物がなく住所が付されていないことがほとんどです。場所の特定には「地番」を手がかりにします。
理由2:境界が曖昧で、目印となる建物も少ない
山林の境界は尾根や沢などの自然地形で区切られ、明確な杭や塀がありません。目印となる建物もなく、現地での特定が難しくなります。
理由3:世代交代で所有者の記憶が薄れ、管理もされていない
山林は日常的な管理をしないまま世代交代が進みがちで、所有情報が引き継がれず場所を把握できなくなります。
まずはここから!山の場所を調べるための基本姿勢
目標は「おおよその場所の把握」。完璧な境界特定は難しいと心得る
まず目指すのは「おおよその場所の把握」です。正確な境界確定には専門家による測量が必要で、相続人だけで完璧に特定するのは困難です。最初は「どのあたりの山か」が分かれば十分です。
複数の地図や資料を重ね合わせて精度を高める
公図、航空写真、森林計画図など複数の資料を重ね合わせると精度が高まります。地番を軸に複数の地図を照合しましょう。
【優先順位順】山の住所・場所を調べる5つのステップ
ステップ1:手元の資料で「地番」を探す(固定資産税課税明細書など)
地番は「固定資産税・都市計画税の課税明細書」で確認できます。市町村役場から毎年4月ごろ届く納税通知書に同封されています。明細書がない場合は登記済み権利証や売買契約書でも確認できます。
ステップ2:地番が不明なら市町村役場で「名寄帳」を取得する
手元の資料で判明しない場合は、市町村役場で固定資産課税台帳(名寄帳)を取得します。所有していた土地・家屋が一覧で確認でき、見落とした山林の地番も把握できます。手数料は自治体により異なります。
ステップ3:無料のネット地図サービスで大まかな位置を掴む

地番が分かったら、無料のオンライン地図で大まかな位置を確認します。
ステップ4:法務局や役所で公的な図面を入手し照合する
法務局の公図や都道府県の森林計画図を入手し、形状や隣接関係を照合します。
ステップ5:現地調査と聞き取りで最終確認する
近隣の所有者や地元の森林組合への聞き取りで、地図上の位置と現地を結びつけます。
無料・オンラインでできる!山の場所の調べ方4選
①登記情報提供サービスで公図データを取得
==一般財団法人民事法務協会「登記情報提供サービス」では公図データをPDFで取得できます。==2026年4月1日から地図・図面情報は1通362円に改定されている。証明印は付きません。場所の特定のみなら有効です。提供時間は公式サイトで確認してください。
②自治体のGIS(地理情報システム)で地番検索
多くの自治体が路線価図や都市計画図を「統合型GIS」等としてウェブ公開しています。地番や位置、都市計画区域の区分を確認できます。長野県では県と市町村が共同利用する森林GISを構築し森林計画図や森林簿を共有・管理しています(出典:長野県)。まず管轄自治体のサイトで公開有無を確認しましょう。
③地理院地図の高度な活用法(年代別航空写真・等高線)
国土地理院「地理院地図」では等高線や年代別航空写真を無料閲覧できます。過去の航空写真で当時の林相を確認したり、等高線で尾根・沢の位置を読み取れます。
④MAPPLE法務局地図ビューアで手軽に確認
株式会社マップル「MAPPLE法務局地図ビューア」は、登記所備付地図データをMAPPLE地図や航空写真に重ねて表示できる無料サービスです。住所・地番で検索でき、位置・形状・地番を視覚的に確認できます。PC・スマホから無料で使えます。ただし全エリアで重ね表示できるわけではなく、一部は「任意座標系」での提供です。登記情報取得や地図印刷は有料です。
役所で確実な情報を得る!公的資料の取得と活用法
法務局:「公図」「地積測量図」の取得方法と見方
公図は土地の配置・形状を確認できる図面で、地番が分かれば誰でも取得できます。
- 窓口取得:「地図・各種図面証明書交付申請書」を提出、手数料1通450円。
- 郵送取得:1通450円の収入印紙と返送用切手が必要。
- オンライン取得:「登記・供託オンライン申請システム」から申請、郵送受取450円、窓口受取430円。
過去に測量された土地であれば「地積測量図」で正確な形状・面積を確認できます。
都道府県庁:「森林簿」「森林計画図」で林業情報を確認
公図で特定が難しい場合、都道府県庁林務担当が管理する「森林計画図」(地域森林計画対象の民有林区域を示す図面)で確認できます。手数料・交付方法は都道府県により異なります。樹種・林齢等の林業情報を記した「森林簿」も確認できます。
市町村役場:「固定資産税地番図(課税地番図)」を閲覧
市町村役場では課税対象土地の地番配置を示す地番図を確認できます。「地形図」をPDF・DM・SHP・DXF等で公開・ダウンロードできる場合もあります。
▼相続登記の手続きの流れとは?必要書類や費用まで解説!
調査が難しい場合の対処法と専門家への依頼
地籍調査未了地域など調査が難航するケースとは
地籍調査未完了地域では公図の精度が低く、現地とずれることがあります。境界の目印が消失した場合も特定は難航します。こうしたケースは専門家への依頼を検討します。
最終手段は専門家へ!土地家屋調査士に相談するメリット
境界や面積の正確な把握には土地家屋調査士に相談します。測量と表示登記の専門家で、現地調査・隣接所有者との調整・公的資料取得を一括で任せられます。
依頼できること:現況測量と境界確定測量の違いと費用相場
- 現況測量:現状の地形や構造物を測る。境界合意は行わない。
- 境界確定測量:隣接所有者の立会いと合意で境界を確定する。
境界確定測量の費用相場は、隣接地がすべて民有地で30万〜50万円、官有地に接する場合で60万〜80万円が目安。納期は資料収集から登記完了まで一般に3ヶ月程度ですが、調整が難航するとそれ以上かかります。山林は宅地より高額・長期になる傾向があります。
報酬には地域差があり、日本土地家屋調査士会連合会が令和4年度調査として報酬額の分布を公開しています(出典:日本土地家屋調査士会連合会)。
知っておきたい山林調査の豆知識
現地調査で役立つ境界の目印(尾根・沢・杭・林相の違いなど)
山林の境界は尾根筋・沢筋などの自然地形が目印になります。古い境界杭や石、樹種が変わる林相の境目も手がかりです。地理院地図の等高線と照合すると効率的です。
登記面積と違う?山林特有の「縄延び・縄縮み」について
山林では登記簿面積と実測面積が一致しないことがあります。実測が大きい場合を「縄延び」、小さい場合を「縄縮み」といいます。正確な面積把握には実測が必要です。
【相続の場合】山の場所を特定した後に必要な2つの手続き
①相続登記(2024年4月から義務化)
所在地を管轄する法務局に登記申請書等を提出し、登録免許税を納付します。主な必要書類は次のとおりです。
- 登記申請書(法務局のひな型等を利用)
- 被相続人の出生〜死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍(戸籍謄本1通450円、除籍・改製原戸籍1通750円)
- 被相続人の住民票除票または戸籍の附票(目安200〜300円程度)
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人の住民票(目安200〜300円程度)
- 固定資産評価証明書、遺産分割協議書、遺言書等
登録免許税は固定資産税評価額の0.4%です。
相続登記は2024年4月1日から義務化。原則、相続の開始と所有権取得を知った日から3年以内に手続きします。施行日前に相続が発生した場合は2027年3月31日までが期限です。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象です。
②市町村長への所有者届出(所有者となった日から90日以内)
相続で山を取得した相続人は、面積に関わらず市町村長へ届出が必要です(森林法第10条の7の2)。期限は所有者となった日から90日以内(遺産分割未完了の場合は法定相続人の共有物として届出)。提出書類は次のとおりです。
- 森林の土地の所有者届出書(市町村役場で取得)
- 当該土地の位置を示す地図
- 当該土地の登記事項証明書その他届出原因を証明する書面
怠った場合や虚偽届出は10万円以下の過料です。
▼相続登記義務化!登記しないとどうなる?罰則の内容や手続きの方法を具体的に解説
相続した山が不要な場合の3つの選択肢
①相続放棄|他の財産もすべて手放す
相続人が単独で行えます。相続の開始を知ったときから3か月以内に、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所へ申述します。申述書に住民票除票または戸籍附票、申述人の戸籍謄本、収入印紙800円分、郵便切手等を添付します。認められれば初めから相続人でなかったとみなされ、山以外の遺産も取得できなくなります。放棄しても、放棄時に山を現に占有している場合は次の管理者が決まるまで保存義務を負うことがあります。
②相続土地国庫帰属制度|不要な土地だけ国に返す
相続放棄と違い相続権を失わず、不要な山だけ手放せます。管轄法務局(本局)に承認申請し、申請書に図面・写真・印鑑証明書・固定資産評価証明書等を添付します。審査手数料は土地1筆あたり1万4千円。書面審査・実地調査後、承認されれば負担金(原則1筆20万円。森林等は面積に応じて算定)を納付します。建物がある、担保権がある、土壌汚染がある、境界が不明確で争いがある等の場合は認められません。
③森林組合や不動産業者への売却・譲渡相談
売却・譲渡したい、管理を任せたい場合は森林組合に相談できます。地域によっては山林を扱う不動産業者も選択肢です。
▼相続土地国庫帰属制度を利用するメリットとは?申請状況や手続き方法を解説!
山の管理・活用方法と利用できる補助金制度
林業、太陽光発電、キャンプ場など積極的な活用事例
林業による木材生産のほか、立地によっては太陽光発電、キャンプ場やアウトドア施設としての活用事例もあります。立地・地形・法規制(森林法の林地開発許可、農地法、各種条例等)を踏まえて検討しましょう。
境界明確化などに利用できる可能性のある補助金制度
林野庁は森林の境界明確化や施業集約化を支援する施策を実施しています。市町村や森林組合が主体となり、GPS等を利用した境界測量や合意形成を支援し、リモートセンシングデータの活用も推進されています(出典:林野庁)(出典:林野庁)。制度名称・内容は年度ごとに見直されます。
「森林・山村多面的機能発揮対策交付金」は、地域住民や森林所有者で構成される活動組織が里山林の保全管理(下草刈り・竹の伐採・歩道整備など)や森林資源活用を行う活動を支援する制度です。一定人数以上の組織が対象で、森林所有者との協定を結べば森林経営計画未策定の森林でも活動できます。(出典:rinya.maff.go.jp)要件は実施年度の公募要領をご確認ください(出典:林野庁)。境界が不明確でも、地域の共同活動で対象になる場合があります。
まとめ:山の調査や相続で困ったら専門家へ無料相談
相続した山の場所は、まず課税明細書などで地番を確認し、オンライン地図や公図、森林計画図を重ね合わせて特定するのが基本です。境界や面積の正確な把握は土地家屋調査士に、登記や届出は司法書士(届出書類作成代行は行政書士)に相談しましょう。相続全般は「円満相続ラボ」へお問い合わせください。相続診断士を無料で紹介しています。
【無料相談】相続に関するお悩みは相続診断士へ
相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。
本記事で抱えている問題が解決できているのであれば大変光栄なことですが、もしまだもやもやしていたり、具体的な解決方法を個別に相談したい、とのお考えがある場合には、ぜひ相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にご相談することをおすすめします。
本サイト「円満相続ラボ」では、相続診断士に無料で相談できる窓口を用意しております。お気軽にご相談ください
この記事を監修したのは…
株式会社プロサーチ 代表取締役
松尾 企晴(まつお きはる)
「不動産を持っていて相続に悩む方の問題解決」を専門とするプロサーチ株式会社代表取締役。家族信託、
アパートなどの不動産相続対策など幅広いジャンルに精通しこれまで5,000人以上の悩みや不安を解決。
『話をじっくり聴く』、『お客様のありたい姿を引き出す』という提案ありきではない姿勢に定評がある。