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元彼の遺言状の第三話のネタバレとあらすじを見逃し解説！

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2022年4月25日に21時から放映された月9ドラマ「元彼の遺言状」の第三話のあらすじの紹介と解説をしていきます。

本解説記事では、ドラマがより面白くなるように、司法書士事務所ワン・ストップの代表で司法書士の田村先生にご協力して頂いております。

田村先生のプロフィール

新卒で不動産会社に入社するも、一念発起して司法書士に。
独立前から相続・遺言分野に特化し、30歳の誕生日に巣鴨駅前で独立。
その矢先、独立から約半年で父親の相続を経験。
法律や数字だけでは足りないリアルな相続を経験し、より相続・遺言のサポートに注力しようと決意。
「相談しやすくて、分かりやすい相談相手」を自らのあるべき姿と考え、日々業務に取り組む。

第二話のあらすじは以下からどうぞ。

元彼の遺言状の第二話のネタバレとあらすじを見逃し解説！

それでは、第三話のあらすじを解説していきましょう！　

ホストクラブの男から不動産会社社長が殺害されたと報告される！

雨の中、家の前で黒丑益也（望月歩）が傘を差して立っている。一輪だけ赤色の花が咲いている。　

敏腕弁護士・剣持麗子（綾瀬はるか）は留置場で、運送会社の乗車前検査に引っかかって社長のすねを蹴り上げた女性・真美（別名ネロ、佐々木春香）の話を聞いている。彼女は傷害罪で逮捕された。「だってほんとに飲んでないんだもん」と主張するが、血中アルコール濃度0.03%という数値は奈良漬を60枚食べないと出ない数値だ。
真美の彼氏のユウが「俺とあいつどっちが大事なんだよ」と言ってきたので、腹が立った彼女は奈良漬をやけ食いをしたという。あいつとは飼い犬のパトラッシュのことだ。
麗子は殺害された村山権太（笹山高史）の「暮らしの法律事務所」を引き継いだが、儲からない一般市民のどうでも案件にも対応していた。　　
　
「暮らしの法律事務所」に戻った麗子は事務所の雑用係・篠田敬太郎（大泉洋）から、白梅食品から顧問弁護のお断りと有栖川グループから連絡がなかったことを告げられる。
その日麗子に連絡があったのは離婚調停の相談と、カラオケスナック同士の騒音トラブルの仲介。どちらも村山からの引き継ぎ案件である。

麗子が篠田に「パトラッシュは頼んだ」と犬の散歩を押し付けると、「武田信玄」と名乗る者から秋須坂町での弁護依頼の電話が入る。
秋須坂町商店街はレストラン望月で発生した火事の消火作業真っ最中で、道に「ショッピングセンター建設反対！！」と書かれた看板が立て掛けられている。

麗子が進藤不動産に到着すると、警視庁捜査一課の橘五郎（勝村政信）と部下の松田大樹（古屋呂敏）が挨拶してきた。被害者である進藤昌夫（画大）は、ゴルフクラブで頭一発殴られたそうだ。　

事務所に電話してきた黒丑益也は「弁護士が来るまで何も喋らない」とその場で口をつぐんでいた。黒丑はホストクラブのNo.2で、本名は麗子に伝えたくない様子だ。　
麗子が帰ろうとすると彼は黒丑益也と名乗り、「苦労しますや。素敵な名前ね」と反応する。

そのころ篠田が真美の家を訪ね、物で散らかった部屋に仰天。そこで子犬のパトラッシュを発見する。　

黒丑は3か月前、進藤昌夫が自宅に来て、近いうちに立ち退いてもらうようお願いされたと麗子に話す。しかし、ひと月前、進藤は顔色を変えて「1か月以内に出てけ」と言ってきたそうだ。

進藤は生前、黒丑が住んでいる家が進藤不動産が所有している物件だと主張した。黒丑は仕事が休みだったので進藤不動産に交渉しに行ったところ、進藤が死んでいた。黒丑は速攻で警察に連絡した。　
「だったら信じられるよう説明してちょうだい」
黒丑は自分が進藤を殺害していないことを主張すると、麗子はこう返す。　

篠田が真美の部屋の冷蔵庫を開けると、何かを見つける。

紗英が事務所を訪問、黒丑の賃貸借契約書だけがない

法律事務所の屋外で、篠田が鼻歌を歌いながら洗濯物を干している。麗子と篠田が「暮らしの法律事務所」に戻ると、森川紗英（関水渚）が事務所の開業祝いを持って待っていた。紗英は森川栄治（生田斗真）の従姉妹で、彼に片思いをしていた。　
篠田は彼女が友人の結婚式に行く予定であると予想するが、予想は外れる。特撰黒毛和牛A5ランクを調理する篠田。　

最近の麗子は以前の勤務先、山田川村・津々井法律事務所にいたときの1.5倍の弁護料をクライアントに要求している。一方篠田は栄治の別荘管理人をやっていた際、報酬なしで働いていた。

紗英は常國建設株式会社の株主で、この日は秋須坂再開発のお披露目クルージングパーティーに行く予定だという。
パーティー会場は秋須坂だ。　

黒丑が秋須警察署から釈放され、麗子と「暮らしの法律事務所」へ向かう。進藤の先祖は昔から秋須坂の地主をやっており、まとめて土地を売りに出すと言っていたという。　

黒丑家は元々祖父の家で、益也が1歳の時に祖父が死亡。以前は弟と家族4人で幸せだったが、父がリストラに遭い黒丑が中学生の頃母は家を出て行った。
母は弟と2人で暮らし、3年前父は知らないところに行ってしまい、「そして誰もいなくなった」。アガサ・クリスティーの小説タイトルに同じものがある。だが黒丑は「家族の再生を諦めない」と、家族思いの一面を見せる。　

その後区役所で橘五郎は麗子に、進藤不動産にある賃貸借契約書をまとめた書類ファイルの中に、黒丑家の書類のみがなかったことを話す。

麗子は守秘義務があるとして、黒丑から聞いていたとしてもあなたに話すつもりはない、と答える。

田村先生
田村先生

弁護士をはじめとする士業と呼ばれる職業では、顧客について知り得た情報は、正当な理由がなければ他に漏らしてはいけないという守秘義務があります。ただ、通常は警察の捜査にその情報が必要で、その捜査に協力するためであれば、それは正当な理由として守秘義務違反にならないとされていますが、一方で捜査に協力しなかったとしても罰則等はないため、麗子が話すつもりはないと答えたことも、十分あり得ることだと思います。

麗子が常國建設と住民を立ち退かせる側に付き、大もうけ？

麗子が常國建設の斉藤（鬼塚俊秀）を訪ねる。麗子は「5年といわず2年で」弁護士業界トップクラスを目指すそうだ。　

麗子が話したいのは、会社のショッピングモール建設プロジェクトに伴う開発区域立ち退き交渉について。立ち退き反対の声が相当あがっていることを話すと、斉藤は「まさか集団訴訟を！？」と驚く。

麗子は集団訴訟に勝ち住民を一斉に立ち退かせる自信があるとして、「計画推進の効率化、迅速化に向けての提案書」を斉藤に提示する。秋須坂区域の水道管が老朽化していること、火事の消火作業で消防車が役に立たなかったこと、行政が大規模な修繕工事を予定していることを説明。　

しかし着手するのは15年後。そんな区域に住んでいると住民に教えれば、立ち退きを促すことが可能だろう。麗子はさらに「重要参考人の弁護をしているんです」と話を広げる。　
　
篠田は事務所で「家族の再生を諦めない」と言った黒丑の言葉に感動していた様子。進藤が所有していたのは黒丑家を含む10軒で、常國建設の再開発プロジェクトの成功に必要な立ち退き軒数は82軒にもおよぶ。麗子は常國建設と立ち退かせる側に付き、大口案件に貪欲な姿勢だ。　

篠田は彼女の意見に反対する。ただ麗子は「黒丑と常國建設の両方の案件を扱うことで、利益相反を指摘される可能性がある」と答える。

田村先生
田村先生

弁護士は、依頼人の代理人になるので、依頼人の利益になるように動きます。一方で、立ち退きをさせる側と立ち退く側は、明らかに対立関係にありますので、双方の利益がぶつかり合う構図になり、このような場合に双方の代理人になることはできないとされています。

麗子は常國建設に1軒1,000万円で見積もりを出していて、立ち退かせるのは現在交渉中の48軒。これに成功すれば4億8,000万円の売上につながり、1か月以内の成功報酬1億円も手に入れたい魂胆だ。

「私はお金にならない仕事はしない主義なの」

麗子と篠田がカフェで食事を取っている。付近でショッピングモール建設反対集会が行われており、秋須坂商店街を守る会会長はレストラン望月の望月信頼だった。

レストラン望月は火事の発生元となった飲食店である。

麗子は「私なら法にのっとり、合理的かつ迅速に立ち退きを完了させる」と言って、カフェを出ていく。篠田は麗子を追いかける。

隣人に会い、黒丑益也の話が嘘だったと判明

賃貸借契約書が見つかっていないのは、黒丑の家である。そこはたくさんのツツジが咲いている一軒家で、不動産の登記簿には進藤昌夫が土地と建物の所有者だと書いてある。

田村先生
田村先生

不動産を誰が所有しているのかは、原則としてすべて登記によって判断します。登記がされていなければ、自分がこの不動産の所有者だと主張することができません。ですので、不動産の登記は基本的に義務というより権利という見方ができ、不動産の所有者だと言いたいなら登記をしておきなさいね！という制度になっています。

黒丑益也が麗子に話したことはすべて嘘だったのだ。

庭の白ツツジの中に、一輪だけ赤色のツツジがある。

麗子は隣家の、庭で植物の手入れをしていた尾形（おかやまはじめ）に声をかける。麗子が常國建設から預かった立ち退きリストを見ると、秋須坂4丁目1番14号の賃借人は黒丑宗也、隣家4丁目1番13号の賃借人は藤本浩平だった。しかし1番13号の家の表札は尾形である。

尾形は黒丑家との直接的な付き合いがなかったと話す。黒丑の父親は厳しいというより、尾形とは住む世界が異なるそっちの筋にいたようだ。
さらに黒丑の母親は亡くなったはずで、子どもは益也のみであることが判明。尾形はここ何年も黒丑の父親を見ていないと言う。　　

尾形は大学で植物の研究をしている。尾形の妻は父が脳梗塞で倒れ、父の看病で施設にいる。　

黒丑家の庭に誰かが埋められている

アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」は、孤島にいる10人の人間が童謡に合わせて一人ずつ殺害される物語。　
　　
篠田はこの名作と同じ殺人事件が秋須坂で起きたと推理する。
秋須坂の「秋」の部首は「火」で、殺人事件当日に火事が発生した。「須」の部首は「おおがい」で、人の頭を意味し進藤は頭を殴られ死亡。「坂」の部首は「土」である。

篠田は「黒丑家を見てすべてがつながった」と言う。一輪だけ色の異なるツツジに事件の解決の糸口がある。　

黒丑益也が立ち退きを拒否した本当の理由はそこにある。ツツジの色が変わったのは、あのツツジの下に何かがあるからだ。

黒丑家の庭には殺害された誰かが埋められていて、家を明け渡せば人が掘り起こされてしまう。

麗子と篠田は、黒丑がレストランに火を付け家の所有者である進藤を殺し、庭に埋めた犯人だと推測する。
そこで森川紗英が「暮らしの法律事務所」を再訪問し、篠田の紅茶を飲む。
篠田は放火事件と殺人事件が同じ人物の犯行だと話す。「放火犯は必ず現場に戻ってくるって」。　

紗英が篠田に、火事現場にいたグレーの服の男性をインターネットで探させる。すると6枚目、7枚目、12枚目、24枚目、28枚目、36枚目に同じ男性が写っていた。　

麗子は黒丑とラーメン屋に行く。黒丑はホストクラブでNo.2ではなくNo.8だった上、同店の千利休に負けていることが分かる。麗子は黒丑に弟がいないこと、母が亡くなっていることを確認すると、賃貸借契約書の在りかを訊ねる。　
進藤が殺害された日、黒丑は賃貸借契約書を奪いに進藤不動産に行った。麗子は店でワンタン麺野菜マシマシを、黒丑はチャーシュー麺大盛りを食す。
　
「あんたの家も必ず立ち退くことになる。契約書がなければ1円も入らないのよ」と麗子が言うと、黒丑はまだあの家に住みたいと思っている様子だ。

黒丑は「ちょっと腹の調子が悪くて」と休みの電話をホストクラブに入れると、ほかの場所へ向かう。

黒丑は父親が殺人を犯したと勘違いしていた

「暮らしの法律事務所」で、紗英と篠田が放火現場の写真で尾形を発見したことを麗子に報告。紗英は幼稚園で自分をいじめた人の顔など、一度見た人物の顔を覚えるのが得意である。

麗子は「父親のことを調べる。これでまた1,000万ゲットよ」と言う。　

警視庁捜査一課・橘五郎・松田大樹と麗子は、夜、黒丑が自宅の庭を掘り起こしているところを取り押さえる。

黒丑の父親はヤクザで、3年前に身を隠すと言って家を出て行った。そのとき父親は「何があってもあの家には住み続けろ」と指示した。益也はお父さんが誰かを殺害して庭に埋めたと考えていたが、庭には何もなかった。　
麗子が「ちょっと付き合いなさい」と黒丑を呼び、篠田と3人で関東理科大学に行く。

ホストクラブ店長の家康は「お花の色が変わる場所には人が埋められてる」と言った。

ツツジには咲き分けという遺伝現象があり、土の影響で色が変わることはない。それを勘違いした黒丑は遺体が埋まっているであろう庭を掘り起こされるのを恐れ、進藤不動産に行ったのだ。　

麗子・篠田・黒丑は大学の講義室に入り、尾形のゲノム編集に関する講義の最後を聞く。

犯人は3人の人物を殺害していた

尾形は進藤昌夫が、反対派のリーダーが経営するレストラン望月を放火する現場を目撃した。
尾形は進藤に放火の件は黙っている代わりに、自宅の立ち退きをしないで済むよう命じたが、進藤はそれを拒否。尾形は進藤を殺害した。
進藤と借地契約をしているのは尾形の義父・亡き藤本浩平。進藤は藤本と話をしたいと言ったが、他界しているので話をすることはできない。

麗子が警察に依頼して義父のことを調査したところ、義父が脳梗塞で入院した記録はなかった。警察から家宅捜索の令状が降りたので、早急に庭にあるものが掘り起こされるだろう。
尾形が篠田を突き倒して講義室から逃げようとすると、黒丑が「もうやめてください」と引き止める。　

「暮らしの法律事務所」にいる麗子・篠田・黒丑。尾形家の庭から藤本浩平と進藤妻の骨が発見された。尾形は2人と進藤、計3人を殺害していたのだ。　

「ホント2人ともカッコよかったですよ。なんかこう名コンビって感じでした」　

「そして誰もいなくなった」事件は黒丑家ではなく尾形家だった。

現在黒丑は21歳。賃貸借契約書は初めからなかった。進藤不動産は創業45年で、黒丑の祖父は進藤の先代の遠縁にあたる。

祖父は契約書を使わずなあなあで一軒家を借りた。民放162条取得時効で「他人の物でも契約書なしに20年間善意のもとに所有していたら、自分の物になる」のである。今年でちょうど20年になるので、以降あの家は黒丑家の物になる。　

田村先生
田村先生

実際には、時効で取得した不動産においても、登記をして名義を変更しなければ、自分が所有者だと主張することはできません。もし、それまでの所有者が協力してくれるのであれば、旧所有者と新所有者が協力して登記をすることになりますが、旧所有者が協力するというのは現実的ではなく、平たく言えば裁判をして取得時効を認めてもらった上で、新所有者が登記をすることになります。取得時効には、細かい要件がいくつもあり、実際に裁判で認められるかはケースバイケースになるでしょう。

黒丑の父親は歌舞伎町で元気にやっているそうだ。麗子は黒丑に、多額の立ち退き料を回収すると申し出る。ただし一般市民のどうでも案件はお断りだ。　　

麗子は常國建設の斉藤を再訪すると、「先日のお話ですがなかったことにさせていただきます」と言われてしまう。　

麗子の元上司で山田川村・津々井法律事務所所長の津々井君彦（浅野和之）は品川ナンバーのタクシーで常國建設を訪れる。麗子とエレベーターで遭遇するが、ショッピングモール建設プロジェクトの案件に呼ばれて来たのだ。お互いが意味ありげな口調で言葉を交わす。

篠田は「暮らしの法律事務所」に戻った麗子に、具なしのうどんを出す。

篠田は事務所のエラリー・クイーン「Yの悲劇」やシャーロック・ホームズの「最後の挨拶」など大量の本を、事務所の1階にあるオリエント文庫の神田（ト字たかお）に頼んで置いてもらうことにした。篠田は森川栄治にもらった本をタダで神田に譲ったのだ。　

篠田は麗子に、真美が弁護を正式に依頼してきたことを伝える。篠田が彼女の部屋を掃除したときに、冷蔵庫で大量の奈良漬を発見した。真美が奈良漬を60枚ドカ食いしたのは嘘ではなさそうだ。
　
「でもだからこそ人間はミステリーなんじゃない？」　　

次回の「元彼の遺言状」では人気作家が殺人犯に！？最強バディが決裂の危機に陥ります。

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