本サイトの円満相続ラボを運営する株式会社サステナブルスタイル代表の後藤が発起人となり、相続に関する本「もう会えないとわかっていたなら」を出版しました。この本は、大切なご家族とお別れを経験した方や、もしもの日に備えて遺言書を書いた方、「家族の笑顔を守る会」の方々が体験した様々な実話をもとに短編のエピソードが書かれています。本連載では、「もう会えないとわかっていたなら」のエピソードをご提供いただいた方々にインタビューを行い、より深堀りした情報を解説していきます。

今回は、「町のお花屋さん」のエピソードをご提供頂いた小島和之さんにインタビューを行った内容をご紹介します。

小島和之さんのプロフィール

• 中央税理士法人代表社員
• 税理士

―今回の相続案件の登場人物や相続人の財産状況を教えてください。

「町のお花屋さん」のエピソード内の相続案件の登場人物と相続人の続柄、年齢について分かりやすく相関図に示しました。

今回のケースでの被相続人は長男（36歳）と母（72歳）である。相続人は父（74歳）である。そして、相談者も父であった。

そして、財産内容を以下に示します。

今回の相談者は、事前に相談してきた本人（税理士として法人と顧問契約）でした。夫(本人)が亡くなったのちに妻へ引き継がれました。

―相続案件で実際に行った手続きを教えてください。

今回の相続案件で実際に行った手続きについてご紹介します。

亡くなる前に行った手続きはありませんでした。

亡くなった後に行った手続きは以下の4つです。

• 遺産分割の相談
• 不動産登記（司法書士）
• 遺産分割協議書（司法書士）
• 相続税の計算

―士業や相続の専門家として、今回の相続案件を円満解決するために努力した点や工夫した点があれば教えてください。

相続税の分野ではやれることが少なく、相続人の心のケアを一番に考えました。どうにか生きがいを見つけてこれからの生きる希望を探し出してもらいたく色々試行錯誤しました。

―士業や相続の専門家として、今回の相続案件を円満解決していく過程で難しかったことや考えさせられたことを教えて下さい。

心に踏み込むのは大変難しく、特に家族の中で不仲な方がいると話し合いが進まず喧嘩になってしまいます。

今回も娘さんと不仲だったため、多額の遺産を残されても最後は結局娘に行くため、寄付して娘には一銭も残したくないといった恨み節が多々出てきました。

子どもたちとのふれあいから徐々に軟化し、最後には娘さんも孫を連れて遊びに来てくれるようになりましたが、間に入っての調整に苦労しました。

―今回の相続案件を経験した上で、これから相続を経験する相続人や被相続人の方へのアドバイス・メッセージがあれば教えてください。

相続にたくさん関わっていると、順番が入れ変わってしまう相続にたびたび出会います。仲が良い悪いにかかわらず残された親の悲痛は見ていられないほどです。

税理士としてかかわる中で、どうにか元気になってもらいたいと思いますが、他人の私ではやれることが限られてしまい、中には立ち直れないまま引きこもってしまう方もいます。

今は元気であっても将来は何があるかわかりません。家族とのつながりについて常日頃から考えておいてほしいです。

円満に相続を進めるために今から考えましょう

これまで、様々なエピソードをご紹介してきましたが、相続のケースは様々です。

今回のエピソードは、娘さんが両親と不仲であったため、相続の手続きの際、話し合いがなかなか進まなかったケースです。

事前に準備し、家族で話し合い、相談することは、被相続人・相続人が円満に相続を進めることができる方法です。

家族円満で相続が行われるように、今から相続について考えてみましょう。

「もう会えないとわかっていたなら」はAmazonや全国書店で購入できます！

今回深堀りしたエピソード「一番いいお葬式」を含む、全23の短編エピソードを紹介している「もう会えないとわかっていたなら」は、Amazonや全国書店で購入が可能です。

興味を持った方は、ぜひお手に取っていただけると幸いです。

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