【特集】仏壇の行方を深堀り解説!【もう会えないとわかっていたなら】

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本サイトの円満相続ラボを運営する株式会社サステナブルスタイル代表の後藤が発起人となり、相続に関する本「もう会えないとわかっていたなら」を出版しました。この本は、大切なご家族とお別れを経験した方や、もしもの日に備えて遺言書を書いた方、「家族の笑顔を守る会」の方々が体験した様々な実話をもとに短編のエピソードが書かれています。本連載では、「もう会えないとわかっていたなら」のエピソードをご提供いただいた方々にインタビューを行い、より深堀りした情報を解説していきます。

今回は、「仏壇の行方」のエピソードをご提供頂いた梅園浄さんにインタビューを行った内容をご紹介します。

梅園浄さんのプロフィール

  • 浄土真宗本願寺派 善立寺・法晃寺住職
  • うめたけ行政書士事務所代表

今回の相続案件の登場人物や相続人の財産状況

「仏壇の行方」のエピソード内の相続案件の登場人物と相続人の続柄、年齢について分かりやすく相関図に示しました。

今回の被相続人は母である。お父さまは早くに亡くなっており、三姉妹はそれぞれ結婚をして家を出て、お母さまは知り合いの管理会社であったアパートで一人暮らしをしていた。

お母さまは少し前から入院生活を送っており、最期は入院先の病院で亡くなられた。

相続人は、娘3人であり、3人とも家を出ていたが、隣接市など近くに住んでいたため、度々様子を伺いに、お母さまのもとへ通っていた。

相談者は、三姉妹の長女であった。長女は、三姉妹の中で一番お母さまのお世話をしていたそうです。

そのため、相談者の長女に財産の預貯金を多く分割することで、全員が納得し、特にもめることなくスムーズに相続の手続きが進んだそうです。

つぎに、財産内容を以下に示します。

財産内容
預貯金850万

仲の良い三姉妹を悩ませた仏壇の行方

お母さまが亡くなる前に相続の手続きや話し合いは特に行われていなかったものの、3姉妹は仲が良く、揉めることなく相続の手続きを進めることができました。

しかし、お母さまが住んでいたアパートを解約する際に、部屋にあった仏壇が三姉妹を悩ませました。

それは、亡くなったお父さまの手作りで、お母さまが毎日手を合わせていた仏壇でした。

お母さまが大切にしていた仏壇であり、できれば処分したくないという気持ちがありましたが、誰も引き取ることが出来ないことから、仏壇の行先や対処の意見が食い違ってしまいました。

三姉妹が揉めそうになった時に、梅園さんに連絡がきました。

三姉妹にもう少し詳しくお話を聞こうと考えていたが、先に二女が一時的に預かってくれていた仏壇を見せていただいた。

すると、仏壇の死角になっている引き出しの奥のポケットのような隙間から、ポチ袋のような物が見つかりました。

その中にはお母さんから三姉妹に当てられた手紙が入っていました。手紙には、短い文章でしたがが、お母さまからの娘さまたちへの感謝の言葉と、仏壇を誰も引き取れなければ、処分してほしいと書かれていました。

手紙の内容を聞いた三女の夫が「自分が引き取る」と言い、何とか揉めることなく丸く収まりました。

今回のケースにおける問題点

今回のケースでの問題点は、お母さまが亡くなる前に、お母さまの財産であった預貯金のみが三姉妹に告げられていたため、他の財産について話し合いがされていなかった事があげられます。

相続が発生した際に、引き継がれるものは、預貯金や不動産などだけではありません。今回のケースで問題となった仏壇やお墓などの祭祀財産も含まれます。

今回の相続案件を経験した上で、これから相続を経験する相続人や被相続人の方へのアドバイス・メッセージ

仏壇からお母さまの手紙が見つかり、お母さまのお気持ちを知ることができ、三姉妹が揉めることなく、話し合いをまとめることができました。

しかし、このようなケースは稀であり、手紙が見つからない場合もあります。手紙が見つからなかった場合、亡くなった方の意思に沿えない可能性もあります。

そのため、エンディングノートや遺言を残しておくことをおすすめします。

エンディングノートや遺言は、家族への感謝の気持ちや祭祀財産の相続人の指名を残しておくことができます。

自分の意思をしっかり残し、事前に家族で話し合っておくことで相続を円満に進めることができます。

円満に相続を進めるために今から始めましょう

今回のエピソードは、自分の思いを残しておくことの大切さがとても分かるものでした。

事前に準備し、家族で話し合い、相談することは、被相続人・相続人が円満に相続を進めることができる方法です。

家族円満で相続が行われるように、今から相続について考えてみましょう。

「もう会えないとわかっていたなら」はAmazonや全国書店で購入できます!

今回深堀りしたエピソード「仏壇の行方」を含む、全23の短編エピソードを紹介している「もう会えないとわかっていたなら」は、Amazonや全国書店で購入が可能です。

興味を持った方は、ぜひお手に取っていただけると幸いです。

【無料相談】相続に関するお悩みは相続診断士へ

相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。

本記事で抱えている問題が解決できているのであれば大変光栄なことですが、もしまだもやもやしていたり、具体的な解決方法を個別に相談したい、とのお考えがある場合には、ぜひ相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にご相談することをおすすめします。

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この記事を監修したのは…

梅園 浄

浄土真宗本願寺派 僧侶・行政書士・相続診断士・終活カウンセラー2級

梅園 浄(うめぞの じょう)

浄土真宗の僧侶としてお寺を護りながら、お寺を相続や終活など様々な悩みを気軽に相談できる場所にしたいという思いから、行政書士・相続診断士・終活カウンセラーとして相続などに携わらせていただいております。
また、様々な地域の宗教法人さまの事業サポートにも力を注いでおります。例えば、納骨堂や墓地に関してや、法人活動の中で必要な行政手続きなど、様々なお悩みについて、ご相談を承っております。

サイトURL:http://umetakegyosei.site

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