相続の空き家問題を解説!空き家を放置するデメリットも紹介します
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空き家の問題とは?
世界的にみても日本の空き家率はどうやら最も高く、アメリカ11%、イギリス2.5%、シンガポール5%となっています。日本は木造建築が多いことや、高度経済成長期に多くの住宅が販売されたことが原因です。また、日本人の新築好きも要因となっています。一方、海外では中古住宅に住むことに抵抗が少なく、住宅が投資対象とされているために長く持ち続けられていることなどが、この差になっているようです。
また、中古住宅の流通事情も原因として考えられます。主に住宅の売買には免許を持った不動産会社の仲介が必要になりますが、低価格の中古住宅はその仲介手数料が少ないため、積極的に売買活動を行っていない実態もあります。近年では個人投資家が中古住宅をリフォームして賃貸するやり方が流行ってきましたので、今後の空き家の発生が抑制されていくことに期待しています。
さて、皆様のご近所にも空き家はあると思いますが、何が問題なのでしょうか?
・草木が茂ってしまい隣地まで越境してしまう
・虫の発生や野生動物が住み着くなど不衛生になる
・老朽化により屋根や壁が崩れたりして危険になる
いずれにしろ近隣住民からすると迷惑でしかない、ということになってしまいます。
実際に著者は空き家の再生リフォームを行っていますが、何より喜んで頂けるのは隣地にお住まいの方々です。
空き家の発生の主な要因となっているのは「相続」です。子どもが独立した後、その実家の主人(被相続人)が亡くなり、相続されたまま放置されてしまっていることが空き家が増加している主な要因となっています。
近年まではこの相続された空き家を登記することは義務化されておらず、空き家の所有者が特定できずに手を付けられないというケースが多くありました。そこで2021年に相続登記を義務化するという法改正が公布され、相続された空き家は必ず登記しなくてはいけないこととなります。罰則もありますので注意が必要です。
では、その相続について説明していきます。
空き家を相続することになった場合の手続きや注意点は?
まず、最初にすることは「登記」です。相続することを知った日から3年以内に登記しなければならなくなります。登記は一般的に専門の資格を有した「司法書士」に依頼することになりますが、不動産会社や弁護士から紹介してもらうことができます。
空き家を相続したら、重要なのはその空き家に「価値があるかどうか」を判断することです。この判断は一般の方には難しいので、不動産会社に評価を依頼することをお勧めします。
そして、価値があると判断し自分では住まない場合は、「人に貸す」かもしくは「人に売る」か、いずれかの選択をすることになります。
人に「貸す」場合
・自ら大家として直接入居者に賃貸する
・不動産会社と管理契約し、運営してもらう
・不動産会社に一括で借り上げてもらう(サブリース)
いずれの場合も、入居者探しや契約など専門的な知識が必要になりますので、頼りになる不動産会社に相談することをお勧めします。
尚、人に貸す場合、建物の管理責任は所有者にあります。
万一、その建物が原因で人に被害を与えてしまった場合の損害賠償責任は所有者が負うことになりますので、火災保険へ加入するなど注意が必要です。
人に「売る」場合
不動産会社に仲介してもらい買い手を探す(仲介手数料が必要)
・不動産会社に直接買取りしてもらう
・一般的には仲介の方が業者買取りより売却価格が高い傾向にありますが、仲介の場合は買い手を探すのに時間がかかります。
売却する価格については不動産会社によって査定額に差が出ることがありますので、いずれの場合であっても複数の不動産会社に相談することをお勧めします。
空き家を相続したくない場合の手続きや注意点は?
価値が著しく低く賃貸や売却が出来ない場合であっても、空き家を放置することは避けましょう。近隣トラブルや行政指導となるリスクがあります。
空き家を相続したくない場合、相続放棄という方法があります。
相続放棄とは、遺産の受け取りを放棄することです。
ただし、相続放棄は一部の財産だけを放棄することはできませんので、空き家を相続放棄する場合には、その他すべての遺産についても放棄することになります。また、自分だけが相続放棄をすれば、他の相続人が空き家の負担を引き継がなければならないので、他の相続人との話し合いをした上で判断する必要があります。
ではどのように処分すればいいのでしょうか。
行政指導の前に解体処分する
空き家を放置した場合、近隣の迷惑になるだけではなく、特定空き家に指定された場合には固定資産税が6倍になり、最悪の場合は「代執行」により家屋は解体され、その費用は相続人が負担することになるなど、放置するメリットはありません。
木造の空き家の解体費用は1坪あたり4~6万円程度になります。費用はかかりますが、近隣とのトラブルや行政指導のリスクは無くなります。
他人に譲り渡す
あくまでも可能性があるということですが、空き家を無償で引き取ってもらえることはあります。隣家の人に譲ったり、自治体に寄付することを検討しましょう。
隣家に譲る場合には交渉の上、贈与契約書を作成し所有権移転登記をします。なお、隣家への所有権移転登記をする前に相続登記をしておく必要があります。
自治体に寄付する場合には、自治体の窓口に相談します。ただし、利用価値のない空き家は引き取ってはもらえません。
いかがでしたか?
空き家は放置せず、適切に対応することで様々なトラブルの発生を回避できます。
相続することになりそうな場合は早めに相続診断士協会などの専門組織に相談することをお勧めします。相続診断士協会などの専門組織は、弁護士や司法書士、不動産会社などが会員になっており、相続に関するほぼ全てのことを相談できますのでご検討されてはいかがでしょうか?
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相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。
本記事で抱えている問題が解決できているのであれば大変光栄なことですが、もしまだもやもやしていたり、具体的な解決方法を個別に相談したい、とのお考えがある場合には、ぜひ相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にご相談することをおすすめします。
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この記事を書いたのは…
オリバーホーム株式会社 代表取締役
小川 高幸(おがわ たかゆき)
空き家発生の最大の要因は「相続」です。我々は相続診断士の資格を持つ相続の専門家でもあります。相続で処分に困った物件、賃貸に出したい物件など、空き家のことでお困りであれば何でもご相談ください!
サイトURL:https://oliverhome.jp/