登記申請書の書き方!目的別の見本・必要書類【2026年最新版】
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【記事内容を動画で解説】
登記申請書とは?目的と役割を解説
不動産や会社の名義・権利関係を公に記録するために法務局へ提出する書類、それが登記申請書です。「相続したけど何から始めればいいかわからない」「住宅ローンを完済したのに登記の手続きを後回しにしている」——そんな方こそ、まずこの記事でポイントをおさえてください。
【2026年現在の最重要ルール】
2024年(令和6年)4月1日の法改正により、相続登記は義務化されました。不動産の取得を知った日から3年以内に申請しない場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。「そのうちやろう」では取り返しのつかないことになりかねません。
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登記申請書の目的と役割
登記申請書は、不動産や会社の名義・情報を法務局のデータベースに正式に記録するための書類です。提出することで、所有者や権利の変動が社会に対して公示され、第三者にも権利を主張できるようになります。
登記には2つの大きな役割があります。
- 権利の保全:誰がどの財産を持っているかを明確にし、詐欺や二重売買などのトラブルを防ぐ
- 取引の円滑化:不動産売買・金融機関融資・会社登記など、あらゆる経済活動の前提となる情報を整備する
適切に登記を行うことで、財産の安全が守られ、信用ある取引ができるようになります。登記の正確性こそ、不動産取引の安全性を担保する根幹です(出典:法務省、2024年)。
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登記申請書が必要となるケース
登記申請書が必要になる主な場面は以下のとおりです。
- 不動産を購入したとき:土地・建物を自分の名義にするため(売買による所有権移転登記)
- 相続で不動産を受け継いだとき:亡くなった人の名義から相続人へ変更するため(相続登記)
- 住宅ローンを完済したとき:抵当権(ローンの担保)を抹消するため(抵当権抹消登記)
- 贈与で不動産を受け取ったとき:贈与による所有権移転登記
- 住所・氏名が変わったとき:登記名義人住所変更登記・氏名変更登記
- 新しく会社を設立するとき:会社名・代表者・資本金などを登録するため(設立登記)
- 本社を移転・役員が変わったとき:変更登記
登記申請書の法的根拠
登記申請が必要とされる主な法的根拠は以下のとおりです。
① 民法 第177条(対抗要件)
不動産に関する物権の変動は、不動産登記法の定めるところにより登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
登記をしないと、第三者に所有権や抵当権を主張できません。たとえば、AさんがBさんに土地を売ったのに登記をしなかった場合、先にCさんが登記をしてしまえば、Bさんは所有権を主張できなくなります。
② 不動産登記法 第20条・第25条・第60条
登記は申請によってのみ行われ(第20条)、申請の際には登記原因を証する情報などの添付書類が必要です(第25条)。売買では売主・買主の共同申請が原則ですが、相続の場合は相続人単独で申請できます(第60条)。
③ 商業登記法 第30条・第32条
会社の設立・移転・役員変更などの変更が生じた場合、2週間以内に登記しなければならないと定められています。
登記申請書の入手方法と基本ルール
法務局窓口で取得・公式サイトからダウンロード
登記申請書は最寄りの法務局窓口で無料取得するか、法務局の公式サイトからダウンロードできます。
- 法務局公式サイト(申請書様式):https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/minji79.html
法務省は2024年4月に申請書様式一覧を全面的に見直し・更新しています(出典:法務省、2024年)。登記実務は制度改正に合わせて継続的にアップデートされているため、過去にダウンロードしたひな形をそのまま使い回すのは危険です。必ず最新版を確認してください。
手書きで作成する場合の詳細なルールと注意点
登記申請書は手書きでもパソコンでも作成可能ですが、パソコン作成が強く推奨されます。
手書きの場合に守るべき主なルールは以下のとおりです。
- 使用するペンは黒または青のボールペン・万年筆。鉛筆は不可
- 修正液(ホワイト)は使用禁止。誤字は二重線+訂正印で対応する
- 文字は楷書(かいしょ)で、登記官が読み間違えないよう丁寧に
- 外字(旧字・異字体など)はパソコンで変換できない場合、その部分のみ手書きで記入する
読みにくい手書き文字は補正・却下のリスクを高めます。ミスを防ぐためにも、パソコン作成を基本としましょう。
申請書の基本的な記載事項
登記申請書には、登記の種類を問わず以下の基本項目を記載します。
| 記載事項 | 内容 |
|---|---|
| 登記の目的 | 「所有権移転」「抵当権抹消」など |
| 登記の原因 | 「令和○年○月○日 相続」など、原因となった事実と日付 |
| 申請人(権利者・義務者) | 氏名・住所・電話番号・押印 |
| 添付情報 | 添付する書類の名称一覧 |
| 申請日・管轄法務局 | 提出する日付と不動産の所在地を管轄する法務局名 |
| 課税価格・登録免許税 | 計算根拠と納付額 |
| 不動産の表示 | 登記事項証明書を参照して転記 |
課税価格・登録免許税の計算方法:
- 課税価格:固定資産評価額から1,000円未満を切り捨てた金額
- 登録免許税:「課税価格 × 税率」から100円未満を切り捨てた金額
例)評価額が45,910,169円の場合、課税価格は45,910,000円。相続登記(税率0.4%)なら「45,910,000円 × 0.4% = 183,640円 → 183,600円」となります。
【2026年現在の特例措置】
2025年以降も、土地の評価額が100万円以下の場合などの要件を満たせば登録免許税が免除される特例が継続しています。申請書の登録免許税欄に「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」と根拠条文を正確に記載することが節税のポイントです。
【目的別】登記申請書の書き方と見本(ひな形)
1. 相続登記(所有権移転)の書き方(2024年義務化対応)

相続登記は2024年4月から義務化されました。相続の事実を知った日から3年以内の申請が必須です。
【記載例:遺産分割協議による相続】
登記申請書
登記の目的 所有権移転
原 因 令和6年4月1日 遺産分割
権 利 者 (住所)○○県○○市○○町○丁目○番○号
(氏名)○○ ○○ ㊞
義 務 者 (住所)○○県○○市○○町○丁目○番○号
(氏名)亡 ○○ ○○(被相続人)
添付情報
登記原因証明情報(遺産分割協議書・戸籍謄本等)
住所証明情報(相続人の住民票)
令和○年○月○日申請 ○○地方法務局御中
課税価格 金 ○,○○○,○○○円
登録免許税 金 ○○,○○○円(税率:1000分の4)
(不動産の表示)
所 在 ○○市○○町○丁目
地 番 ○○番
地 目 宅地
地 積 ○○.○○平方メートル
必要書類(遺産分割協議の場合): – 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(改製原戸籍・除籍謄本含む) – 被相続人の住民票の除票 – 相続人全員の現在の戸籍謄本 – 遺産分割協議書(相続人全員の署名・実印押印) – 相続人全員の印鑑登録証明書 – 不動産を相続する相続人の住民票 – 固定資産評価証明書 – 収入印紙(登録免許税額分)
【救済措置:相続人申告登記】
遺産分割協議がまとまらず3年の期限が迫っている場合、正式な所有権移転登記の代わりに「相続人申告登記」の申出書を提出してください。これにより、ひとまず10万円の過料リスクを回避できます。
2. 抵当権抹消登記の書き方
住宅ローンなどを完済した際に行う登記です。債務が消滅しても登記簿上の抵当権は自動的には抹消されません。放置すると不動産の売却や新たな融資の際に重大な支障となります。
【記載例】
登記申請書
登記の目的 ○番抵当権抹消
原 因 令和○年○月○日 解除(または弁済)
権 利 者 (住所)○○県○○市○○町○丁目○番○号
(氏名)○○ ○○ ㊞
義 務 者 (本店)東京都○○区○○○丁目○番○号
(商号)○○銀行株式会社
(代表者)代表取締役 ○○ ○○
添付情報
登記原因証明情報(解除証書・弁済証書)
登記識別情報(設定時に金融機関へ交付されたもの)
代理権限証明情報(委任状)
令和○年○月○日申請 ○○地方法務局御中
登録免許税 金 ○,○○○円(不動産1個につき1,000円)
必要書類(金融機関から送付されるもの):
| 書類名 | 入手先 | 役割 |
|---|---|---|
| 登記原因証明情報(解除証書・弁済証書) | 金融機関 | 債務消滅を証明する |
| 登記識別情報通知(旧:権利証) | 金融機関(設定時に交付済) | 抵当権者本人の抹消意思を確認 |
| 委任状 | 金融機関 | 所有者への手続き委任を証明 |
| 資格証明書(または会社法人等番号の記載) | 金融機関 | 金融機関の現代表者を証明 |
「原因」の日付は、金融機関から送られてきた登記原因証明情報に記載の日付を一言一句違わずに転記することが必須です。 登録免許税は不動産1個につき1,000円(土地と建物で2個なら2,000円)です。
3. 売買・贈与による所有権移転登記の書き方
不動産の売買・贈与では、取引金額が高額になるため極めて厳格な本人確認と書類要件が課されます。
売主(義務者)が用意する書類: – 登記済権利証または登記識別情報(紛失時は司法書士による「事前通知」または「本人確認情報作成」が必要) – 印鑑証明書(発行から3ヶ月以内)+関連書類への実印押印 – 固定資産税評価証明書
買主(権利者)が用意する書類: – 住民票 – 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど顔写真付き)
実務上の重要ポイント:
売買代金の授受(決済)と登記申請は原則として同日に連続して行われます(即日申請)。決済の場に司法書士が立ち会い、書類の完備と当事者双方の意思を確認した後、代金振り込みのゴーサインを出します。この「同時履行」のプロセスが日本の不動産取引の安全性を担保しています(出典:いなげ司法書士事務所、2025年)。
【親族間売買の税務リスク】
実際の金銭の動きがない場合や、売買代金が市場の実勢価格と著しくかけ離れた低額に設定されている場合、税務当局から「実質的な贈与」と認定され、多額の贈与税が課される危険があります。適正価格での取引を立証する準備が必要です。【よくある落とし穴】
登記簿上の売主住所と現在の住民票の住所が異なる場合は、所有権移転登記の前に「所有権登記名義人住所変更登記」を先に行う必要があります。見落としがちなポイントなので要注意です。
4. 住所変更・氏名変更登記の書き方
引越しや結婚・離婚などで氏名・住所が変わった際に行う登記です。登記名義人の情報と現在の住民票が一致しない状態のまま放置すると、後の売却・相続時に余分な手続きが発生します。
【記載例:住所変更】
登記申請書
登記の目的 所有権登記名義人住所変更
原 因 令和○年○月○日 住所移転
変更後の事項 住所 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
申 請 人 (旧住所)○○県○○市○○町○丁目○番○号
(氏名)○○ ○○ ㊞
添付情報
登記原因証明情報(住民票)
令和○年○月○日申請 ○○地方法務局御中
登録免許税 金 ○,○○○円(不動産1個につき1,000円)
必要書類: – 住民票(または戸籍の附票) – 固定資産評価証明書(登録免許税の算定用)
5. 会社設立・役員変更登記の書き方
会社設立(取締役会非設置・発起設立の場合)に必要な書類は多岐にわたります。会社法の規定を物理的な書面に具現化する作業であり、記載の不備は補正・却下の対象となります(出典:法務省、2024年)。
設立登記の主な必要書類:
| 書類名 | 作成上の主な留意点 |
|---|---|
| 設立登記申請書 | 商号・本店・課税標準額(資本金)・登録免許税額などを記載 |
| 定款(公証人認証済) | 電子定款の場合も認証を受けたデータの添付が必要 |
| 登記すべき事項を記載した別紙 | OCR用紙またはCD-R等のテキストファイルで提出 |
| 発起人の同意書(決定書) | 発起人全員の記名押印が必要 |
| 設立時役員の就任承諾書 | 代表取締役は実印押印+印鑑証明書の添付が原則 |
| 印鑑届出書 | 会社実印(左欄)と代表者個人の実印(右欄)を押印 |
| 払込みを証する書面 | 通帳コピーを綴じて代表者印で契印 |
役員変更登記の注意点:
役員変更が生じた場合は2週間以内に登記が義務です。オンライン支援サービス(GVA 法人登記等)を活用した事例では、アカウント作成時に現在の登記情報を無料で取得・同期し、変更項目のみ入力するだけで書類が自動生成されるため、わずか15分程度で申請準備を完了させた企業もあります(出典:GVA 法人登記、2022年)。
登記申請書の綴じ方と提出前の注意点

書類の作成が終わったら、法務局へ提出できる形に整えます。書類の物理的な処理方法は、実務担当者が最も不安を感じるポイントのひとつです。
申請書が複数枚にわたる場合の契印(割印)のルール
申請書が2ページ以上になる場合、後から悪意のある第三者によるページの差し替えを防ぐために「契印(けいいん)」を押す必要があります。
契印の押し方: 1. ホッチキスで綴じた書類のページを「見開き」に開く 2. 左ページ(前ページの裏)と右ページ(次ページの表)の綴じ目をまたぐように印鑑を押す 3. 印影の半分が左ページ、半分が右ページに残る状態にする
重要: 契印に使用する印鑑は申請書の表面に押印したものと同じ印鑑でなければなりません。異なる印鑑では法的な連続性は認められません。
申請人が複数いる場合、代表者1人が契印を押せばOKです。
収入印紙の正しい貼り方(貼付台紙の使用・消印不可)
登録免許税を収入印紙で納付する場合、申請書の余白に直接貼るのではなく、専用の「台紙(白紙のA4用紙)」に貼付するのが実務の原則です。
台紙の作り方: 1. 白紙のA4用紙(コピー用紙で可)を1枚用意する 2. 必要な金額分の収入印紙を用紙の中央に並べて貼付する
絶対にやってはいけないこと:「消印(割印)」
一般的な契約書では印紙に割印(消印)をすることが義務ですが、登記申請における登録免許税の納付では申請者が自分で消印してはいけません。消印は後日、法務局の登記官が専用の印鑑で行います。申請者が誤って消印すると、法務局の登記官が正規の消印を押せなくなるため、収入印紙の取り扱いについて補正を求められるか、最悪の場合は買い直しが必要になります。台紙と申請書の最終ページの間にも契印を押し、書類全体の一体性を示すことを忘れずに。
添付書類の具体的な並べ方・綴じ方
書類は以下の順番で重ね、左端から約1〜1.5cmの位置を2箇所、ホッチキスで縦に留めます(左綴じ)。
重ねる順番(上から): 1. 登記申請書(複数枚の場合は順番に) 2. 収入印紙貼付台紙 3. 委任状(代理申請の場合)/相続関係説明図(原本還付希望の場合) 4. 添付書類のコピー(ホッチキスで別途綴じ、各ページに契印)
注意: 委任状と相続関係説明図はホッチキスで綴じず、契印もしません。
原本の還付(提出した書類を返してもらう手続き)を希望する書類については、コピーをとり、コピーの一番上に「原本に相違ありません」と記載して申請人の印鑑を押した「原本照合の束」を作成します。戸籍謄本等の原本はホッチキスで綴じずクリップでまとめ、クリアファイルに入れて提出します。なお、相続関係説明図を持参すれば、戸籍謄本等のコピー提出を省略して原本の返却を受けられます。
記載ミスがあった際の訂正・修正方法
提出前に誤りに気づいた場合: 二重線+訂正印で対応できます。
- 修正部分に二重線を引き、どこを直したか明確にする
- 訂正した文字は読めるように残す
- 欄外に「○字訂正」「○字加入」「○字削除」と記載する
- 修正部分に申請人の印鑑を押す
- 修正液は絶対に使用しない
提出後に誤りが判明した場合: 単純な修正ではなく、「補正書」の提出が必要になります。内容によっては取り下げ(後述)が必要な場合もあります。【2026年現在の実務】
義務化の影響で法務局の窓口が混雑しています。軽微な修正であれば、オンライン申請の「補正」機能を利用するのが最もスピーディーです。
登記申請書の提出方法と最新の手続き
QRコード(二次元バーコード)付き書面申請の方法とメリット
現在の実務の主流となりつつあるのが、QRコード付き書面申請です。法務省が無料で提供する「登記・供託オンライン申請システム(申請用総合ソフト)」を使って申請データをデジタル作成し、QRコードが印字された申請書を印刷して法務局へ提出する方式です(出典:法務省、2024年)。
操作フロー:
- 申請情報の入力:ソフトウェア上で「登記の目的」を選択すると専用の入力フォームが生成される。必須項目の入力漏れや矛盾があるとシステムが警告を出す。
- データのオンライン送信:「データ送信」ボタンを押すと申請データが暗号化されて法務局サーバーへ送られ、「受付番号」が発行される。
- QRコード付き申請書の印刷:送信後、システムからPDFを出力。印刷された申請書には、デジタルデータと紐づいたQRコードが明瞭に印字されている。
- 物理的な提出:印刷された申請書に実印等を捺印し、添付書類・収入印紙貼付台紙とともに左綴じ・契印を行い、法務局へ持参または郵送する。
QRコード申請のメリット: – 必須項目の入力漏れをシステムが事前に検知 – 法務局側でのQRコード読み取りにより登記官の手入力が不要となり、審査・登記完了までの日数が短縮 – 申請書のひな形を自動生成するため、記載ミスのリスクが大幅に低下
法務局窓口での提出・郵送による申請
窓口申請の流れ: 1. 申請書作成・必要書類の収集 2. 不動産の所在地を管轄する法務局へ提出(業務時間:平日8時30分〜17時15分) 3. 法務局で審査(登記完了まで通常1週間〜10日) 4. 登記識別情報通知・登記完了証を受け取る郵送申請の流れ: 1. 申請書作成・必要書類の収集 2. 封筒表面に「不動産登記申請書在中」と明記し、書留郵便またはレターパックプラスで管轄法務局へ送付 3. 審査・登記完了後、宛名記載のレターパックプラスを同封しておけば郵送で返却を受けられる
インターネット(オンライン申請)の方法
完全なオンライン申請も可能ですが、書面の添付書類は別途郵送または持参が必要なため、全プロセスをオンラインで完結させることはできません。
オンライン申請の流れ: 1. 申請者情報の登録・「申請用総合ソフト」のインストール 2. 申請書の作成・電子署名の付与 3. 申請情報の送信・登録免許税の納付 4. 書面の添付情報をオンライン申請の受付日から2日以内(初日・休日を除く)に、法務局へ持参または書留郵便等で送付 5. 審査完了後に登記識別情報通知・登記完了証を受け取る詳細は法務局ホームページをご確認ください。
法務局:不動産の所有者が亡くなった(相続の登記をオンライン申請したい方)
相続登記など複雑なケースの申請例と新制度
遺産分割や遺言による相続、数次相続の場合
遺言による相続(登記原因:「遺言」):
登記の原因:令和○年○月○日 遺言
遺産分割協議は不要ですが、遺言書(公正証書遺言は原本)の添付が必要です。
数次相続(相続人も亡くなっているケース):
被相続人が亡くなった後、登記前に相続人も亡くなった場合は、中間相続人の戸籍謄本・住民票の除票も必要となります。添付書類の量が多くなるため、早めの準備が肝心です。
相続人が外国籍・海外在住の場合
外国籍の相続人がいる場合:
在外公館(日本大使館・領事館)は、外国籍の方には原則として署名証明書や在留証明書を発行しません。日本の印鑑証明書が必要な場合は、現地の公証人(Notary Public)でサイン証明を取得し、ハーグ条約加盟国であればアポスティーユ(公的認証)を取得するか、日本大使館・領事館での認証を受けます。相続人が海外在住の場合(日本国籍):
居住地の日本大使館または領事館(在外公館)で署名証明書と在留証明書を発行してもらうことで、印鑑証明書・住民票の代用ができます。対応は在外公館によって異なるため、事前に問い合わせが必要です。
親の所有不動産が不明な場合(2026年新制度「所有不動産記録証明制度」の活用)
「申請書を書きたいけど、親がどこに不動産を持っているかわからない」という場合は、2026年2月に新設された「所有不動産記録証明制度」を活用してください。
- 利用方法:法務局で故人の名前を検索することで、全国の不動産リストを入手できる
- 活用メリット:このリストをもとに申請書を作成することで、登記漏れによる罰則リスクを大幅に低減できる
制度の詳細は最寄りの法務局または司法書士にご相談ください。
登記申請書に関するよくある疑問(FAQ)
申請に不備があった際の「申請取下書」の書き方は?
軽微な誤記は法務局へ出向いて訂正印を押す「補正」で対応できますが、印鑑証明書の有効期限切れや添付書類の致命的な欠落などの重大な不備がある場合は、「申請取下書」を提出して申請を撤回するのが実務上の定石です。却下処分を受けると還付手続きが煩雑になるため、却下を待たずに取り下げることが重要です。
申請取下書の基本フォーマット:
取 下 書
上記登記の申請を取り下げます。
令和○○年○○月○○日
申請人(または代理人)
住所 東京都○○区○○○丁目○番○号
氏名 ○○ ○○ ㊞
(※元の登記申請書に押印した印鑑と同一のものを使用)
○○(地方)法務局 御中
申請書受付年月日:令和○年○月○日
受付番号:第○○○○号
登記の目的:○○
取下の理由:申請書類補正のため
取下書の重要ポイント:
- 受付年月日・受付番号の記載が絶対要件:法務局は日々膨大な申請を処理するため、これがないとどの申請を取り下げるか特定できない
- 補正を理由とする取下げは新たな委任状不要:「申請書の欠缺の補正を理由とする場合」に限り、元の申請を行った代理人が自ら取り下げる際には新たな委任状の添付が免除される(特例)
- 押印は代理人のみで足りる:代理人が申請する場合、代理人の印鑑(申請書と同一のもの)のみでよい
取り下げる際の経済的防衛策:「再使用証明申請」
取下げ後に再申請する予定がある場合は、取下書と同時に「再使用証明申請」を必ず行ってください。これにより、一度提出した収入印紙貼付台紙に法務局の登記官から「未使用」の証明印をもらい、新しい申請書に流用できます。この手続きを忘れると、売買登記では数十万円に及ぶこともある高額な収入印紙を再度購入しなければならなくなります(出典:法務省実務指針)。
添付書類の原本は返却してもらえるか?(原本還付)
戸籍謄本・固定資産評価証明書・印鑑登録証明書などは、返却してもらうためのコピーを提出することで原本を返してもらえます。相続関係説明図を持参すれば、戸籍謄本のコピー提出を省略して原本の返却を受けることができます。相続関係説明図とは、被相続人と相続人の関係を示した家系図のような書類です。戸籍謄本の枚数が多い場合は特に有効です。
パソコンで変換されない特殊な漢字の記載方法は?
日本の氏名・住所には旧字・異字体・俗字・略字などの特殊な漢字(外字)が含まれることがあります。パソコンで変換できない場合は、書類全体はパソコンで作成し、特殊な漢字の部分のみ手書きで記入します。
登記申請書の作成に不安がある・手続きが難しい場合の対処法
法務局の事前相談窓口を利用する
登記申請について不明な点がある場合は、法務局の事前相談窓口(無料)を活用できます。登記手続きの流れや必要書類についてアドバイスを受けることが可能です。ただし、法務局は具体的な書類の作成代行や相続人間の調整には関与できないため、権利関係が複雑なケースでは専門家への相談が安心です。
専門家(司法書士・行政書士)に依頼するメリット
以下のケースでは、専門家への依頼を強くおすすめします。
- 相続人が多い・権利関係が複雑な不動産の登記
- 海外在住・外国籍の相続人がいる
- 親族間売買や贈与など税務リスクが絡む手続き
- 急ぎで手続きが必要(期限が迫っている)
- 書類の収集や法務局への申請も含めてすべて任せたい
専門家に依頼するメリット: – ミスなく正確な書類を作成してもらえる – 戸籍の収集・相続関係の整理もサポート – 法務局への申請も代行(司法書士のみ) – 時間と手間を大幅に削減できる
費用はかかりますが、補正・却下・再申請のリスクと手間を考えれば、専門家への依頼は十分に価値があります。
また、相続登記に関することであれば、相続のプロフェッショナルである「相続診断士」への相談もおすすめです。本サイト「円満相続ラボ」では、相続診断士に無料で相談できる窓口を用意しております。お気軽にご相談ください。
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相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。
本記事で抱えている問題が解決できているのであれば大変光栄なことですが、もしまだもやもやしていたり、具体的な解決方法を個別に相談したい、とのお考えがある場合には、ぜひ相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にご相談することをおすすめします。
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この記事を書いたのは…
弁護士・ライター
中澤 泉(なかざわ いずみ)
弁護士事務所にて債務整理、交通事故、離婚、相続といった幅広い分野の案件を担当した後、メーカーの法務部で企業法務の経験を積んでまいりました。
事務所勤務時にはウェブサイトの立ち上げにも従事し、現在は法律分野を中心にフリーランスのライター・編集者として活動しています。
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この記事を監修したのは…
saku-RA司法書士/代表司法書士
佐久原 綾子(さくはら あやこ)
商業専門事務所、相続専門事務所、不動産専門事務所を経験し、
令和4年10月にミカン下北にてsaku-RA司法書士を開業。
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