非上場の中小企業の株式を相続したい!譲渡にかかる税金の種類や計算方法を解説!

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遺産相続

非上場株式の定義とは?上場株式との違いは?

非上場株式とは、証券取引所に上場していない会社の株式を指します。一方、上場株式とは証券取引所で売買できる株式です。

非上場株式の多くは「譲渡制限株式」であり、発行会社の承認がないまま譲渡の手続きはできません。また、一般的に創業者・親族が非上場株式すべてを保有しています。

不特定多数の株主に行き渡り、株式市場で活発に売買される上場株式とは大きく異なる仕組みです。

中小企業の相続!非上場株式の譲渡は可能?譲渡するメリット、デメリット

創業者・親族が保有している非上場株式を譲渡する場合、多額の資金獲得が見込めたり、税負担の軽減ができたりする反面、気を付けなければいけない点もあります。

譲渡の際はメリットだけでなく、デメリットも考慮して判断しましょう。

譲渡するメリット

経営状態が順調な企業の非上場株式は高く評価され、それを譲渡すれば多額の資金獲得が見込めます。

また、税金の負担を大幅に抑えられる可能性もあるでしょう。

相続財産の規模によっては相続税の税率は55%もかかるケースがあります。しかし、非上場株式を譲渡するならば、課される所得税の割合は個人なら20%程度、法人なら30~40%程度に抑えられます。

相続税が多額になると予測できたなら、非上場株式の譲渡を検討しましょう。

一方、非上場株式の譲渡を受けた方は、将来を見越した利益の確保が可能です。

非上場株式を取得後、その発行会社が上場すると、譲受時の株式よりも株価は大きく上昇します。将来に大きな成長が期待できる会社の株式を取得すれば、大きな利益を得る機会につながります。

譲渡するデメリット

非上場株式が譲渡制限株式ならば、譲渡の際に取締役会または株主総会の承認を要します。もちろん、承認されなければ譲渡は認められません。

そのため、流動性が低く譲渡し難い点に注意しましょう。

また、非上場株式には市場価格がないため、価格設定は当事者間の合意次第です。どのくらいの価格が妥当なのか良くわからない場合は、税理士等に相談して決めた方が良いでしょう。

非上場株式を譲渡・譲受する方法を流れに沿って解説!

非上場株式を譲渡する手順は次の通りです。

  1. 譲渡する側・譲り受ける側が基本合意:非上場株式の価格等の基本事項を決定。譲渡制限がない場合は株式譲渡契約を締結
  2. 承認手続きを経る:会社に株式譲渡の承認を請求、取締役会または株主総会の決議
  3. 承認通知:株式譲渡の承認が決議されたら当事者に通知
  4. 譲渡する側・譲り受ける側が株式譲渡契約を締結
  5. 代金決済および非上場株式を譲渡
  6. 株主名簿の書き換え:株式譲渡を第三者に対抗するため、株主名簿の書き換えをする

非上場株式に譲渡制限がない場合、そのまま当事者だけで株式譲渡契約ができます。しかし、譲渡制限がある場合、事前に取締役会または株主総会の決議で承認してもらう必要があります。

非上場株式の譲渡にかかる税金の種類とは?

各ケースによって非上場株式にかかる税金は異なります。

  • 譲渡所得税:非上場株式を譲渡したときに課税される税金で、税率は20.315%(内訳:所得税15%・住民税5%・特別復興所得税0.315%)。
  • 法人税:非上場株式の譲渡益に課され、実効税率は約15〜42%。
  • 相続税・贈与税:非上場株式を譲渡せず、相続や贈与で取得する場合に課される。
  • 寄付金扱い:法人が非上場株式を低価格で社外の個人に譲渡したとき発生する損金で、納税額を低くできる。
  • みなし贈与課税:個人が非上場株式を低い価格で取得するとき発生する利益分に対し、課税される税金。
  • みなし譲渡所得課税:個人から法人へ非上場株式を低い価格で譲渡したとき課税される税金。

非常に低い価格で譲渡したり、譲り受けたりしても、税金が課せられる場合はあるので注意しましょう。

非上場株式の譲渡にかかる税金の計算方法を事例を用いて解説!

非上場株式を保有する個人が、外部の法人または個人に売却し、譲渡所得税が発生した事例を取り上げます。

  • 非上場株式:時価70万円、取得原価40万円
  • 譲渡価額:時価相当額70万円

計算式は「(非上場株式の譲渡価額-取得価額)×税率」なので

非上場株式の譲渡価額70万円-取得原価40万円=譲渡益30万円

譲渡所得税の税率は20.315%なので

譲渡益30万円×20.315%=60,945円

譲渡所得税額は60,945円です。

所得税・住民税の内訳は次の通りです。

  • 所得税(復興特別所得税含む):45,945円
  • 住民税:15,000円

非上場株式の価値評価方法を解説!

非上場株式には市場価格がないので、非上場株式を譲渡または譲り受けるとき、慎重に株式を評価する必要があります。

非上場株式の評価には次のような3つの方法があります。

評価方法特徴算定の仕方メリット・デメリット
コストアプローチ現在の正味の財産に着目し評価する方法資産時価-負債時価【メリット】
純資産を基に評価ため客観性に優れている
【デメリット】
収益性を加味にし難く、相場を反映できない
マーケットアプローチ類似会社の株式市場の相場に着目し評価する方法利益×倍率【メリット】
取引相場に近い評価を反映できる
【デメリット】
類似会社を見つけるのがなかなか困難な場合あり
インカムアプローチ将来の集積性に着目し評価する方法利益÷割引率【メリット】
将来性を反映させやすい、成長が期待できる会社の株式向け
【デメリット】
将来に着目するので恣意性をはらむ

どの評価方法が最も優れているかは断言できません。各評価方法には一長一短があるので、自社のニーズに最も合った評価方法を選んで算定してみましょう。

非上場株式の譲渡所得は確定申告が必要?申告方法を解説!

非上場株式を譲渡し、譲渡所得を得た場合は確定申告が必要です。

1月1日から12月31日までの1年間の譲渡に対し、確定申告期限内(2024年は2月16日〜3月15日まで)に納税地を管轄する税務署へ申告しましょう。

申告に際し、次の書類を準備します。

  • 確定申告書:最寄りの税務署で取得、第一表・第二表・第三表(分離課税用)に必要事項を記入
  • 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書:最寄りの税務署で取得、必要事項を記入
  • 本人確認書類のコピー:マイナンバーカード、運転免許証、パスポートを添付

なお、窓口や郵送による申告は可能ですが、e-Taxというサイトを利用しWEB申請もできます。

非上場株式を譲渡・譲受する場合の注意点

こちらでは非上場株式を譲渡の際の注意点、そして非上場株式を譲渡・譲受で悩んだ場合の相談先について説明しましょう。

非上場株式を譲渡の際の注意点

日本の中小企業では後継者問題が深刻となっています。中小企業庁の報告では、2025年までに70歳を迎える経営者は約245万人と言われています。

中小企業経営者の約半数が後継者が決まっていない状態であり、第三者へ非上場株式を譲渡し、M&A(事業承継)により、新たな後継者を得ようとする動きが活発化していくはずです。

ただし、非上場株式は市場価格がないため、当事者が実態とかけ離れた譲渡価格を設定すると、高額な税金が課される可能性もあります。

まずは適正に株式を評価しつつ、慎重に非上場株式を譲渡する手続きが求められます。

悩んだら専門家に相談しよう

非上場株式の譲渡に関して悩みがあるなら、株式の評価方法や税金に詳しい「税理士」へ相談しましょう。

税のプロである税理士なら、非上場株式の不明点や疑問点をわかりやすくアドバイスします。また、確定申告の手続きも代わりに行ってくれます。

一方、非上場株式の評価の他、株式を譲り受けてもらいたい法人・個人を探しているなら「M&A仲介会社」に相談するのも良いでしょう。

担当者は相談者のニーズに合った評価方法を助言し、譲り受ける代表者を引き合わせてくれます。

【無料相談】相続に関するお悩みは相続診断士へ

相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。

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