新NISA高齢者の相続【2026年最新】手続き・税金対策を解説
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2024年開始!新NISA制度の基本と高齢者の活用
新NISA(少額投資非課税制度)は、株式や投資信託の運用益が非課税になる資産形成の仕組みです。高齢者の利用も広がっていますが、運用者が亡くなったときの相続手続きや税金は、現役世代とは違う視点で準備が必要です。この記事では、高齢者が新NISAを活用するメリット・デメリット、運用者死亡時の相続手続き、相続税の計算方法を解説します。
2024年1月から新NISAが開始され、制度内容が大きく変わりました。金融庁の調査では、2024年3月末時点のNISA口座数は2,384万口座で、60歳代458万口座(19.2%)、70歳代332万口座(13.9%)、80歳以上145万口座(6.1%)(出典:金融庁)。60歳以上で全体の約4割を占めます(出典:金融庁)。
旧NISAからの変更点(比較表で解説)
| 比較項目 | 旧NISA | 新NISA |
|---|---|---|
| 生涯非課税限度額 | つみたて:最大800万円/一般:最大600万円 | つみたて・成長枠あわせて1,800万円(うち成長投資枠1,200万円まで) |
| 年間投資上限額 | つみたて:40万円/一般:120万円 | つみたて投資枠:120万円/成長投資枠:240万円 |
| 非課税保有期間 | つみたて:最大20年/一般:最大5年 | 無期限 |
| 制度選択 | 併用不可 | つみたて投資枠・成長投資枠の併用可 |
| 制度実施期間 | ~2023年末 | 2024年1月~恒久化 |
| ロールオーバー | つみたて:不可/一般:可 | 不要 |
ロールオーバーは非課税期間満了後に金融商品を新口座へ移す方法です。新NISAは保有期間無期限のためロールオーバー不要で、旧NISAから新NISAへの移行もできません。
高齢者(シニア世代)でも始められる?年齢上限は?
対象は口座開設年の1月1日時点で18歳以上。年齢上限はなく、リタイア後でも申し込めます。公的年金や預貯金を運用すれば老後資金を増やせる可能性があり、60歳以上が約4割を占めるなど現実的な選択肢です。
高齢者が新NISAを始めるメリット・デメリット
メリット:非課税の恩恵を活かして老後資金を増やす
運用益が非課税で、最大1,800万円まで無期限で投資できます。成長投資枠(最大1,200万円)では国内債券ファンドや為替ヘッジ付き外国債券ファンドなど値動きの小さい商品への長期投資も可能です。配当金・分配金も非課税ですが、上場株式の配当を非課税で受け取るには受取方法を「株式数比例配分方式」にする必要があります。
デメリット:損益通算・繰越控除ができない点に注意
NISA口座に元本保証はなく、元本割れの可能性はゼロではありません。さらにNISA口座の損失は、他の課税口座の利益と相殺する「損益通算」や翌年以降に繰り越す「繰越控除」ができません。「定期預金と似たもの」と誤解せず、仕組みを理解したうえで利用しましょう。
【実践編】高齢者が新NISAを始める前に準備すべき3つのこと
準備1:資産状況の棚卸しとリスク許容度の確認
預貯金・年金・保有資産の全体像を把握し、当面使わない余裕資金の範囲で行うのが基本です。生活費を投資に回すと老後資金が枯渇するおそれがあります。初めての場合は少額から。つみたて投資枠には毎月100円から利用できる商品もあります。
準備2:家族への情報共有と意思の伝達
将来の相続手続きを見据えた「終活」の視点が重要です。保有商品をシンプルなインデックスファンドに絞り、金融機関を一つにまとめ、証券会社の連絡先・口座番号をエンディングノートに記載して保管場所を家族に伝えましょう。相続手続きの負担を減らせます。
準備3:出口戦略(いつ・どう取り崩すか)を考えておく
資産を減らさず資産寿命を延ばす運用が求められます。いつ・どう取り崩すかを決めておくと値動きに振り回されにくくなります。退職金の一括購入は避け、資金を分けて購入することがリスク軽減につながります。
高齢者のための新NISAポートフォリオ戦略と失敗しないコツ

投資対象は大きく「投資信託」「国内株式」「外国株式」の3つです。
- 投資信託(つみたて・成長枠):株式型、債券型、バランス型、コモディティ型
- 国内株式(成長投資枠):国内株式(配当・株主優待)、J-REIT、国内ETF
- 海外株式(成長投資枠):外国株式、海外ETF
資産寿命を延ばすための商品の選び方
株式やREITに集中させず、国内・海外の債券を中心に据えると値動きを抑えやすくなります。株式を選ぶ場合も債券と組み合わせて分散投資を心がけます。
年齢に応じた資産配分モデル(ポートフォリオ例)
年齢が上がるほど値動きの大きい資産の比率を下げるのが基本です。リスク許容度に応じて「株式〇%、債券〇%」と配分を決めます。先進国株式型やナスダック100連動型など値動きの大きい商品は比率を抑えましょう。
要注意!高齢者が陥りがちな失敗例と対策(退職金の一括投資など)
最も注意したいのが退職金の一括投資です。一度に投じると直後の値下がりで大きな含み損を抱えるリスクがあり、購入時期を分ける「時間分散」で抑えましょう。仕組みを理解できない商品には手を出さず、見送る判断も損失を防ぐ選択です。
新NISA口座の相続手続き完全ガイド|運用者が亡くなったら?
NISA口座の非課税枠は相続人に引き継げない
新NISAで保有していた資産は相続財産で相続税の対象です。相続人がNISA口座をそのまま引き継ぎ、非課税のまま保有し続けることはできません。被相続人の金融商品は相続人自身の課税口座(特定口座または一般口座)に移管して受け取ります。取得価額・取得日は原則として被相続人が亡くなった日の価額・その日を引き継ぎます(出典:国税庁)。相続後の含み益には売却時に税金がかかります。
相続手続きの具体的な流れと必要書類
放置すると売却も配当金・分配金の受け取りもできません。次の流れで進めます。
1. 相続発生後、遅滞なく金融機関へ「非課税口座開設者死亡届出書」等を提出する
2. 商品を相続人の口座へ移管する場合、「相続上場株式等移管依頼書」等を提出する
あわせて戸籍謄本や遺産分割協議書等も必要です。必要書類は金融機関により異なるため証券会社に確認しましょう。
相続した資産の移管先は?特定口座と一般口座の違い
移管は原則として被相続人が口座を開設していた同一金融機関に相続人自身の口座を開設して受け入れます。同一銘柄を特定口座と一般口座に分けて移管はできず、同一口座にまとめます。特定口座は証券会社が損益計算を行い、源泉徴収ありなら原則自分で確定申告不要。一般口座は自分で計算・申告します。手間を抑えたいなら特定口座が使いやすい選択肢です。
手続きを放置した場合に起こりうる問題点
放置すると売却も配当・分配金の受け取りもできず、値動きのある商品は市場変動の影響を受け続けます。遺産分割や相続税申告にも支障が出るため、相続発生時は早めに金融機関へ連絡しましょう。
新NISAの相続税はいくら?計算方法とシミュレーション
NISA口座内の資産の相続税評価方法(上場株式・投資信託)
上場株式等も相続税の課税対象です。上場株式の評価額は、次の4つのうち最も低いものを選んで申告できます(出典:国税庁)。
- 被相続人の死亡日の終値
- 死亡した月の毎日の終値の月平均額
- 前月の毎日の終値の月平均額
- 前々月の毎日の終値の月平均額
投資信託は死亡日の基準価額をもとに評価します(信託財産留保額や源泉所得税相当額等を差し引いて評価)。評価方法で金額が変わるため、正確な計算は専門家に確認しましょう。
相続税がかかるかチェック!基礎控除額の計算方法
遺産総額が基礎控除額以下なら相続税はかかりません。
基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数
NISA資産を含む遺産の合計がこれを超える場合に申告・納税が必要です。
【ケース別】NISA資産を含む相続税シミュレーション
「NISA資産+その他の遺産」の合計を評価し基礎控除額と比較します。法定相続人が配偶者と子2人の計3人なら基礎控除額は「3,000万円+600万円×3人=4,800万円」。遺産総額がこれ以下なら相続税はかかりません。超える場合は、いったん法定相続分どおり取得したと仮定して各人の税額を計算し、合算した相続税総額を実際の取得割合に応じて按分します。具体額は遺産内容と相続人構成で変わるため、専門家に相談するのが確実です。
相続したNISA資産を売却した時の税金計算
課税口座に移管された資産を売却したときの譲渡所得は「売却価額-取得価額」で計算します。取得価額は被相続人の購入時ではなく、原則として被相続人が亡くなった日の価額に更新されます(出典:国税庁)。相続後の値上がり分だけが譲渡益として課税されます。上場株式等の譲渡益には所得税・復興特別所得税・住民税あわせて20.315%の税率が課されます。
節税に使える「取得費加算の特例」とは?
相続した資産を、相続税の申告期限の翌日から3年以内に売却した場合、支払った相続税の一部を取得費に加算できる「取得費加算の特例」があります。取得費が増えて譲渡所得が圧縮され、税金を抑えられます。適用要件・計算方法は国税庁公式サイトで確認するか専門家に相談してください。
新NISAと他の相続対策はどう違う?
生前贈与との組み合わせ方と注意点
配当金・分配金を本人の資産にしておくと死後に相続財産となり相続税の対象です。そこで生前贈与を組み合わせます。暦年贈与では受贈者1人につき年間110万円までなら原則贈与税がかかりません。計画的に贈与すれば相続財産を減らし相続税軽減につながります。
ただし、相続や遺贈で財産を取得した人が贈与者の死亡前一定期間内に受けた生前贈与は相続財産に加算されます(生前贈与加算)。2024年1月1日以降の贈与は加算期間が「死亡前3年」から段階的に延長され、最終的に「死亡前7年」となります(延長4年分は総額100万円まで加算対象外)。決めたら早めに計画的に進め、最新ルールは国税庁公式サイトで確認してください。
生命保険の非課税枠との比較
生命保険の死亡保険金には「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があり、現金を効率よく遺す対策に使われます。新NISAは運用益が非課税になる資産形成の制度で、相続税の非課税枠はありません。目的が異なるため、生前贈与や生命保険と組み合わせた全体設計が有効です。
まとめ:新NISAの相続は専門家への相談がおすすめ
新NISAは非課税の恩恵を受けながら老後資金を運用できる有効な制度です。一方、運用者が亡くなると非課税枠は引き継げず、課税口座への移管や相続税の対象になります。取得価額が死亡日の価額に更新される点もその後の税金に影響します。保有商品・口座の整理、家族への情報共有を進めておくと家族の負担を減らせます。判断に迷ったら早めに専門家へ相談しましょう。
【無料相談】相続に関するお悩みは相続診断士へ
相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。
本記事で抱えている問題が解決できているのであれば大変光栄なことですが、もしまだもやもやしていたり、具体的な解決方法を個別に相談したい、とのお考えがある場合には、ぜひ相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にご相談することをおすすめします。
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この記事を監修したのは…
ジェニユイン・パートナーズ株式会社 取締役 / 一般社団法人証券相続普及協会 代表理事
小林 裕(こばやし ゆたか)
保有資格:証券外務員一種、終活カウンセラー、上級相続診断士
大学卒業後、準大手証券会社に入社。
新人賞、社長優秀賞などの数多くのタイトルを受賞。
その後、金融商品仲介業(IFA)に転身。
2020年12月、一般社団法人証券相続普及協会を設立。
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