登記事項証明書交付申請書の書き方は?記入例・地番の調べ方まで徹底解説

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遺産相続

登記事項証明書(登記簿謄本)を取得しようと法務局へ向かったものの、「申請書の書き方がわからない」「地番ってどこで調べるの?」と戸惑った経験はありませんか。

本記事では、登記事項証明書交付申請書の正しい書き方を記入例つきで丁寧に解説します。マンション(区分所有建物)や土地・建物の同時請求など、ケース別の書き方にも対応。さらに、つまずきやすい地番・家屋番号の調べ方から収入印紙の正しい貼り方まで、実務的なポイントを網羅しています。

相続登記(不動産の名義変更)に必要な知識も後半でまとめていますので、ぜひ最後までご確認ください。

Contents

【記事内容を動画で解説】

登記事項証明書交付申請書とは?入手方法や基礎知識

登記事項証明書(登記簿謄本)の定義と役割

登記事項証明書とは、法務局が保管する不動産・会社の登記記録を証明した公的書類です。かつては「登記簿謄本」と呼ばれていましたが、登記情報が電子データ化された現在では「登記事項証明書」が正式名称となっています。慣習的に「謄本(とうほん)」と呼ばれることも多いですが、内容は同じ書類です。

不動産登記は、土地・建物の所在・面積・所有者の住所氏名などを登記簿に記載し一般公開することで、誰でも権利関係を確認できる仕組みを提供しています。これにより、不動産取引や相続手続きが安全かつ円滑に進められます。

登記事項証明書の主な種類

種類内容
登記事項全部証明書過去の権利変動の履歴を含むすべての情報
登記事項現在事項証明書現在効力がある事項のみ(抹消済みは非表示)
登記事項閉鎖全部証明書電子データ化後に閉鎖された登記簿の証明書

相続登記や不動産売買では、一般的に「全部事項証明書」を取得します。過去の所有者の履歴や担保権の設定状況なども含まれるため、権利関係を網羅的に把握できるためです。

交付申請書の入手方法(窓口・ダウンロード・発行請求機)

登記事項証明書交付申請書は、次の3つの方法で入手できます。

① 法務局の窓口で入手(無料)

管轄の法務局窓口に備え付けられている用紙を使用します。無料で利用でき、書き間違えた場合はその場で新しい用紙をもらえます。

② 法務省HPからダウンロード(無料)

法務省のウェブサイトから申請書PDFをダウンロードし、印刷して使用できます。事前に記入して持参すると、窓口での手続きがスムーズです。

登記事項証明書(商業・法人登記)・印鑑証明書等の交付請求書の様式 :法務局

③ 証明書発行請求機を利用

大規模な法務局には、タッチパネル操作で申請書の作成を省略できる「証明書発行請求機」が設置されています。ただし窓口受取限定のサービスです。

【記入例あり】登記事項証明書交付申請書の詳しい書き方

ここからは、申請書の各項目をひとつずつ丁寧に解説します。書き損じると収入印紙が無駄になります(書面申請は1通につき600円)。記入前にひと通り確認しておきましょう。

申請者の情報(住所・氏名)の書き方

申請書の上部には、申請者(請求者)本人の情報を記入します。

  • 住所:現住所を正確に記入します。転居直後の場合、登記簿上の住所と異なることがありますが、申請者欄は現住所で問題ありません。
  • 氏名・連絡先電話番号:記入漏れがないようにしましょう。

ポイント:登記事項証明書の申請に、印鑑や本人確認書類は不要です。登記情報は誰でも取得できる公開情報であるためです。

不動産の種別と所在(地番・家屋番号)の書き方

申請書の中心となる項目です。「土地」か「建物」かを選択し、それぞれ以下の情報を記入します。

土地の場合

  • 所在:○○市○○町○丁目など、地番の所在地を記入
  • 地番:登記簿上の番号(例:12番1)。日常の住居表示とは異なります

建物の場合

  • 所在:建物が立つ土地の所在(地番を含む場合あり)
  • 家屋番号:登記簿に記載された番号(例:12番1の101)。部屋番号とは異なります

⚠ 注意:「住所(住居表示)」と「地番・家屋番号」は別物です。詳しい調べ方は後述の「つまずきやすい地番・家屋番号の調べ方」をご参照ください。

証明書の種類と請求通数の選び方

  • 全部事項証明書:相続・売買・ローン手続きなど一般的な用途はこちら。過去の履歴も含まれます。
  • 現在事項証明書:現在有効な情報のみが必要な場合はこちら。
  • 閉鎖全部証明書:廃止された不動産など、閉鎖された登記簿が必要な場合に選択。

請求通数は必要な枚数を数字で記入します。相続登記では複数の機関に提出するケースがあるため、余裕をもって請求しておくことをおすすめします(1通ごとに手数料がかかります)。

共同担保目録の有無のチェック方法

共同担保目録とは、ひとつの債権(住宅ローン等)の担保として複数の不動産に設定された抵当権をまとめた情報です。

  • 住宅ローンがある場合に担保の詳細を確認したいときは「要(現在有効なもの)」にチェックします。
  • 担保の全履歴が必要な場合は「要(全部)」を選択します。
  • 担保関係の確認が不要な場合は「不要」のままで構いません。

【ケース別】マンション・土地建物を同時請求する際の書き方

マンション(区分所有建物)の場合

マンションの登記事項証明書を請求する際、最も多いトラブルが「家屋番号の記入ミス」です。

  • 住居表示(例:○○マンション101号室)と家屋番号(例:12番1の101)は異なる番号体系です。
  • 申請書の「家屋番号」欄には、部屋番号ではなく、法務局が指定した登記上の番号を記載する必要があります。
  • 誤った番号を記入すると「該当なし」として書類が返送されます。

正確な家屋番号の確認には、固定資産税納税通知書の課税明細を参照するのが最も確実です(詳しくは後述)。

土地・建物を同時請求する場合

土地と建物は別々の登記記録です。申請書を2枚用意し、それぞれに収入印紙を貼って提出しましょう。

収入印紙の購入方法と貼り方の注意点(割印は不要)

購入場所

  • 法務局窓口(最も便利)
  • 郵便局・コンビニでも購入できます

申請書の所定欄(右側の収入印紙貼付欄)に、必要額分を貼ります。

⚠ 割印(消印)は絶対にしないでください。法務局側が手数料を確認したうえで消印処理を行うためです。申請者が先に消印してしまうと、再利用防止の観点からその印紙が無効とみなされるリスクがあります。

書く前に確認!「地番・家屋番号」の調べ方

「住所(住居表示)」と「地番・家屋番号」の違い

私たちが日常的に使っている「住所(住居表示)」と、登記簿上の「地番・家屋番号」はまったくの別物です。

種類例・用途
住居表示(住所)○○市○○町1丁目2番3号 → 用途:郵便物・地図・日常生活
地番○○市○○町1番2 → 用途:土地の登記上の番号
家屋番号1番2(マンションは1番2の101等) → 用途:建物の登記上の番号

住居表示と地番が一致することもありますが、多くの場合は異なります。申請書に住居表示を記入してしまうと「該当なし」で返送されるため、必ず登記上の番号を確認してください。

調べ方①:固定資産税の課税明細書(納税通知書)で確認する

最もおすすめの方法です。

毎年春頃に届く固定資産税の納税通知書には「課税明細書」が同封されており、そこに「地番」「家屋番号」が明記されています。

  • 記載場所:納税通知書に同封の「課税明細書」または「固定資産税課税明細書」
  • 確認できる情報:地番、家屋番号、地目、地積など

被相続人宛の納税通知書が手元に残っていれば、相続案件でもこの方法で確認できます。

調べ方②:登記済権利証(権利書)で確認する

不動産を取得したときに受け取る「登記済権利証」または「登記識別情報通知」にも、地番・家屋番号が記載されています。

  • 登記済権利証:旧来の紙の権利書。表紙や本文の不動産の表示欄に記載されています。
  • 登記識別情報通知:現行の権利書。同様に不動産情報が記載されています。

調べ方③:法務局への電話照会・ブルーマップを利用する

電話照会(地番照会)

管轄の法務局に電話し、住居表示(住所)を伝えると地番を教えてもらえます。無料で利用できる便利なサービスです。

ブルーマップ(住宅地図)

ゼンリンが発行する「ブルーマップ」は、住居表示と地番の両方が記載された地図です。大きな図書館や法務局の閲覧コーナーに備え付けられています。

固定資産評価証明書・名寄帳の活用

市区町村役場で取得できる「固定資産評価証明書」や「名寄帳」にも地番・家屋番号が記載されています。名寄帳は同一市区町村内の不動産を所有者ごとに一覧で確認できるため、相続時の不動産把握に特に役立ちます(取得費用:1通200〜300円程度)。

登記事項証明書の3つの取得方法と費用

法務省の統計によると、令和5年度(2023年度)の不動産登記における証明書交付件数は約1,702万件にのぼります。そのうちオンライン請求が約7割を占める一方、書面申請も約500万件近くの需要があります(出典:法務省「登記統計統計表(年報)」、2024年公表)。

法務局の窓口で取得する場合(費用:600円)

  1. 管轄の法務局へ来庁
  2. 備え付けの申請書(または事前に印刷したもの)に必要事項を記入
  3. 収入印紙(600円/通)を貼付して窓口に提出
  4. 10〜15分程度で受け取り可能

受付時間:平日9時〜17時(法務局によって異なる場合があります)。急いで取得したい場合や、地番・家屋番号の確認が必要な場合は窓口利用がおすすめです。

郵送で取得する場合(費用:600円)

  1. 申請書を記入(法務省HPよりPDFをダウンロード・印刷)
  2. 収入印紙(600円/通)を貼付
  3. 返信用封筒(宛名記入・切手貼付済)を同封
  4. 管轄の法務局へ郵送

書類が法務局に届き次第、作成されて返送されます。到着まで数日かかるため、急ぎでない場合に適した方法です。

オンラインで請求・取得する場合(費用:480円〜500円)

2026年現在の手数料(出典:法務省「登記手数料について」2025年更新情報)

請求・受取方法手数料
書面申請(窓口・郵送)600円
オンライン請求・窓口交付500円
オンライン請求・郵送受取480円

オンライン請求(登記ねっと「かんたん証明書請求」)を利用すると、書面申請より最大120円安く取得できます。受付時間は平日21時まで。

注意:クレジットカードには対応していません。郵送交付の場合は受付から配達まで最短でも1〜2日かかります。急ぎの場合は窓口受取またはオンライン請求・窓口交付を選択しましょう。

取得した登記事項証明書の正しい見方

表題部(不動産の物理的状況)の見方

登記事項証明書の最上部にある「表題部」には、不動産の物理的な状況が記されています。

土地の場合

  • 所在・地番
  • 地目(宅地・田・畑・山林など)
  • 地積(面積㎡)

建物の場合

  • 所在・家屋番号
  • 種類(居宅・事務所など)
  • 構造(木造・鉄骨造など)
  • 床面積

権利部 甲区・乙区(所有権と担保権)の見方

権利部(甲区):所有権に関する事項

現在の所有者の情報と、所有権を取得した経緯(売買・相続・贈与など)が時系列で記録されています。不動産売買や相続時には、現在の所有者が誰かを甲区で必ず確認しましょう。

権利部(乙区):所有権以外の権利に関する事項

住宅ローンがある場合の抵当権、賃借権・地上権(用益権)などが記録されています。乙区が空欄の場合は、担保権が設定されていないことを意味します。

相続手続きで登記事項証明書が必要なケースと活用法

相続登記(不動産の名義変更)の手続きの流れ

相続登記とは、亡くなった方(被相続人)が所有していた不動産の名義を、新しい所有者(相続人)に変更する手続きです。

  1. 登記事項証明書を取得し、不動産の状況・権利関係を確認する
  2. 遺産分割協議で不動産を引き継ぐ人を決定する(遺言がある場合は不要)
  3. 必要書類を収集する(被相続人の戸籍謄本一式・相続人の戸籍謄本・住民票等)
  4. 不動産所在地を管轄する法務局へ申請書を提出

登記申請書や遺産分割協議書には、登記簿と同じ地番・家屋番号で不動産を表示する必要があります。

被相続人の戸籍謄本収集や遺言書の検認

相続登記には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本・改製原戸籍等)がすべて必要です。抜け漏れがあると法務局で受け付けてもらえません。

また、被相続人の登記簿上の住所と死亡時の住所が異なる場合は、住所のつながりを証明する「戸籍の除附表」や「改製原附表」が必要です。

自筆証書遺言がある場合:事前に家庭裁判所で「遺言書の検認」を受ける必要があります。なお、法務局(法務局保管制度)に預けられた遺言書については検認が不要です。

名寄帳を使った不動産の特定方法

相続手続きで問題になりやすいのが、被相続人が所有していた不動産の把握漏れです。地番や家屋番号が不明なとき、または複数の不動産を所有していた可能性があるときは、名寄帳(なよせちょう)の活用が有効です。

名寄帳とは

固定資産税を課税するために市区町村が作成する固定資産税課税台帳を、所有者ごとにまとめたものです。同一市区町村内の不動産を一覧で確認できるため、不動産の特定と取りこぼし防止に役立ちます。

取得方法

  • 不動産所在地の市区町村役場で閲覧・取得可能
  • 費用:1通200〜300円程度
  • 持参書類:相続人であることが確認できる書類(戸籍謄本等)

ただし名寄帳は市区町村ごとの管理のため、他の市区町村にある不動産は別途調査が必要です。

まとめ:申請書の書き方や相続登記に迷ったら専門家へ

登記事項証明書の取得時の注意点をおさらい

  • 地番・家屋番号は「住居表示(住所)」と異なる。事前に課税明細書や権利書で確認する
  • マンションの家屋番号は部屋番号とは別物。「該当なし」返送を防ぐため、課税明細で確認する
  • 収入印紙に割印(消印)をしない。消印は法務局側の作業であるため、申請者は行わない
  • 相続・売買等では「全部事項証明書」を選択するのが基本
  • オンライン請求(登記ねっと)は書面申請より最大120円安く、平日21時まで受付

相続登記でお悩みなら「円満相続ラボ」の無料相談へ

登記事項証明書の取得自体は、本記事を参考にすれば個人でも対応できます。しかし、相続登記の実務は戸籍謄本の収集・遺産分割協議書の作成・法務局への申請など多くの工程があり、専門的な知識が求められます。

「相続登記の手続きが複雑でわからない」「被相続人の不動産がいくつあるか把握できていない」「戸籍謄本の収集が大変で進められない」──このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にご相談ください。本サイト「円満相続ラボ」では、相続診断士への無料相談窓口をご用意しています。十人十色の相続案件に、豊富な経験と専門知識でお応えします。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を書いたのは…

中澤 泉

弁護士・ライター

中澤 泉(なかざわ いずみ)

弁護士事務所にて債務整理、交通事故、離婚、相続といった幅広い分野の案件を担当した後、メーカーの法務部で企業法務の経験を積んでまいりました。
事務所勤務時にはウェブサイトの立ち上げにも従事し、現在は法律分野を中心にフリーランスのライター・編集者として活動しています。
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