ひと目でわかる!公正証書遺言の手数料をどこよりも分かりやすく解説
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ひと目でわかる!公正証書遺言の手数料早見表
公正証書遺言を作成するにあたってかかる費用は、大きく分けて次の5つです。
- 公証人手数料
- 実費
- 公証人の日当と旅費(出張してもらう場合)
- 証人手数(証人を依頼する場合)
- 書類取得費
それぞれについて解説していきます。
公証人手数料
公証人手数料は、公証役場の公証人に支払う手数料です。金額については、遺言の対象である財産の価額によって決められています。
公証人手数料の一覧は以下の通りです。
遺言の対象である財産の価額 | 基本手数料 | 遺言加算 |
100万円以下 | 5,000円 | +11,000円 |
100万円を超え200万円以下 | 7,000円 | |
200万円を超え500万円以下 | 11,000円 | |
500万円を超え1,000万円以下 | 17,000円 | |
1,000万円を超え3,000万円以下 | 23,000円 | |
3,000万円を超え5,000万円以下 | 29,000円 | |
5,000万円を超え1億円以下 | 43,000円 | |
1億円を超え3億円以下 | 43,000円に超過額5,000万円までごとに13,000円を加算した額 | |
3億円を超え10億円以下 | 95,000円に超過額5,000万円までごとに11,000円を加算した額 | |
10億円を超える場合 | 24万9,000円に超過額5,000万円までごとに8,000円を加算した額 |
例えば、遺言で評価額が2,000万円の土地をAさんに遺贈する場合の手数料は23,000円です。さらに評価額900万円の建物をBさんに遺贈したい場合は、別途17,000円かかります。そこに遺言加算として11,000円加算されるため、手数料は総額で51,000円です。
手数料は、受贈者それぞれにかかることに覚えておきましょう。
また、目的の価額が1億円を超える場合は価額に応じて手数料が加算されます。例えば、1億円の財産をAさん1人に相続させる場合、手数料は以下の通りです。
43,000円+遺言加算13,000円=56,000円
1億円の財産をAさんとBさんに5,000万円ずつ相続させる場合の手数料は、それぞれに29,000円かかるため、手数料は以下の通りです。
(29,000円×2)+遺言加算13,000=71,000円
なお、評価額は固定資産税納税通知書や評価証明書、名寄帳などで確認できます。
実費
実費とは、公正証書遺言を作成する際に発行される正本と謄本の費用のことです。正本と謄本は1ページにつき250円かかります。
たとえば、全2ページの公正証書遺言の場合、
正本
250円×2ページ=500円
謄本
250円×2ページ=500円
合計で1,000円かかります。
なお、公正証書遺言作成時には原本も発行されますが、原本については公証役場で保管され、発行費用はかかりません。
公証人の日当と旅費
遺言者が病気などの理由で、自ら公証役場に出向けないときは、公証人が病院や介護施設、自宅まで出張して手続きを進めることも可能です。その場合は公証人手数料が50%加算され、さらに日当と旅費を公証人に対して支払う必要があります。
日当は1日20,000円、4時間以内であれば10,000円です。旅費はかかった交通費と同じ金額を支払います。
証人手数料
また、公正証書遺言を作成する際は証人2名の立ち会いが必要です。知人や友人に証人になってもらえる場合は費用はかかりませんが、公証役場に手配してもらう場合はその分の日当がかかります。
公証役場で手配してもらう場合の費用は、証人1人につき6,000〜7,000円程度であることが一般的です。公証役場によっても異なるため、管轄の公証役場に確認してみましょう。
証人は、司法書士や行政書士などの専門家に依頼することも可能です。その場合も日当がかかり、費用は1名につき7,000円〜20,000円と事務所によって値段設定が異なります。
書類取得費
公正証書遺言を作成するにあたって、取得しなければならない書類がいくつかあります。それらは市区町村役場や法務局などで有料で取得できます。費用は以下の通りです。
書類 | 必要なケース | 費用 |
印鑑証明書または公的機関が発行した顔写真入りの証明書 | すべてのケース | 印鑑証明書 200円〜300円 |
遺言者と相続人の関係性がわかる戸籍謄本 | 受遺者が相続人であるケース | 現在戸籍 450円 |
住民票または登記事項証明書 | 受遺者が相続人以外であるケース(個人の場合は住民票、法人の場合は資格証明書) | 住民票 200円〜300円 登記事項証明書 窓口での申請、受取600円 オンライン請求、郵送受取500円 オンライン請求、窓口受取480円 |
登記事項証明書 | 遺言の対象が不動産であるケース | 登記事項証明書 窓口での申請、受取600円 オンライン請求、郵送受取500円 オンライン請求、窓口受取480円 |
評価証明書または固定資産税や都市計画税の課税明細書 | 遺言の対象が不動産であるケース | 評価証明書 300円〜 |
法務局で取得する登記事項証明書は全国共通ですが、印鑑証明書や住民票、評価証明書などは各市区町村によって手数料が異なります。
事例
事例を用いて、総額でいくらかかるかシミュレーションしてみましょう。
- 受遺者…1人
- 遺言の対象…土地1筆(評価額2,000万円)、建物1棟(評価額1,000万円)
- 遺言書のページ数…3ページ
- 公証人の日当、旅費…あり(1日)
- 証人の依頼…あり(2名)
- 準備した書類…印鑑証明書、現在戸籍、登記事項証明書(土地1筆、建物1棟)、評価証明書
項目 | 費用 |
公証人手数料 | (手数料23,000円+遺言加算11,000円)×1.5=51,000円 |
実費 | 250円×3ページ=750円(正本)+ 250円×3ページ=750円(謄本)=1,500円 |
公証人の日当、旅費 | 日当20,000円+旅費5,000円=25,000円 |
証人手数料 | 6,000円×2人=12,000円 |
書類取得費 | 印鑑証明書200円+現在戸籍450円+登記事項証明書2通1,200円+評価証明書300円=2,150円 |
総額 | 91,650円 |
上記の事例であれば、総額91,650円かかります。専門家に依頼する場合は、この金額+専門家への報酬がかかります。
遺言書作成費用は依頼相手(弁護士や銀行など)によって変わる?
遺言書作成費用は依頼相手によって異なります。事務所にもよりますが、一般的なケースで弁護士に依頼した場合、費用は20万〜30万程度かかることが多く、ケースによってはさらにかかることもあります。
司法書士や行政書士に依頼した場合はそれよりも安く済む傾向にあり、相場としては6万〜10万円程度である場合が多いでしょう。また、遺言書作成といえば士業の仕事というイメージが強いですが、銀行にも遺言書を作成してくれるサービスはあります。
銀行では遺言書作成だけでなく遺言書の保管や遺言書の執行までサポートしてもらえますが、金額は高めで、少なくとも140万〜150万円はかかります。
同じ内容で士業に依頼してもそこまで高額にはならないことの方が多いため、専門家に依頼するのであれば弁護士などの士業に依頼するのがおすすめです。
専門家への報酬はいくらが相場?
専門家に遺言書作成を依頼した場合、作成だけであれば前項の通りですが、依頼する作業内容によっては、作成費用とは別に費用がかかります。
たとえば、以下のような作業を依頼した場合、別途費用が必要です。
- 証人
- 遺言書の保管、管理
- 遺言執行業務
- 戸籍取得
それぞれ見ていきましょう。
証人
弁護士A…22,000円(1人)
司法書士B…32,400円(2人)
行政書士C…11,000円(1人)
遺言書の保管、管理
弁護士A…
司法書士B…年間保管料6,600円
行政書士C…年間保管料11,000円
遺言執行業務
遺産総額の2〜5%
弁護士A…30万円(相続財産300万円以下30万円)、相続財産の2%+24万円(300万円超え3,000万円以下)
司法書士B…相続人、受遺者1名につき11万円+相続財産額に応じて相続財産額の0.44%〜1.54%
20〜75
行政書士C…25万円
戸籍取得
弁護士A…実費+1通5,000円
司法書士B…実費+880円
行政書士C…実費+500円
以上はほんの一例です。費用についてはその専門家によって異なるため、事前に見積もりをしてもらうと良いでしょう。
遺言書を作成するときに注意すべきことを紹介
遺言書を作成する際には、注意すべきことがいくつかあります。ここでは注意すべき点を3つ紹介します。
遺言書が無効になる可能性がある
遺言書を自分で作成する場合に注意しなければならないのは、せっかく遺言書を作成しても、書き方によっては無効になってしまう可能性があることです。
自分で一から作成する自筆証書遺言は、費用をかけることなくいつでもどこでも作成できる遺言書ですが、手書きで作成しなければならないためミスを犯すリスクが高く、それに加えて紛失や変造、偽造のリスクもあるなどのデメリットが存在します。
しかし、公正証書遺言であればプロが作成してくれるため、形式上のミスが原因で無効になることは滅多にありません。
また、作成後は公証役場で保管されるため、紛失や変造、偽造などといったリスクもありません。できる限り確実な形で遺言を残すためには、プロにお願いして公正証書遺言の作成をおすすめします。
遺言書よりも遺留分が優先される
誰にどの財産を遺贈しても自由ですが、遺言書よりも遺留分が優先されることを念頭に置いておかなければなりません。
遺留分とは、法定相続人が最低限保証されている遺産の割合のことで、被相続人から見てどのような立場にあるかによって割合が決まっています。例えば、配偶者や子であれば1/2、父母であれば1/3と定められています。
この遺留分は遺言書よりも優先されるため、いくら遺言者が強く願っていたことであっても、法定相続人が遺留分の返還請求をすれば遺言内容が覆されてしまう可能性があることを覚えておきましょう。
専門家の報酬額は安ければ良いというわけではない
費用は依頼する専門家を選定する上で重要な要素ですが、安ければ良いというわけではありません。大切なのは内容です。なぜその金額で引き受けてくれるのか、費用の内訳を確認しましょう。
金額だけを見て飛び付いたら、遺言書をただ作成するだけであとのフォローが何もなかったということや、格安を謳っておきながら、遺言書作成以外の名目で別途高額な請求をするなどというケースも中にはあります。
それで納得して依頼するのであれば良いですが、場合によっては想定していたよりも費用が高額になってしまう可能性があるため注意が必要です。
また、同じ遺言書の作成とはいっても、専門家の種類によってどこまで踏み込めるかが異なります。たとえば、弁護士であればトラブルに発展した場合でも対応が可能です。むしろ、揉め事が起こったときにその真価を発揮します。
しかし、司法書士や行政書士は弁護士に比べると費用の面では安く済むことが多いですが、弁護士のように法的なトラブルを見据えてのアドバイスができません。そのため、どこまで依頼したいのかを考えて専門家を選ぶことも必要です。
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公正証書遺言を作成する際にかかる手数料などについて解説しました。公正証書遺言の作成は複雑な案件でなければ、専門家に頼らずとも自分で対応可能です。
しかし、中には複雑なケースや書類の収集に手間がかかるケースもあります。初めての作業に不安があるという人もいるでしょう。
そんなときは、円満相談ラボに相談してみてはいかがでしょうか。専門のサポーターが相続診断士の紹介が必要かどうかを判断し、必要であれば無料で信頼できる相続診断士を紹介します。
遺言書の作成は、一生にそう何度もあることではありません。悔いのないよう、相続診断士に相談しながらじっくりと向き合ってみてはいかがでしょうか。
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相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。
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