誰でも自由に閲覧可能?!相続した不動産の抵当権を確認する方法

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遺産相続

抵当権とは?

抵当権とは、不動産を担保にとることで優先的に弁済を受けられる権利で、金融機関などが貸付けをする際に、土地や建物といった不動産に対して設定されます。

借金の返済が滞った場合、抵当権者は抵当権の対象である不動産を競売にかけ、売却で得た金銭から他の債権者よりも優先的に弁済を受けられます。つまり、抵当権を実行することで貸し倒れを避けられるのです。

なお、返済が滞りなく行われている間は抵当権が実行されることはなく、競売にかけられることもありません。

抵当権について一つ具体例を見てみましょう。

例えば、Aは家を新築する資金を調達するために、金融機関に住宅ローンの申込みをしました。しかしAが確実に返済できるという保証がないため、万が一返済が滞れば、金融機関は貸倒れになってしまいます。

そこで金融機関は、Aの新築建物と土地を担保にとることにします。ここで登場するのが抵当権です。新築建物と土地に抵当権を設定することで、万が一に備えます。

Aの返済が滞った場合、金融機関は抵当権を実行し、新築建物と土地は競売にかけられます。売却によって発生した代金は返済に充てられるため、金融機関は債権を回収できるのです。

相続した不動産に抵当権があるかを確認する方法

相続した不動産に抵当権がついているかどうかを確認するためには、登記を確認する必要があります。登記の状態は、全部事項証明書や登記情報を確認すれば分かります。

全部事項証明書は、全国の法務局で取得できる書類です。取得するのに特別な資格は必要なく、誰でも簡単に請求できます。法務局の証明書発行窓口に請求用紙が置いてあるため、請求用紙に不動産の所在や所有者などを記入し、窓口に提出しましょう。

その他、登記情報提供サービスを利用すれば登記情報の取得ができるため、法務局の認証が不要な場合は登記情報提供サービスから取得するとよいでしょう。

登記情報提供サービスは、オンラインで登記の情報が確認できるサービスです。利用には会員登録が必要ですが、法務局で全部事項証明書を取得した場合は480〜600円かかるのに対し、登記情報提供サービスであれば1通332円で取得できるため費用もあまりかかりません。

抵当権のついた不動産を相続した場合に注意すべきこととは?

抵当権のついた不動産を相続した場合、相続によって所有者が変わったからといって抵当権が自然に消滅することはありません。

ここでは、抵当権つきの不動産を相続した場合に注意すべきことや、抵当権をそのままにしておくことで起こりうる問題について解説します。

借金まで相続してしまう

すでに借金を完済しており、単に抵当権が残っているだけであれば抵当権の抹消ができますが、借金も残っている場合は抵当権が抹消できず、借金も相続人に引き継がれます。

そして、相続したあとに借金の返済ができなくなれば、不動産を競売にかけられるおそれがあります。そのため、相続人が借金を返済していくしかありません。

ただ、全部事項証明書や登記情報に記載されている抵当権の債権額は抵当権設定当時の債権額であり、抵当権設定から年月が経過している場合は、表示されている債権額からいくらか減少している可能性があります。

現在の債権額を確認するためには、債権者である金融機関に問い合わせなければなりません。債権者が個人になっている場合は、その債権者と連絡を取らなければなりませんが、相続人にはどこの誰であるか心当たりがないケースもあります。

その場合、自力での解決は難しいため、弁護士や司法書士などの専門家に相談した方がよいでしょう。

抵当権がついたままでは買い手がつかない

不動産を売却したくても、抵当権がついたままではなかなか買い手がつかないという問題もあります。抵当権がついていても売却は可能ですが、わざわざ抵当権がついている不動産を買おうとする人はあまりいません。

借金の額が売却益を上回っており抵当権を抹消できなかった場合、抵当権は売却後もそのまま残ってしまいます。

また、抵当権設定者の相続人が借金の返済を滞らせてしまえば抵当権が実行され、せっかく購入した不動産が競売にかけられてしまいます。

そのような物件は、ほとんどの人が敬遠するでしょう。売却を考えているのであれば、抵当権を抹消することについて検討する必要があります。

不動産登記の1つである抵当権設定登記とは?

抵当権設定登記とは、対象の不動産に抵当権がついていることを第三者に示すための登記です。

登記原因証明情報や債務者の印鑑証明書、本人確認書類などを添付して不動産の所在地を管轄する法務局に申請します。複雑でミスが許されない登記であることから、司法書士に依頼されるケースがほとんどです。

抵当権の設定が必要となるのは、例えば借入れをして土地を購入する場合や、住宅ローンを組んで建物を新築する場合などです。中には無担保ローンもありますが、借入れをして不動産を購入する場合は、ほぼ設定されると考えておいてよいでしょう。

なお、抵当権はローン完済後、抵当権抹消登記をすることによって抹消できます。登記をしなければ、ローンを完済しても自動的には消えません。

抵当権設定登記は誰でも閲覧可能?確認手順と確認に必要なもの

抵当権設定登記がなされているかどうかは、誰でも確認が可能です。ここでは、抵当権設定登記の確認方法や手数料などについて解説します。

抵当権は全部事項証明書または登記情報で確認する

抵当権設定登記がされているかどうかを確認するためには、相続した不動産に対して抵当権の有無を確認するときと同様に、全部事項証明書や登記情報を取得し、登記の状況を調べる必要があります。

先ほども述べましたが、全部事項証明書とは、法務局の証明書発行窓口で取得できる書類です。他人の不動産であっても、申請書を記載すれば誰でも全国の法務局から取得可能です。

法務局に出向かなくても、登記・供託オンライン申請システムからオンラインでも請求できます。

なお、登記情報とは全部事項証明書の簡易版のようなものです。何らかの申請に添付するなど、法務局の認証が必要な場合は全部事項証明書を取得する必要がありますが、情報を確認したいだけであれば登記情報提供サービスから取得できる登記情報でもよいでしょう。

全部事項証明書、登記情報の手数料について

全部事項証明書の発行手数料は1通につき480〜600円かかりますが、登記情報は法務局の認証がない代わりに332円で取得できます。

全部事項証明書を取得する際の手数料は以下のとおりです。

請求方法受取方法手数料
オンライン窓口480円
オンライン郵送500円
窓口窓口600円

以上のように、取得方法によって手数料が異なります。

1通取得するだけであればそれほど大きな差は出ませんが、不動産の数が多く、大量に取得する必要がある場合は、窓口請求とオンライン請求とで大きな差が出ます。取得する通数が多い場合は、オンライン請求を利用するのも一つです。

見るべきところは権利部の乙区

全部事項証明書や登記情報は、表題部と権利部の2段構造になっています。さらに権利部は甲区と乙区に分かれており、抵当権が設定されている場合は乙区にその内容が記載されています。

全部事項証明書や登記情報で確認できる情報は以下のとおりです。

  • 順位番号
  • 登記の目的
  • 受付年月日・受付番号
  • 原因
  • 債権額
  • 利息
  • 損害金
  • 債務者
  • 抵当権者
  • 共同担保

いつ・いくらの債権額で抵当権が設定され、債務者や抵当権者は誰なのかといった情報が記載されています。なお、これらの情報に下線が引かれている場合は、その抵当権はすでに抹消済みという意味です。

抵当権に関する相談先はこちら

抵当権に関する相談は、相続が絡む案件であれば相続診断士に相談することをおすすめします。案件によってとるべき対応や依頼すべき専門家は変わってきますが、相続診断士であれば必要な情報をヒアリングしたうえで、そのケースに適した専門家の紹介が可能です。

その他、登記の専門家である司法書士に直接相談してもよいでしょう。

抵当権に関する問題は複雑である場合が多く、自力でなんとかできるケースはあまりありません。そのため、最初の段階から専門家に相談することをおすすめします。

【無料相談】相続に関するお悩みは相続診断士へ

相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。

本記事で抱えている問題が解決できているのであれば大変光栄なことですが、もしまだもやもやしていたり、具体的な解決方法を個別に相談したい、とのお考えがある場合には、ぜひ相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にご相談することをおすすめします。

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