持っていると便利!法定相続人一覧図とは?メリットを詳しく紹介
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法定相続人一覧図とは?取得するメリットとデメリット
法定相続人一覧図は「法定相続情報一覧図」とも呼ばれており、被相続人の氏名の他に出生日そして死亡した日はいつなのか、その法定相続人の方々の氏名や出生日等を一覧にした書類です。
1. 法定相続人一覧図(2024年法改正対応版)
2024年4月より相続登記が義務化されたことで、法定相続人一覧図(法定相続情報一覧図)の重要性は「持っていると便利」から「スムーズな登記に不可欠な必須ツール」へと変わりました。
2024年法改正による2つの大きな変化
- 相続登記義務化(2024年4月〜): 相続を知った日から3年以内に登記をしないと、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。一覧図があれば、複数の不動産の名義変更も効率的に行えます。
- 戸籍広域交付制度(2024年3月〜): 一覧図の申請に不可欠な「大量の戸籍謄本」が、最寄りの役所1箇所で一括取得できるようになりました。これにより、一覧図作成までの時間が大幅に短縮されています。
法定相続人一覧図の雛形をご紹介します。

法定相続人一覧図の取得申請には被相続人および法定相続人を一覧にした図の作成が必要です。記入内容は法務局の所定の書式に従います。
- 被相続人に関する記入事項:氏名・住所・本籍地・出生日・死亡日
- 相続人に関する記入事項:氏名・住所(任意)・出生日・続柄
この一覧図を作成し法務局に申請すれば、認証後に法定相続人一覧図の発行が可能になります。一覧図の記載方法については法務局のホームページで、わかりやすく解説されていますので、ご確認ください。
法務局の窓口にわざわざ出向かなくても、作成のための用紙をいつでもダウンロードできます。
法定相続人一覧図のメリット
法定相続人一覧図を取得していれば、相続登記申請や相続税申告の際、被相続人・相続人の戸籍謄本等の提出を省略できる点がメリットです。
2. 相続登記義務化を乗り切る!一覧図の圧倒的メリット
義務化された相続登記を期限内に、かつ低コストで完了させるために、一覧図には以下のメリットがあります。
- 登記申請の簡略化: 戸籍謄本の束を何度もコピーし、原本還付の手続きをする手間がなくなります。
- 同時並行で手続きが可能: 一覧図は何枚でも無料で発行できるため、法務局(登記)、銀行(預金解約)、税務署(相続税)への手続きをすべて同時に進められます。
- 過料リスクの回避: 手続きを同時並行させることで、3年という登記期限を余裕を持って守ることができます。
戸籍謄本は本籍地の市区町村役場で取得します(1通450円)。相続人の数によって、提出する戸籍謄本の枚数が非常に多くなってしまい、被相続人や相続人の戸籍謄本がなかなか揃わず、手続きが進まないケースも想定されます。
しかし、法定相続人一覧図があれば戸籍謄本等は不要となり、手続きの時間短縮ができるはずです。また、一覧図の発行は無料なので金銭的な負担も軽減されます。
法定相続人一覧図の利用は相続人が多く、相続手続きを複数回行う必要がある場合、とても便利な方法と言えます。
法定相続人一覧図のデメリット
法定相続人一覧図の取得までに、やや手間がかかる点はデメリットといえます。
法定相続人一覧図の作成を法務局に申し出る場合、被相続人・相続人の戸籍謄本等を一式揃えなければいけません。
この場合には相続人となる方々が、それぞれ必要な書類を手分けして収集することになります。
また、申し出後に一覧図を取得できても金融機関の中には、一覧図の使用を認めないところもあります。被相続人名義の預金払い戻しの際は、預金口座のある金融機関の窓口やホームページ等で、一覧図が利用できるか否かを確認しましょう。
3. 【最短ルート】2024年版・一覧図の申請手順
広域交付制度を活用した、最も効率的な申請フローです。
- 戸籍の一括取得: 最寄りの市区町村窓口で、被相続人の出生から死亡までの戸籍をまとめて請求します(※窓口で顔写真付き身分証の提示が必要です)。
- 一覧図の作成: 法務局の様式に従い、家系図形式で作成します。
- 法務局へ申し出: 作成した図と戸籍一式を法務局へ提出します(手数料無料)。
- 一覧図の交付: 約1週間で、法務局の認証印が入った「法定相続情報一覧図」が交付されます。
✅ 法改正対応・スピード取得チェックリスト
- [ ] 広域交付制度を利用して、1日で全ての戸籍を揃えたか?
- [ ] **相続登記の期限(3年)**を確認し、カレンダーに記録したか?
- [ ] 金融機関や法務局への提出枚数分、一覧図を**多めに(無料)**申請したか?
- [ ] 遺産分割が長引く場合、先に一覧図を作成して相続人申告登記の準備をしたか?
どんな時に法定相続人一覧図は活用できる?
主に法定相続人一覧図は次のようなケースで活用できます。
- 相続登記:法務局窓口で申請
- 相続税の申告:税務署窓口で申請
- 年金手続き:年金事務所または年金相談センターで申請
- 被相続人名義の預金の払い戻し:金融機関窓口で申請(一覧図の利用に対応していない場合あり)
- 有価証券(例:株等)の名義変更:証券会社・信託銀行の窓口(一覧図の利用に対応していない場合あり)
ほとんどの公的な機関では法定相続人一覧図が利用できます。ただし、民間会社の場合はその対応に差があり、相続に関する手続きの際は事前確認が必要です。
法定相続人一覧図の申請手順は?どこで誰がどのように行う?
法定相続人一覧図を利用するには、まず相続人が一覧図を作成し、法務局へ利用を申し出る必要があります。申請手順は次の通りです。
- 法定相続人一覧図(法定相続情報一覧図)を作成する:一覧図の様式・記載例は法務局ホームページ等で確認可能
- 「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」と添付書類を法務局へ提出
- 法定相続人一覧図の交付
申し出を行う法務局は次のいずれかとなります。
- 被相続人の本籍地を管轄する法務局
- 被相続人の最後の住所地を管轄する法務局
- 申出人の住所地を管轄する法務局
- 被相続人名義の不動産所在地を管轄する法務局
最も申し出に都合の良い法務局で手続きを進められます。申し出後5年間は再発行が可能であり、発行手数料は無料です。
ただし、申し出をしてもすぐに一覧図が交付されるわけではなく、取得までには1週間ほどかかります。
その他、代理人を立てて申し出が可能です。代理人は相続人の親族や士業専門家(弁護士、司法書士、社会保険労務士、税理士等)に依頼できます。
なお、士業専門家に代理人となってもらう場合は報酬が発生するので、依頼する前に料金を確認しておきましょう。
法定相続人一覧図の申請に必要な書類は?
法務局に法定相続人一覧図の利用を申し出る場合、法務局窓口やホームページで取得する「法定相続情報一覧図の保管及び交付の申出書」への記入の他、次の書類を準備する必要があります。
(1)被相続人の書類
| 被相続人に関する書類 | 取得方法 |
| 出生から亡くなるまでの連続した戸籍謄本・除籍謄本 | 本籍地の市区町村役場で取得、戸籍謄本は1通450円・除籍謄本は1通750円 |
| 住民票の除票 | 最後の住所地の市区町村役場で取得、1通300円 |
| 戸籍の附票 ※住民票の除票が取得できない場合に準備 | 本籍地の市区町村役場で取得、1通300円 |
(2)相続人に関する書類
| 被相続人に関する書類 | 取得方法 |
| 相続人全員の戸籍謄本 | 本籍地の市区町村役場で取得、1通450円 |
| 各相続人の住民票の写し ※一覧図に相続人の住所を記載する場合は必要 | 住所地の市区町村役場で取得、1通300円 |
| 本人確認書類 | 申出人のみ必要、運転免許証やマイナンバーカード等 |
| 委任状 | 代理人をたてる場合に作成、法務局の窓口等で取得可能 |
法定相続人一覧図の申請は有料?料金と交付までの期間
法務局に利用を申し出る場合は、戸籍謄本や除籍謄本、住民票の除票を準備する必要があるため、それらの書類の手数料を負担します。
一方、申し出の手続き自体には費用がかかりません。また法定相続人一覧図の交付申請も無料です。なお、いずれの場合も郵送で請求する場合は郵送料がかかります。
また、申し出の手続き完了後すぐに法定相続人一覧図を取得できるわけではなく、1週間ほど時間がかかってしまいます。
法定相続人一覧図は被相続人が生前に発行はできる?
被相続人が生きているうちに法定相続人一覧図を作成し、利用を申し出て一覧図が発行されるなら、相続のときスムーズに諸手続きを進められることでしょう。
しかし、一覧図は被相続人が亡くなってから法務局に利用を申し出る必要があります。なぜなら、相続は被相続人の死亡がきっかけで発生するため、被相続人の生前には行えません。
そのため、利用申出の際は被相続人の死亡が確認できる、出生から死亡までの戸籍謄本(除籍謄本)、住民票の除票が必要なのです。
法定相続一覧図と相続関係説明図の違いは?全く別の書類です
法定相続人一覧図(法定相続情報一覧図)と似た書類に「相続関係説明図」があります。それぞれの違いを比較してみましょう。下表をご覧ください。
| 比較 | 法定相続人一覧図 | 相続関係説明図 |
| 作成者 | 相続人が作成 | 相続人が作成 |
| 法務局の認証 | 〇 | × |
| 書式 | 法務局の定める書式に従い作成 | 書式は自由 |
| 書類の効果 | 戸籍謄本等の代わりに提出可能 | 手続きの際は戸籍謄本も合わせて提出するが、戸籍謄本は返してもらえる |
法定相続人一覧図は「法定相続情報証明制度(2017年に開始)」に設けられた相続手続きを簡略化する方法で、作成の際は書式も決まっています。
一方、相続関係説明図は法定相続人一覧図と同様に、被相続人・相続人の関係を一覧にまとめた書面ですが、法務局の認証はなく書式も特に決まっていません。
ただし、相続手続きの際、相続関係説明図と戸籍謄本を窓口に提出すると、戸籍謄本は返還してもらえます(原本還付)。
法定相続人一覧図に関する相談先はこちら
法定相続人一覧図に関しては、代理人として申し出が可能な弁護士や司法書士、行政書士に質問してみましょう。一覧図の作成を希望すれば、その作成も手伝ってくれるはずです。
手続きの際、気になる点があれば法務局の窓口職員へ直接聞いても構いません。
また、法定相続人一覧図をはじめ相続全般の相談をしたいなら「円満相続ラボ」を利用するのも良い方法です。
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