先送りは機会損失!現役世代が悩む「実家じまい」の円滑な進め方について解説!

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遺産相続

Contents

実家じまいはどう進めたら良い? 

まず「実家じまい」とは、住人の入院や施設への入居、相続などで誰も住まなくなったご実家を整理し、売却や有効活用することを指します。

「実家じまい」というと売却や賃貸などの不動産取引をイメージしますが、実際には宅内の片付けや仏壇の供養、お墓、親族間トラブルなど様々な課題への対応が求められます。

団塊の世代の持ち家率は全国で86.2%と非常に高く、団塊ジュニア世代の多くはいつか必ず実家じまいを行うこととなります。また、働く現役世代が課題に直面すると、実家じまいにかける時間が無いとの理由から問題を先送りにしがちです。

家は人が住まなくなると急速に損耗します。例えば相続直後に1,000万円で売れた家も、しばらく放置すると自然災害や、害獣害虫被害を受け、200万円でも売れないという事象は全国至る所で起きています。問題の先送りは所有者本人の機会損失につながります。

親から引き継ぐ大切な資産の価値を損ねないためにも、適切な実家じまいをされる事をお勧めします。

実家じまいをスムーズに進めるため、事前に確認しておくべき7つの事項を解説します。

①家族との話し合いはできているか?

実家じまいを進める上で最も重要なのが、家族全員の意見を尊重し、合意形成を計ることです。実家は家族の思い出が詰まった場所であり、それぞれが異なる感情を持っています。

ポイントは全員が納得できる計画を立て、役割分担を明確にすることです。将来、実家をどうして行くのか目的を明確にし、全員が納得する解決方法を模索しましょう。

②法的手続きの確認

実家じまいを進めるには、法的な手続きがあります。

相続手続きはできているか?
実家が親の名義になっている場合、相続登記が必要です。相続手続きを完了しないと、売却や活用が進められません。不動産の名義変更を忘れずに行いましょう。

③かかる税金の確認

相続時には資産に応じて「相続税」がかかる場合があります。相続財産を明確にし、税金がかかるのか確認しましょう。

④不動産の状態を確認

実家の状態を把握し、適切な対応を検討することが重要です。

建物の劣化状況を調査
長期間放置されている場合、雨漏りや老朽化が進んでいる可能性があります。修繕が必要かどうかを専門家に見てもらい、費用を見積もりましょう。

土地や境界線のトラブルを防ぐ
隣地との境界線が不明確な場合、問題になることがあります。近隣トラブルは不動産の利活用に支障が出ることもあるので、事前に近隣との関係を調べておきましょう。

⑤片付けや処分

実家じまいの中でも大きな労力がかかるのが、家財の整理や処分です。片付けが進まないと家を売ることも貸すこともできません。宅内に残るものの中からご自身で使うもの、保管しておくものを整理しておくことが大切です。写真や手紙など、感情が伴うものは一旦保管しておくのがおすすめです。

⑥感情的な負担をケア

実家じまいは、感情的な負担を伴うことが多いものです。気持ちの整理をしながら進めることが大切です。家族で思い出を共有する時間を持ち、実家じまいの前に家族で写真を撮ったり集まったりして、思い出を共有することもお勧めします。

相続した実家はどうしたらよいの?

実家じまいは先ず不動産を「手放す」か「保有する」のか、考えることからスタートしましょう。その方向性で、行う作業、かかるコストは変わります。

「手放す」ことのメリット

維持管理の負担軽減できる

実家を維持するには、固定資産税や修繕費、光熱費などのランニングコストが発生します。手放すことで、これらの費用を削減できます。

管理の手間を省ける

空き家の管理は思った以上に大変で、定期的な清掃や庭の手入れ、雨漏りや害虫の対策が必要です。これらの負担をなくすことができます

空き家しておくリスクを回避できる

老朽化による危険性の回避ができます。
空き家のまま放置すると建物が劣化し、倒壊や害虫被害のリスクが高まります。手放すことで、こうしたリスクを防ぐことができます。

防犯面のトラブル回避

実家を空き家にすると、空き巣や不法投棄に遭うリスクが高くなります。特に管理がされていない空き家については、注意が必要です。

法律や近隣トラブルの防止

空き家は近隣住民とのトラブルにも発展することがあります。自治体から是正勧告を受ける可能性もあります。適切に処分することで、トラブルを未然に防げます。

売却収入の獲得

実家を売却することで、まとまった資金を得られることもあります。これを別の用途に活用することで、家計や将来設計が豊かになります。

相続税や負債の補填

売却した資金を相続税やその他の支払いに充てることも可能です。

その他のメリット

感情の整理がつき、実家を手放すプロセスを通じて、家族の思い出や過去と向き合い、新たな一歩を踏み出すきっかけになります。また、実家の保有を続ける心理的な負担が軽減されます。

家族への負担を軽減

実家じまいの先送りは後に家族へ負担をかける事になります。所有者がお元気のうちは良いのですが、万が一相続が発生すると、所有権は配偶者や次の世代に引き継がれることになります。早めに対応することで、家族への負担をかけないで済みます。

「保有する」メリット

資産としての価値保持

実家の土地や建物が将来的に値上がりする可能性がある場合、保有し続けることで資産価値を保持できます。特に都市部や開発計画のある地域では、将来的な投資価値が高まることもあります。

相続税対策


売却すると現金化され、相続税の対象になりやすくなりますが、不動産を保有している場合は、評価額が現金より低くなるため、相続税対策になることがあります。

将来的な利用の可能性

家族や親戚が将来利用する可能性がある場合、保有しておけば柔軟に対応できます。例えば、子供世代が住む、セカンドハウスとして利用するなどの選択肢を残せます。

賃貸や活用の計画

将来的にリフォームして賃貸物件にする、または商業利用するなどの活用方法も検討できます。

税制上のメリット

居住用住宅の場合、固定資産税が軽減される場合があります。適切に管理しておけば、この優遇措置を継続的に受けることが可能です。
また、不動産を長期間所有していると、売却時の譲渡所得税が軽減される特例があります。長く持つことで将来の税負担が軽くなる場合もあります。

実家じまいを始めるタイミングはいつがベスト?

家は住む人がいなくなると、急速に損耗します。それは、自然災害だけでなく害虫や害獣が住みつくなど、さまざまな原因が想定されます。

親の介護施設への入居や、親が亡くなり相続が発生した場合は、早めに実家じまいを検討することをお勧めします。実家を使わなくなった直後は、問題意識が高く早めに解決したいと行動を起こしますが、先送りにしてしばらく放置が続くと人は動くのが億劫になり、解決にむけた行動は起きなくなります。更に、庭には草木が生い茂り、損耗して行く実家を見ると更にやる気を削がれ完全放置状態になるのです。

また、家を長年放置しボロボロになった家は、再生させるのにもお金がかかるため、現実的に「壊す」しか選択肢がなくなります。更地にして売却できる地域であれば良いのですが、同様の空き家が点在する地域や売地だらけの地域で更地を増やしても、引き受け手は見つかりません。従って手放すことは困難になり、固定資産税などの維持費を払いながら保有し続けなくてはいけません。

4.実家じまいを失敗しないためのコツと専門家の選び方

実家じまいのために行わなければならない手続きは多岐に渡ります。

売買や賃貸、管理を含む利活用(以下、利活用という)の前にやらねばならない事前準備、そして、実際に不動産の利活用までのコツを解説していきます。

宅内の片付け リユース・リサイクルの活用

宅内に生活品が残置されている状態では、不動産を売ることも、貸すこともできません。

実家じまいの第一歩は片付けになります。親が残した生活品は不要だからと言って、全てゴミとして扱ってしまうと、多額の処分代がかかります。

宅内に古くても使えるものはたくさんあります。リユース・リサイクルを活用することで、ゴミを減らす事をお勧めします。

また、個人宅から排出されるゴミは、一般廃棄物の扱いとなります。産業廃棄物ではありません。廃棄物処理法を遵守し、適切に処分することが大切です。

片付けのコツは、残置物を3つに仕分けます。

ご自身で使うもの 例)貴金属、思い出の品、家具、家電、食器など

片付け業者が入る前に、ある程度はご家族で残すものを仕分けしておくことが大切です。搬出できていなくても、片付け作業員がわかる様に、目印をしておく事が良いでしょう。

持ち出す先が遠方の場合には、引越し業者に依頼することも一つの方法です。

リユース・リサイクルできるもの

高価なブランド品や、貴金属、骨董品以外にも、リユースできるものはたくさんあります。現在は国内のリユースだけでなく、海外に輸出する事業者が増えたので、幅広くリユースができます。ただし、高価な買取品は限られているので、高額な買取査定はあまり期待せず、リユース・リサイクルを活用してゴミを減らす事を目的としましょう。昨今、ゴミの廃棄料が年々高騰しています。捨てるものを減らすだけでも、片付けの費用を抑えることができます。

捨てるもの 例)生ゴミ、スプレー缶、割れた食器など

残置物の状態でリユース・リサイクルできない、廃棄するものは出てきます。

一般廃棄物の収集運搬許可業者を呼びまとめて廃棄することもできますが、コストが割高になってしまうので、地域のゴミの回収を利用することや、クリーンセンターに持ち込むことで、費用を抑えることができます。ただし、廃棄物の量が多いお宅は、乗用車で複数回運んでも、そこまで大きな費用の削減にはつながりません。生ゴミなど放置してはいけないものを優先的に片付け、ある程度の区切りをつけ、専門業者に依頼する事をお勧めします。

業者の選び方

遺品整理に関して、依頼者と業者との間でのトラブルは絶えません。その原因は、請求に関すること、作業の内容、物の窃盗などさまざまです。また、処分費としてお金を支払っているにも関わらず、自宅の生活ゴミで捨ててしまうことや、中には不法投棄し摘発されている業者もいます。その様なトラブルに巻き込まれない様に、下記の3点に注意してください。

  • 資格の有無を確認して、依頼しましょう。

遺品整理業を行うのには特定の資格はありません。しかし、残置物の処分や運搬、リユースにはそれぞれの資格が必要です。また資格が無く操業している業者は、それぞれの業法違反(違法行為)に当たります。事前に資格があるかは最低限確認しましょう。

・廃棄物に関する資格:一般廃棄物の収集運搬許可(市区町村管轄)

・リユース品に関する資格:古物商 (警察管轄)

  • 安い見積もりには要注意!

誰もが片付けにお金をかけたくないので、安い業者に依頼したいという気持ちがあります。しかし、作業を行うためには最低限のコストがかかります。主には人件費、運搬費、処分費です。予め、安い見積もりを出して仕事を受注し、請求時にかかった追加費用を請求する業者は少なくありません。

  • 見積もりの表記に注目

見積もりがすべて1式になっている業者には要注意です。作業員の数(人件費)、運搬費用、処分費は、残置物の量で決まります。また、道が狭く大型のトラックが入れないなど、搬出経路でもその費用は変わります。現地調査はしたけど、物量を測らず、大雑把に1式で金額が表記されている見積もりには要注意です。思った以上にコストがかかったなどの理由で追加費用を請求される場合があります。見積もりの段階から親切丁寧な業者に依頼しましょう。

多店舗展開されている様な企業は、見積りや作業の流れが確立されているのでお薦めです。

また、不動産の活用方法によって片付けの方法が変わります。例えば、建物を解体する場合には木製家具は残置し、建築廃材と一緒に処分すると片付け費用は圧縮できます。

仏壇や神棚の供養

宅内に仏壇や神棚が残り、実家じまいを行えない方もいます。適切な方法で供養し、処分する様にしましょう。

(1) 宗派を確認

仏壇の供養方法は宗派によって多少異なる場合があります。自身の家の宗派を確認し、それに従った供養を行うことが大切です。

(2) 僧侶に依頼する

お寺での供養

菩提寺(家の先祖代々のお墓を管理するお寺)に依頼し、仏壇供養を行ってもらうのが一般的です。供養後、僧侶が「魂抜き(閉眼供養)」という儀式を行い、仏壇を仏様の宿る場所からただの家具に戻します。

自宅での供養の場合は、僧侶に自宅に来てもらい、仏壇の前で供養してもらうことも可能です。

(3) 魂抜き(閉眼供養)

供養の際には「魂抜き」という儀式を行い、仏壇や仏具に宿る仏様や先祖の霊を抜き取る手続きをします。これを行わないまま仏壇を処分するのは避けましょう。

相続登記(被相続人からの名義変更)

実家の相続登記を行わないと、不動産の所有者が故人のままとなり、売却や担保提供ができなくなります。複数の相続人がいる場合、登記を行わないと共有者間でトラブルが発生する可能性があります。2024年の法改正により、相続登記が義務化されました。これにより、相続登記を怠った場合に過料(罰金)が科されることがあります。

相続登記の基本的な流れを解説します。

1. 相続人を確定する

2. 遺産分割協議を行う

遺産分割協議は遺言書の有無で異なります。

○遺言書がある場合
公正証書遺言や自筆証書遺言がある場合、それに基づいて相続登記を進めます。

○遺言書がない場合

相続人全員で話し合い、遺産分割協議書を作成します。この書類は相続登記の際に必要です。

3. 登記に必要な書類を揃える

  • 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡まで)
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 遺産分割協議書(または遺言書)
  • 登記簿謄本(法務局で取得)
  • 固定資産評価証明書(市区町村役場で取得)
  • 相続人全員の印鑑証明書

4. 登記申請を行う

登記申請書の作成は、ご自身でも可能ですが、司法書士への依頼が正確です。申請は不動産が所在する地域を管轄する法務局に行います。

5. 登記費用の支払い

登記は依頼した司法書士報酬の他に、登録免許税が必要です。

実家の土地や不動産を活用する

実家の売却(手放す)

実家の売却を進める時に大切なのは、具体的な計画です。不動産を売却したらそのお金が全て手元に残るわけではありません。例えば、更地で売却する場合には、不動産の仲介手数料の他に、片付け、解体、測量、登記に費用がかかります。

売却の際には不動産を高く売る事を考えがちですが、高く売ればお金が多く残るかというとそうではない事もよくあります。

また、立地条件(交通インフラ、接道要件、近隣の状況など)と建物の状況(築年数、間取り、構造など)をよく把握して、計画を進めないと思い通りに売却できないという事も考えられます。

実家の有効活用(保有する)

活用方法には様々な方法があります。建物を活かす活用法としては一般賃貸、介護や福祉施設、飲食店、オフィス、宿泊施設などへの転用も考えられます。また建物を解体して月極や時間貸し駐車場、借地、太陽光パネル用地などもあります。地域の需要にマッチした活用するのは大前提ですが、共通して言えることとしては収支計画を組んで活用方法を決めることが大切です。例えば、想定家賃が6万円の物件を貸すために300万円のリフォームをかけた場合には、投資回収には4年以上かかることになります。しかも、満室経営が続く前提の話で、途中退去が発生すると回収期間はさらに長くなります。

また、賃貸物件を運用する際には、固定資産税や不動産業者への管理費、修繕積立金などがかかるので収支は更に悪化します。ほとんどの場合、先行投資の負担があるので、よく考え進まなければ、事業の失敗を招くこととなります。

空き家管理

誰も住まない状態のまま適切に管理しないと、様々なトラブルの原因に繋がります。

空き家管理は、放置することで発生するリスクを防ぐために重要なプロセスです。定期的な点検・清掃、防犯対策、保険の見直しを行いながら、売却や活用のタイミングを考えた長期的な計画を立てましょう。また、遠方に住んでいる場合は、管理サービスを利用するのも効果的です。不安がある場合は、専門家や自治体に相談することをおすすめします。

田舎の実家じまいについて

人口の減少や過疎化で、田舎はそもそも不動産の利用者が少ない傾向にあります。

手放したくても引取り手がいなく、手放せない物件は多いです。

近年、一つの手放す手段として有償処分があります。お金を払って不動産を引き取ってもらう方法です。

家族や子供達に将来迷惑をかけたくないと、お金を払ってでも処分する方法を選択する方が増えています。

また、国庫へ帰属するさせる制度も制定されました。

実家じまいにかかる費用

建物の大きさや、立地条件などにもよりますが、

一般的な、築45年、建坪25坪程度の木造2階建の住宅で算出した場合、下記のような費用相場となります。

  • 片付け:目安40~70万円程度。物量や状態にもよる
  • 解体:目安200万円前後。接道条件や重機を入れられるか、地域にもよる
  • 測量:50~100万円。敷地形状や隣接の条件による
  • 登記:20~40万円。不動産の価格、登記の状況による
  • 不動産売買にかかる費用(仲介手数料):売買価格×仲介手数料率3%+60,000円×消費税

実家じまいの成功例


実家だけでなく田畑や契約書のない貸地まで抱えたケース

相談者情報

  • 居住地: 千葉県船橋市
  • 性別・年齢: 50代 男性(Aさん)
  • 相続地: 三重県津市


不動産情報

  • 構造: 木造
  • 築年数: 30年

相談の経緯

遠方にある実家で一人暮らしをしていた母親が亡くなり、Aさんが相続することになりました。しかし、仕事が忙しく、片付けや売却に手がつけられない状況に。全国対応の実家じまい相談サービスがあると知り、相談を依頼しました。

不動産の背景

  • 立地: 海に近い地域で、過疎化が進行し空き家が増加中。
  • 状況: 宅内と敷地内の納屋には多くの残置物が放置された状態でした。
  • 所有不動産: 実家に加え、貸地、駐車場、田畑など約30筆が点在しており、一部の貸地や駐車場には契約書が存在しない状態でした。

出口戦略

Aさんは地元に戻る予定がないため、すべての不動産を売却することを選択しました。

  • 自宅と駐車場: 地元企業が購入
  • 田んぼ: 隣地所有者との交渉により売却

実務の進行

地元の専門家と連携し、以下の手続きが進められました。

自宅の片付け

  • 動産買取: 本や電化製品 → 動産買取業者
  • 仏壇供養: 寺社(住職)
  • 残置物整理: 遺品整理業者
  • 廃棄物処分: 廃棄物処理業者

不動産の売却

  • 売買契約: 不動産会社が担当
  • 土地測量: 土地家屋調査士が実施
  • 所有権移転登記: 司法書士が対応
  • 農地転用手続き: 行政書士が処理

まとめ

遠方での実家じまいは、複数の専門家との連携が重要です。Aさんのケースでは、地元の専門家と協力することで、片付けや不動産売却がスムーズに進みました。このような包括的なサポートを活用することで、負担を軽減しながら実家じまいを成功させることが可能です。



共同相続した実家をスピーディーに売却したケース

相談者情報

  • 居住地: 愛知県名古屋市
  • 性別・年齢: 60代 男性(Bさん)
  • 相続地: 広島県広島市


不動産情報

  • 構造: 木造
  • 築年数: 45年

相談の経緯

Bさんは母方の実家を福岡に住む次男と共同相続しました。しかし、遠方でお互い仕事を抱えており、実家の片付けや売却に手がつけられない状況に。全国対応の実家じまい相談サービスを知り、相談を依頼しました。

不動産の背景

  • 管理状態: 母親が直前まで住んでいたため、比較的良好。
  • 地域のリスク: 広島では近年、豪雨災害が多発しており、そのまま放置していくことに不安を感じていました。

出口戦略

母親の一周忌後に不動産を売却することを決定。

  • 解体・売却方法: 自宅建物を解体し、建売用地としてハウスメーカーが購入。
  • ポイント: 早期売却を目指して地元の専門家と連携しスムーズに進行。

実務の進行

各専門家と連携し、以下の手続きを実施しました。

自宅の片付け

  • 動産買取: 本や電化製品 → 動産買取業者
  • 仏壇供養: 寺社(住職)
  • 残置物整理: 遺品整理業者
  • 廃棄物処分: 廃棄物処理業者

不動産の売却

  • 売買契約: 不動産会社が担当
  • 土地測量: 土地家屋調査士が実施
  • 所有権移転登記: 司法書士が対応

まとめ

遠方に住む兄弟が共同で相続したケースでは、スピーディーな売却と効率的な手続きが求められます。Bさんの事例では、地元の専門家との連携を活用し、短期間で実家じまいを成功させました。同様の状況に直面している方は、専門的なサポートを受けることで負担を軽減しつつ、安心して進めることが可能です。

相続した実家を賃貸物件として運用したケース

相談者情報

  • 居住地: 愛知県名古屋市
  • 性別・年齢: 50代 男性(Cさん)
  • 相続地: 愛知県津島市


不動産情報

  • 構造: 木造
  • 築年数: 40年

相談の経緯

Cさんは母親が亡くなったことにより実家を相続しました。しかし、すでに名古屋市内に自宅があるため、実家の活用方法に悩んでいたところ、紹介を受けて相談することにしました。「賃貸物件として貸せないか」という考えがあり、具体的な運用方法を模索する中で専門家に依頼しました。

不動産の背景

  • 立地: 住宅地にあり、周辺にはスーパーや病院など生活利便施設が整っている住環境の良い場所。
  • 地域特性: 名古屋への人口転出が続いており、地域全体の需要は限られている状況。

出口戦略

通常の賃貸運用ではなく、特定の用途(障がい者グループホーム)を想定することで、賃料を相場の2倍に引き上げることに成功しました。また、リフォームや消防工事を含むプロセス全体を専門家と連携して効率的に進行させました。

  • 活用方法: 不動産を修繕し、賃貸物件として運用することを決定。
  • 賃料: 通常の戸建賃貸物件では月10万円前後の賃料相場のところ、障がい者グループホームにすることでリフォーム工事費は発生しましたが、約2倍の賃料で契約成立。

実務の進行

地元の専門家と連携し、以下の手続きを実施しました。
※自宅の片付けについてはCさん自身で対応。障がい者グループホームへの提案および交渉は担当コンサルタントが対応しました。

不動産の賃貸

  • 賃貸借契約: 不動産会社が担当
  • リフォーム工事: 工務店が対応。障がい者グループホームとしての仕様に改修
  • 消防工事: 消防基準を満たすための工事を工事業者が実施

まとめ

相続した実家を賃貸物件として活用する場合、用途やターゲットを工夫することで収益性を向上させることができます。Cさんのケースでは、障がい者グループホームという特定用途での活用が大きな成果を生みました。地域の需要や特性を考慮しつつ、専門家のサポートを受けることで、実家じまいを効率的かつ収益性の高いものにすることが可能です。

失敗しない専門家の選び方

実家の売却を考える時、建物をそのままの状態で売却するのか、建物を解体して更地で売却するかで、手順は変わります。例えば、建物は残す場合は不動産業者の領域で、建物を解体する場合はハウスメーカーの領域になります。

不動産会社を経由し、ハウスメーカーに引き渡すと本来手元に残るはずだったお金が減ってしまう可能性があります。不動産の選択肢から業者を決める事をお勧めします。

また、業者を選ぶ際、単に不動産業者(宅建業)といっても、それぞれの強み、弱みがあります。戸建ての売買に強い会社、マンションの売買に強い会社、不動産仲介のみ行っている会社、店舗などの商業不動産に強い会社など様々です。また、不動産の立地や価格によって、対応してくれない場合もあります。ご自身の実家じまいにマッチした、親切丁寧な専門家を探すことが大切です。

まとめ 円満に実家じまいを終わらせるコツ

実家じまいを行うには煩雑な手続きが伴います。

何らかの理由で問題を先送りにする事は、所有者ご本人の機会損失に繋がります。

屋根、壁がしっかりしている選択肢が多いうちに、具体的な実家じまいの計画と行動をおこなってください。これは、いつか必ず誰かがやらなければいけないことです。

実家じまいは感情的にも労力的にも大変ですが、家族との話し合いや計画的な進行、専門家のサポートを活用することで円満に進めることができます。焦らず、慎重に進めることを心がけましょう。 人生において幾度もない大きな決断をする時です。不安や疑問があれば、さらに具体的なアドバイスをお手伝いします!

【無料相談】相続に関するお悩みは相続診断士へ

相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。

本記事で抱えている問題が解決できているのであれば大変光栄なことですが、もしまだもやもやしていたり、具体的な解決方法を個別に相談したい、とのお考えがある場合には、ぜひ相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にご相談することをおすすめします。

本サイト「円満相続ラボ」では、相続診断士に無料で相談できる窓口を用意しております。お気軽にご相談ください

この記事を書いたのは…

金石 成俊

株式会社RICS 代表取締役

金石 成俊(かねいし なりとし)

私たちは、実家じまいから日本の不動産の売り方、買い方を変えたいと言うビジョンの基、宅建業や建築業をあえて持たないという新しい切り口で、全国の実家じまいをサポートしています。所有者が抱えるお悩みは、不動産の活用だけではなく、宅内の片付けや仏壇、お墓の事、登記の問題、距離が遠い、時間がない、親族間で揉めているなど様々です。私達は大手企業や自治体と連携し、所有者の相談を集め抱える課題を中立的に解決するワンストップサービスを提供しています。

サイトURL:https://rics.co.jp/

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