30代で終活を始めるメリットや具体的なステップを解説!成功させるポイントや注意点とは?
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終活の基本と30代で始める意義
ここでは、終活の基本と、なぜ30代で終活を始めた方がいいのかについて解説します。
終活とは何か
「終活」とは、自分に残された時間を意識し、充実した人生を送るための活動です。最期を迎えるために行うべき活動は、それぞれの立場や年齢、家族構成、資産等によっても異なります。
例えば、自分の財産を誰に譲るのかよく考え書面化する、老人ホームへの入所等を検討する、亡くなった場合に連絡してほしい人をリストアップする、要らない物を処分する等、現状や将来を踏まえ様々な活動が考えられます。
なお、それ以外にも自分が楽しく人生を送るため、現在から老後に向けたライフプランをたてるのも終活の一部です。
30代で終活するのは早い?
終活は定年退職したり、高齢となったりした方々だけが行う活動ではありません。30代でも終活に関心を持つ人は多いです。
30代で終活に関心を持つ人は約半数
30代で終活を検討している人も多く、楽天インサイト株式会社の調査では48.4%の人が関心を持っています(出典楽天インサイト株式会社「終活に関する調査」)。
同調査では30代の方々が終活へ関心を持った理由について、次のようなランク付けがなされています。
終活へ関心を持った理由 | 30代男性 | 30代女性 |
---|---|---|
1位 | 家族に迷惑をかけたくなかったから:62.2% | 家族に迷惑をかけたくなかったから:71.6% |
2位 | 自分の人生の棚卸し・整理をしたいから:31.1% | 自分の人生の棚卸し・整理をしたいから:28.4% |
3位 | 後になにも残したくないから:20.0% | 病気や怪我、老化などで寝たきりになった場合に備えるため:23.9% |
30代で終活をはじめるタイミング
30代での終活は、ライフスタイルの変化したタイミングで検討した方が良いでしょう。例えば次のようなタイミングが考えられます。
- 仕事で責任のある職務に就いた
- 昇給した
- 結婚した
- 子供ができた 等
このような変化の時期は、これまでの人生を振り返り、今後の人生をどう送るかよく考える良い機会といえます。
なぜ30代で終活を始めるのか?
30代で終活を始める大きな理由は、以下の2点です。
ライフスタイルの変化に対応する
終活を通じて、自分が本当に大切にしたいものや優先すべきことを見つめ直すきっかけにもなります。ライフスタイルが変わるたびに、その都度自分の価値観や目標を確認することで、より充実した人生を築くための具体的なプランを作成できます。
終活は人生の終わりだけでなく、今をより豊かに生きるためのツールでもあります。30代で始めることで、これからの人生を全体的に捉え、よりバランスの取れた選択ができるようになります。
人生設計の見直しができる
30代は、結婚や出産、マイホームの購入、転職など、さまざまなライフイベントが続く時期です。このような変化の中で終活を始めることは、将来に向けた人生設計の見直しに役立ちます。30代のうちに終活を意識することで、自分の人生を最後まで見通しやすくなり、これから起こりうる出来事にも冷静に対応できます。
30代における終活のメリットと効果
30代における終活のメリットはたくさんあります。その効果とともに解説します。
終活がもたらすメリット
30代で終活をはじめるメリットは主に次の6点があげられます。
自分の人生と向き合うきっかけとなる
30代は仕事をバリバリとこなしていく世代といえますが、時には少し立ち止まって、今後の人生について考える機会が得られます。
例えば子供が大きくなって進学する度、どの程度の資産が必要で、どのように貯蓄すれば、教育費も家族の生活費も十分に賄えるのかが検討できるはずです。
年齢が若い世代にとって終活は、自分の老後や亡くなった際の対応を考えるだけではなく、自分と家族のトータル的なライフプランを検討できるという利点があります。
万一の事態が起きた場合に備えられる
自分が不運な事故や病気等で意識不明の状態となり、家族が今後の治療方法を選択しなければならないケースも想定されます。その選択には迷いや苦痛が伴うかもしれません。
そこで事前に自分の希望を伝えておけば、決断を迫られる家族の負担も軽減できるはずです。例えば脳死等の深刻な状態となったとき、延命治療を希望するのか、それとも尊厳死を選択するのか、前もって明確にしておけば、家族もその判断に従って対応できます。
その他、親と一緒に終活を考えるきっかけともなるでしょう。家族間で今後についてコミュニケーションを図れば、自分の希望はもちろん親の希望も自然に把握できます。
早期準備でライフプランが明確化
30代は、キャリアや家庭においてさまざまな大切な選択を迫られる時期です。このタイミングで終活を始めると、将来に対する漠然とした不安を具体的な計画に変えることができます。
例えば、マイホームの購入を考えている場合、ただ「家を買いたい」という希望だけでなく、老後の暮らしまで見据えて選択ができます。「広い庭付きの家を選ぶと、年を重ねたときの手入れが大変かもしれない」とか「将来、介護が必要になったときにバリアフリーにしやすい設計かどうか」といった長期的な視点で物件を選べるようになります。
将来のビジョンがはっきりすれば、今取るべき行動も見えてきます。このように早い段階でライフプランを明確にすることで、30代や40代をより充実させることができるのです。
家族への負担を軽減できる
若いうちから終活を始めることで、将来の家族への負担を大幅に軽減することができます。人生の最後を迎える際、財産や不動産の相続で家族がもめるケースは少なくありません。しかし、30代のうちからしっかりと計画を立てておけば、こうしたトラブルを未然に防ぐことができます。
例えば、不動産の相続に関しては、どのように分割するか、誰に譲るのかなどをあらかじめ明確にしておくことで、家族間での誤解や対立を避けることができます。また、エンディングノートを作成し、自分の希望や資産状況、保険の内容などをまとめておくと、家族が困ることなくスムーズに手続きを進められます。
これらの準備を早めに行うことで、家族が将来直面するかもしれない精神的な負担や時間的な負担を大幅に減らすことができます。自分がいなくなった後でも家族が安心して過ごせるようにするためには、30代から終活に取り組むことが非常に有効です。
断捨離による身の回りの整理
自分の死後、残された物の整理は家族にとって大きな負担になることが多いです。たくさんの物があると、その処分や整理に時間と手間がかかり、家族の心労も増えてしまいます。
若いうちから少しずつ物の整理を始めておくことで、自分にとって本当に必要な物だけを残すことができます。使わなくなった物や思い出の品を見直し、誰かに譲ったり、リサイクルしたりすることで、シンプルで快適な生活空間を作ることができます。さらに、物の持ちすぎを見直すことによって、今後の買い物の仕方やお金の使い方についても考え直す良い機会となります。
人生の目標設定とポジティブな視点
30代で終活を始めると、人生をより前向きに過ごすための大切な目標設定ができます。自分の死を意識することで、今の時間をどう有意義に過ごすかを真剣に考えるきっかけとなり、これからの人生をより豊かにしようという前向きな気持ちが生まれます。
例えば、終活の一環として「これからやりたいことリスト」を作ってみるのも良いでしょう。自分が本当にやりたいことを書き出すことで、今後の人生に対するワクワク感が生まれ、年を重ねることが楽しみになります。
終活を通じて人生の目標を設定することで、今を大切に生きると同時に、将来に対するポジティブな視点を持つことができます。終活は、人生の終わりを見つめるだけでなく、新たな希望や楽しみを見つけるための大切なプロセスです。
30代で取り組むべき終活の具体的なステップ
30代で終活を始めたくても、何から始めれば良いか悩む人も多いはずです。終活を始める場合、まず「エンディングノート」を作成し、自分の希望や財産の情報等をリストアップ、その後の活動へつなげた方が良いでしょう。
終活の主要タスク
終活の主要タスクは、以下の5つです。
エンディングノートの作成
自分はどんなことに不安を感じているのか、自分の資産はどれくらいか、万一の事態が起きたとき誰に連絡してもらいたいか等、様々な内容をまず整理する必要があるでしょう。
その際に利用するのが「エンディングノート」です。自分の基本的な情報はもちろん、預貯金の額や口座情報・支払い情報、友人の連絡先や、自分が亡くなった場合の希望等を整理して記載します。
様々な内容を記録しておけば自分はもちろん、家族もエンディングノートを参考にして、行動を起こせるはずです。
資産を把握し、資産形成を行う
30代の場合、まだまだまとまった貯蓄があるわけではなく、家族の生活費・子供の養育費で手一杯な人が多いかもしれません。
まずはエンディングノートを作成した際にチェックした預金、他の資産の状況を把握し、どのように資産形成を進めればよいかについて検討しましょう。
資産形成には現在の給与等の収入の他、次のような方法が考えられます。
- 普通預金から利息の高い定期預金で貯蓄を開始
- 貯蓄型の生命保険(終身保険・養老保険・個人年金保険等)へ加入し、積み立て開始
- 株式投資・投資信託等で資産運用
ただし、株式投資や投資信託は国内・海外市場の動向により、大きな損失を被るリスクもあります。資産形成をする場合、自分にはどんな金融商品・保険が向いているか、慎重に判断する必要があります。
デジタルデータの管理・スリム化する
現在ではインターネットを介した様々なサービスが提供されています。30代の方々も保有しているデジタルデータは多いはずです。
このような情報もエンディングノートでまとめます。具体的にはIDやパスワードの他、契約しているインターネットの口座、SNSのアカウント、定期課金サービス、サブスクの利用状況等を明記します。
その際に、自分があまり利用してないデジタルデータもあることに気付くはずです。エンディングノートでリストアップした内容を参考に、不要なものは解約し整理しておきましょう。
物品と人間関係の断捨離
断捨離というと、多くの人は物を処分することを思い浮かべますが、実はそれだけではありません。断捨離には、持ち物だけでなく人間関係を見直すという意味も含まれています。終活では、今後使う見込みのない物を整理し、必要なものだけを残すことで、もしもの時に家族の負担を減らすことができます。
不要な物を減らすことで、シンプルで調和の取れた生活を実現するのが断捨離の基本的な考え方です。しかし、この考え方は物品に限らず、人間関係にも適用できます。
人間関係の断捨離を行う場合、いくつかの方法があります。例えば、環境を変えることで新しい出会いを求める、SNSの情報を遮断して自分のペースを取り戻す、あるいは過去の思い出を整理して新たなスタートを切るなどです。ただし、一度関係をリセットしてしまうと元に戻すのは難しいため、慎重な判断が必要です。
このように、断捨離は物だけでなく、生活全般を見直すための有効な方法です。身の回りを整理するだけでなく、人間関係もシンプルにすることで、より充実した日々を過ごすことができるでしょう。
緊急時対応リストの作成
緊急時に備えて、ペットの世話や家族のケア、各種料金の支払いなど、自分に代わって対応してほしいことをリストアップしておくことが重要です。これらの内容をエンディングノートにまとめておくことで、万が一のときに家族や友人がスムーズに対応できます。
具体的には、まず「何をしてほしいのか」を明確にします。例えば、ペットの世話については、「毎日何時に餌をあげる」「散歩の頻度はどれくらいか」などの詳細を記載します。また、家族のケアに関しては、「子どもの送り迎えを誰に頼むか」「家族の連絡先一覧」などをリストアップしておくとよいでしょう。
次に、それぞれの項目について「誰に依頼するか」を決めます。信頼できる家族や友人、近所の人など、具体的な名前を書いておくと、周囲の人が戸惑わずに行動できます。そして、「どのように依頼するか」も重要です。連絡手段や依頼の際の注意点などを明記しておけば、スムーズな対応が可能になります。
30代以降で終活に必要なこととは?
30代で最期を迎える準備のための活動が終えられるわけではありません。40代・50代・60代になったとき進めるべき活動もいろいろと存在します。
エンディングノートを更新する
30代のときエンディングノートを作成しても、その後の事情の変化で内容を修正・追加した方が良いケースもあるはずです。
例えば、資産形成がうまくいっていて貯蓄額も増えた、マイホームを購入した、子供が一人増えた等、様々な変化をエンディングノートに反映させましょう。
エンディングノートに修正・追加すれば、新たな課題の発見や今後どんな終活を行うべきかがわかるはずです。
エンディングノートをパソコンで作成するならMacBookのレンタルも便利です。
遺品整理をする
特に60代以降ならば、若い頃に購入した衣類や家財道具が残っているかもしれません。自分が亡くなった後は、遺族が遺品整理を行うケースもあるはずです。この遺品の数によってはかなりの重労働となるでしょう。
そこで、自分が健康なうちから不要な衣類・食器・家財道具等は処分することをおすすめします。まずは必要な物と不要な物を分けてリサイクル店に売却したり、廃棄したりして、徐々に持ち物を減らしていきましょう。
葬儀やお墓を考える
自分が高齢になった場合、葬儀内容やお墓をどうするかも検討しておきましょう。葬儀は遺族に全て任せるのではなく、自分が元気なうちに葬儀社と相談し、大まかな葬儀の内容や見積もり等の確認が可能です。
また、本人の存命中に葬式の施行を葬儀社へ予約もできます(生前予約)。生前予約をしたら、エンディングノートにその事実を記載したり、前もって遺族へその内容を伝えておきましょう。
一方、お墓の場合は先祖代々のお墓があり、特定の寺院の檀家になっているなら、そこに埋葬するようエンディングノートへ明記します。
ただし、先祖代々のお墓がない場合や、新しくお墓を建てたい場合はお墓選びを開始しましょう。
30代での終活を成功させるためのポイント
30代での終活を成功させるためには、いくつかポイントがあります。
終活を進める際のコツ
終活を進める際のコツは、以下の3つです。
家族やパートナーとのコミュニケーション
30代で終活を進める際の重要なポイントは、家族やパートナーとのしっかりとしたコミュニケーションです。まず、終活を始める前に、関連する情報をきちんと収集し、具体的にどんな準備が必要かを把握しましょう。自分が何を考え、どのように進めたいのかを理解することで、スムーズな行動が可能になります。
次に、家族やパートナーと話し合いの場を持ちましょう。終活について話すのは少し勇気がいるかもしれませんが、自分の意向を伝えることや家族の意見を聞くことはとても大切です。この過程を通じて、家族の理解を得ることができ、協力をお願いしやすくなります。終活は自分だけの問題ではなく、家族全体の将来に関わることなので、共通の理解を持つことが成功のカギとなります。
また、パートナーや友人とも終活について話しておくことで、緊急時にどのように対応してもらいたいか、サポートしてもらえる部分などを共有することができます。こうしたコミュニケーションを通じて、終活に対する不安を減らし、前向きに取り組むことができるでしょう。
定期的な見直しと更新
エンディングノートは、自分の死後に必要な手続きや希望を家族に伝えるために作るものです。これを用意しておくことで、残された家族や親族に余計な負担をかけずに、自分の意向をしっかりと伝えられます。
内容には、葬儀の希望や財産の取り扱い、また連絡してほしい人のリストなどを記載します。ただし、状況や体調の変化によって希望が変わることもあります。例えば、財産の状況が変わったり、介護が必要になったりすることも考えられます。そのため、一度作ったエンディングノートも定期的に見直して更新しておくことが大切です。
この見直しの必要性は遺言書にも当てはまります。遺言書は法的効力があるため、一度書いた内容が変わった場合には、速やかに修正する必要があります。定期的にノートや遺言書の内容を確認し、最新の状況に合わせてアップデートすることで、いざというときに自分の意思が確実に反映されるようにしておきましょう。
専門家のアドバイスを受ける
終活を進める際、市区町村が提供する相談窓口や無料の終活イベントを利用すると良いでしょう。これらのサービスでは、終活の始め方や具体的な進め方について学べるだけでなく、同じような悩みを持つ人たちと情報を共有する機会もあります。専門家からのアドバイスを受けることで、自分だけでは気づかなかった重要なポイントを知ることができ、よりスムーズに終活を進めることができます。
また、遺言書に関しては専門的な知識が必要になるため、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士に相談すれば、法律の専門家として適切なアドバイスを受けられ、遺言書の内容を法的にしっかりとサポートしてもらえます。これにより、自分の意思が確実に実現され、後々のトラブルを防ぐことができます。
専門家の力を借りることで、終活を安心して進めることができ、自分や家族にとってベストな準備を整えることが可能になります。
30代の独身・既婚で異なる終活のアプローチ
30代の終活は、結婚しているかどうかで大きくアプローチが変わります。
独身者の終活の特徴と注意点
30代の独身の方は、自由な生活を楽しむ一方で将来への不安も感じているかもしれません。独身だからこそ、今から考えておくべき終活のポイントがあります。
緊急連絡先と身元引受人の指定
独身の場合、緊急時に誰が対応するかをあらかじめ決めておくことが重要です。既婚者なら配偶者が自然にその役割を担いますが、独身の方は意識して信頼できる家族や友人を選び、了承を得ておく必要があります。特に一人暮らしの方は、近所の人や友人に「連絡が取れない場合は様子を見に来てほしい」といったルールを作っておくのも有効です。
相続対策と遺言書
独身者は、法定相続人が親や兄弟姉妹となるため、相続で思わぬトラブルが起こる可能性があります。
早めに相続について考え、財産目録を作成したり、遺言書を用意したりしておくことが重要です。例えば、ペットの世話を誰にお願いするか、そのための資金をどうするかなども遺言に含めておくと安心です。資産がある方や不動産を所有している方は、専門家に相談してしっかりと計画を立てましょう。
独身の方の終活は、自分の意思を明確に残すことが特に大切です。今から準備しておくことで、将来の不安を軽減し、より自由で安心した生活を送ることができます。
既婚者の終活の特徴と注意点
既婚者や子育て中の方は、毎日の忙しさで将来のことを考える時間がなかなか取れないかもしれません。しかし、家族がいるからこそ、終活にしっかり取り組むことが大切です。
配偶者との将来設計の共有
まず、配偶者と将来のライフプランを話し合いましょう。理想の老後の過ごし方や、住まいの希望、親の介護についてなど、早めにお互いの考えを共有しておくことで、将来のすれ違いや混乱を防ぐことができます。
意見の違いがあれば、それを話し合って解決策を見つけておくと良いでしょう。また、親の介護についても、「施設を利用するか自宅でケアするか」などの具体的な方針を決めておくと安心です。
子どものための準備
次に、子どもの未来を考えた終活も重要です。教育資金の準備や、成人後の生活支援について計画を立てましょう。具体的な目標があれば、そのための資金計画を立てておくと良いです。また、万が一の時に備えて、子どもの後見人を決めておくことも重要です。信頼できる親族や友人と事前に相談し、必要なら書面で残しておくと安心です。
相続対策
最後に、相続対策を考えておくことも忘れないでください。不動産や貯金などの財産を公平に分配する方法を考えておくことで、将来のトラブルを防ぐことができます。例えば、「長男には会社を、長女には不動産を」といった具体的なプランを立てておくと、家族間の摩擦を減らすことができます。
終活に関するその他の考慮事項
終活に関しては、今まで述べてきたことのほかにも、さらに考慮事項があります。
医療・介護の希望を明確にする
30代のうちに、医療や介護に対する希望を話し合うことはとても重要です。早い段階から話し合っておくと、いざという時にスムーズに対応できます。
リビングウィルの作成
リビングウィルとは、本人が希望する医療や介護について記した文書です。両親と話し合い、例えば「人工呼吸器を使うか」「心肺蘇生を行うか」などの希望をまとめておきましょう。法的な拘束力はありませんが、医療現場で尊重されます。診察券や保険証、かかりつけ医の連絡先も一緒に整理しておくと緊急時に役立ちます。
延命治療について話し合う
延命治療の希望についても、しっかりと話し合っておくことが大切です。「意識不明の状態が続いた場合、延命治療をどれくらいの期間続けるか」「苦痛を伴う治療と穏やかに過ごすこと、どちらを選ぶか」といった質問から話し合いを始めてみましょう。この対話は一度で結論を出すものではなく、時間をかけて行うことが大切です。
医療や介護の話題は重く感じるかもしれませんが、自分の意思を伝え、家族の絆を深めるために必要なステップです。今のうちに話し合いの時間を作っておきましょう。
相続や遺産に関する準備
自分の持つ資産の総額や相続人の人数によっては、相続税が発生することがあります。相続税は相続した人が現金で支払う必要があるため、事前に対策を考えておかないと、相続人に大きな負担をかけてしまう可能性があります。そこで、適切な相続対策を行うことが大切です。
まず、自分の資産をリストアップし、どれくらいの額になるかを把握しておくことが重要です。不動産、現金、預貯金、株式など、すべての資産をまとめておくと良いでしょう。これにより、相続税の対象となるかどうかが分かり、必要な対策を検討できます。
相続税対策としては、終身保険の活用が有効です。終身保険に加入することで、保険金を相続人に渡すことができ、一定の非課税枠を利用することが可能です。これにより、相続税の負担を軽減することができます。保険金の受取人を誰にするか、どのような形で受け取らせるかを考えておくことがポイントです。
また、生前贈与も相続税対策として考えられます。生前に一定額を贈与することで、相続時の課税対象を減らすことができます。贈与税の非課税枠をうまく活用し、計画的に資産を分配しておくと、相続人の負担を減らせます。
相続は意外と複雑
30代の方々の場合、これから新たな家族も増えるはずです。そのため、相続について少しずつでも勉強しておいた方が良いでしょう。
自分の財産(例:貯蓄額等)や資産運用(例:保険の積み立て等)がどうなっているか、定期的にチェックするのは大切です。しかし、その増やしてきた財産を相続させる際に家族間でトラブルが発生しては一大事です。
残された家族(相続人)が遺産分割で争わないような工夫や、自分の意思を反映しつつ相続人全てが納得できる遺言書の作成等を検討しておきましょう。
分からないことは専門家に相談しよう
終活を進める際、相続に関する疑問点・不明点が出てくるかもしれません。そんな時は「円満相続ラボ」を利用しましょう。円満相続ラボでは「相続診断士」の紹介を無料でサポートしてくれます。
相続診断士は相続全般に深い知識を有する専門資格者なので、相続の悩みに適切なアドバイスが期待できます。
【無料相談】相続に関するお悩みは相続診断士へ
相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。
本記事で抱えている問題が解決できているのであれば大変光栄なことですが、もしまだもやもやしていたり、具体的な解決方法を個別に相談したい、とのお考えがある場合には、ぜひ相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にご相談することをおすすめします。
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この記事を監修したのは…
弁護士・ライター
中澤 泉(なかざわ いずみ)
弁護士事務所にて債務整理、交通事故、離婚、相続といった幅広い分野の案件を担当した後、メーカーの法務部で企業法務の経験を積んでまいりました。
事務所勤務時にはウェブサイトの立ち上げにも従事し、現在は法律分野を中心にフリーランスのライター・編集者として活動しています。
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