成年後見人や被後見人の住所変更時の対応とは?手順や必要書類を解説!
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成年後見人や成年被後見人の住所変更に対する許可は必要?家庭裁判所に住所変更の許可が必要なケースとは
成年後見人(被後見人の支援をする人)および成年被後見人(支援を受ける人)の住所を変更する場合、いずれも家庭裁判所の許可は不要です。ただし、住所を変更した後には必ず家庭裁判所へ連絡し、住民票等を提出し、東京法務局に登記事項変更の登記申請を行います。
この手続きは次の変更があった場合に必要です。
・成年後見人:氏名や住所が変更になった
・成年被後見人:氏名や本籍、住所が変更になった
ただし、住所変更の際に被後見人の居住用不動産を処分(売買・取り壊し・賃貸に出す・抵当権を設定する等)する必要がある場合、事前に家庭裁判所へ「居住用不動産処分許可」を申し立て、その許可を得なければいけません。家庭裁判所の許可を得ずに処分すると、その処分行為は無効となります。
成年後見人や成年被後見人の住所変更手続きに必要な書類と方法とは
成年後見人や成年被後見人の住所が変わった場合は、事後に家庭裁判所へ報告し手続きを進めていきます。ここでは住所変更の流れ、提出の際に必要な書類を解説します。
住所変更の流れ
家庭裁判所への連絡から、東京法務局での登記事項変更の申請・登記完了まで10日程度かかります。なお、変更登記の完了後、東京法務局からの連絡はありません。
新住所での登記事項証明書が必要であると感じたら、変更登記の申請書と共に登記事項証明申請書を同封すれば、変更登記の完了後に新しい証明書が取得できます。
住所変更をした後、次のような手順で手続きを進めます。
1.成年後見人や成年被後見人の住所が変わった場合、家庭裁判所に連絡票、住民票または戸籍附票等を添付し報告する。
2.住所が変わった事実は成年後見の登記事項の変更にあたるので、成年後見人は登記事項変更の登記申請に必要な書類を収集する。その後、東京法務局に登記事項変更の登記申請書や添付書類を持参または郵送、オンラインで申請手続きを行う。
家庭裁判所への連絡
市区町村窓口から引っ越し(転居)先の新しい住民票を受け取った後、成年後見人が家庭裁判所へ報告書等を提出します。手数料は無料です。
連絡票は家庭裁判所の窓口で取得でき、成年後見人や成年被後見人の住所・連絡先が変更になった旨を明記します。その他、主に次の変更の事実を記入します。
・新しい住所
・新しい電話番号
また、ケース毎に添付する書類は異なります。
(1)住民票上の住所を変更するだけの場合→住民票のみ添付が必要
成年被後見人は同じ介護施設へ入居することに変わりないが、親族の実家に住民票を置いていたため、親族が引っ越したことで、被後見人本人の住民票も新たな住所に移動したケース等が挙げられます。
(2)住民票上の住所の他に実際の居住地も変わった場合→住民票や契約書、重要事項説明書等が必要
成年被後見人が親族の実家に住民票を置いていたものの、医療機関へ長期入院し退院に伴い、新たに介護サービス付きのシニア専用集合住宅等と賃貸借契約後、入居したケース等が挙げられます。
この場合、連絡票・住民票に加え必要な提出書類は次の通りです。
・建物賃貸借契約書(写し)
・重要事項証明書(写し)
・個人情報使用同意書(写し)
登記申請に必要書類を収集し申請する
家庭裁判所に連絡票等を提出し報告した後には、東京法務局に登記事項を変更する申請が必要なため、必要書類を収集します。
登記手数料自体は無料で、東京法務局窓口持参または郵送等で手続きを進めます。提出書類は上記で収集した書類に加えて次の通りです。
・登記申請書(変更の登記):用紙は東京法務局ホームページまたは窓口で取得
・住民票の写し:市区町村役場で取得(手数料300円程度)
・申請者本人確認書類:申請する成年後見人は運転免許証またはパスポート等を提示
・委任状:成年後見人以外が申請する場合に必要
なお、オンライン申請も可能です。その際には登記・供託オンライン申請システムを利用します。こちらは申請・請求をインターネットやLGWAN(総合行政ネットワーク)・政府共通ネットワークを利用して行う仕組みです。
この登記・供託オンライン申請システムにて、オンライン専用の申請書様式に必要事項を入力後、電子署名をして申請情報を作成し、添付情報や電子証明書と併せて送信します。
【登記・供託オンライン申請システム】
https://www.touki-kyoutaku-online.moj.go.jp/whats/what_top.html
委任状について
住所変更に関する手続きは原則として成年後見人が行います。しかし、何らかの理由で他の人に手続きを頼む必要が出てくる場合はあります。そのような場合には代理人をたてて申請しても構いません。
申請の際は、成年後見人の代理人であることを証明する必要があります。次の書類を準備しましょう。
・委任状:各申請先で用意している書類または自作でも提出可能
・受任者の本人確認書類:委任された人の運転免許証またはパスポート等
・委任者の印鑑登録証明書:実印を押印した場合
委任状は各申請先で用意している書類に必要事項を記入した方が無難です。もし、自作で対応する場合は手書きでも構いませんが、次の事項は必ず記載しておきましょう。
・紙面の上部に「委任状」と明記
・代理人の氏名・住所
・委任した旨を明記:「〇〇〇〇(氏名)を代理人と定め、次の権限を委任する。」等と記入する
・権限を明記:「成年被後見人〇〇〇〇(氏名)の登記事項証明書1通の申請及び受領に関する一切の権限」等と記入
・委任した年月日
・委任者の氏名・住所・押印(シャチハタ以外)
成年後見人や成年被後見人の住所変更をしなかったらどうなる?
成年後見人や成年被後見人の住所変更を放置していたからといって、重い罰則が適用されるわけではありません。
しかし、成年後見人は家庭裁判所の監督下にあります。そのため、原則として1年に1回は家庭裁判所に定期報告する義務があり、裁判所からの成年後見に関する質問、書類の提出を命じられた場合は随時応じる必要があります。
その際に、住所変更等の報告や適切な手続きをしていないと、家庭裁判所から定期報告の際に指摘を受ける場合があり、ずさんな管理等が常態化していると判断されたら解任されてしまう事態もあり得ます。
被後見人の住所変更の際に気をつけるべきこととは
住所変更を行う際、家族の都合でやむを得ないことだとしても次の2点に注意して進める必要があります。
成年被後見人が引っ越す場合の注意点
成年後見人はともかく、成年被後見人が認知症患者や精神障害を患う人の場合、施設の移転、引っ越し等による居住環境の変化が与える影響はとても大きいと考えられます。
現在は被後見人の精神が安定してるものの、環境の変化で精神的に不安定となる可能性もあります。このようなリスクをよく検討し、利用している介護施設等の担当者に相談したり、家族とよく話し合ったりして引っ越し等をするべきか否かを慎重に判断することが必要となります。
登記事項変更の登記申請は東京法務局のみ
円滑に住所変更が行われ、家庭裁判所にも報告したら変更の登記を行います。しかし、新たな住居の近くに地方法務局があっても、東京法務局以外の法務局では申請できません。
ただし、わざわざ東京法務局まで持参しなくても郵送等で登記申請が可能です。東京法務局のホームページで申請書類や申請方法を確認し、手続きを進めていきましょう。
申請書類のダウンロード・相談先をご紹介!
成年後見に関する相談先は多く、各介護施設の担当者へ相談する他、各地方自治体でも対応しています。また、厚生労働省では成年後見制度に関する「権利擁護相談窓口」を設けています。
ホームページ「成年後見はやわかり」では相談窓口を気軽に検索でき、お住いの市区町村の健康福祉課、各権利擁護センター(成年後見総合センターや成年後見支援センターという名称が多い)の情報を取得できます。
相談の受付日・時間が明記されているので、その情報を参考に電話等で問い合わせ、相談の機会を設けてみましょう。
その他、東京法務局のホームページでは成年後見の手続き等に関する情報や、申請書類がダウンロードできます。ホームページを確認し、申請の準備を進めていきましょう。
【東京法務局 登記の申請】
https://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/page000467.html
特に成年被後見人が引っ越し等を行う場合は、その精神的負担も十分に考慮しましょう。介護の専門家や成年後見の相談窓口の担当者に相談し、アドバイスを参考にしつつ、慎重な手続きを進めることが大切です。
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相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。
本記事で抱えている問題が解決できているのであれば大変光栄なことですが、もしまだもやもやしていたり、具体的な解決方法を個別に相談したい、とのお考えがある場合には、ぜひ相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にご相談することをおすすめします。
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