事業承継ファンドとは?仕組みや選び方・活用事例をご紹介!

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終活

事業承継を考えている方必見!どのような方法がある?

事業承継の方法は大きく分けて3種類あります。

・親族内承継:現経営者の親族に後継者となり得る人がいた場合、その人に承継する。

・役員・従業員承継:親族ではないが社内に有能な人材がいた場合、その人に承継する。

・社外に引き継ぐ:M&Aや事業承継ファンド等を利用し、社外の第三者に承継する。

社内に適任者がいない場合は、社外で事業承継してもらう会社を探します。その際に活用する方法の一つが「事業承継ファンド」です。

事業承継ファンドとは?概要や種類をチェック!

事業承継ファンドは事業承継を希望する中小企業の現経営者に対し、ファンドの有するノウハウ・資金を用いてサポートするサービスです。

ファンドでは投資家から資金を集め、その資金を元手に自社の株式を買い取り、経営支援までしてくれるので、後継者不在に悩む中小企業の経営者から注目される手法となっています。

事業承継ファンドは、公的機関や民間も含め大きく分けて4種類のファンドがあります。

・中小機構事業承継ファンド:独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営し、中小機構がファンド組成額50%・金融機関が50%を出資する仕組み。

・日本投資ファンド:日本M&Aセンター・日本政策投資銀行が折半で出資したファンド。

・SBI地域事業承継ファンド:SBI地域事業承継投資で設立、中堅・中小規模はもちろん小規模案件にも対応。

・プライベートエクイティファンド:民間の事業承継ファンドで主に資金運用で国内金融機関が拠出したお金を利用し、投資活動を行う。

事業承継ファンドの仕組みとは?M&Aとの違いも詳しく解説!

事業承継ファンドを活用する場合、基本的にファンドへまず問い合わせ、株式の譲渡契約・売却、ファンドの経営支援を受けていくことになります。

事業承継ファンドの仕組み

公的機関・民間の事業承継ファンドでは、それぞれ採用するスキームが異なります。

公的機関である中小機構のファンドの場合、ファンドの資金を使い企業に投資した後、事業承継を必要とする中小企業の支援策について実施し、存続・企業価値の向上を図るのが目的です。

一方、金融機関や民間企業がファンドならば中小企業を買収し、必要な支援策や企業価値の向上を図っていきます。

M&Aと事業承継の違い

事業承継をM&Aで進める場合、後継者候補の第三者(企業)を社外から幅広く探索できます。また、買い手企業との交渉次第では事業承継ファンドのように、売り手である自社の文化・理念・ノウハウの承継も期待できるはずです。

しかし、買い手側は売り手の文化・理念の尊重というより、経営の多角化に加え、売り手側の優秀な人材確保・技術・ノウハウの獲得を目的に、M&Aを行っているケースが多いことでしょう。

そのため、自社が培ってきた理念、経営者の意向等が必ず承継されるとは限りません。

一方、事業承継ファンドの場合は、基本的に自社の文化・理念・ノウハウをなるべく残す形で進められ、その上で新規事業の開拓・人材育成・資金援助等、多種多様なサポートにより企業価値の向上を図ります。

どんな会社に事業承継ファンドが向いている?どんな時に有効なのかも解説!

事業承継ファンドは自社に後継者がいないときに頼れる存在ですが、その他にも有効な活用が期待できます。

会社の存続をサポートしてもらいたい

事業承継ファンドは最終的に後継者へ引き継がせる目的で、様々なサポートを行います。自社に後継者がいないときは資金を支援して、優秀な人材を他から呼ぶことが可能です。

その他、親族に後継者候補はいるものの、まだまだ経験が足りないというケースもあるでしょう。この場合は一時的に事業承継ファンドへ経営を任せ、その間に後継者を育成・経験を積ませ、最終的に事業を引き継がせる活用法も検討できます。

経営再建もサポートしてもらいたい

たとえ自社に独自の技術力や人気が出そうな商品・サービスを有していても、販路の開拓がうまく進まず有益な取引先もいないため、業績がなかなか伸びない場合があるでしょう。

しかし、事業承継ファンドを活用すれば後継者対策ばかりではなく、ファンドの培ったノウハウ・ネットワークによる販路拡大、事業資金の調達が期待できます。ファンドを利用した経営再建による企業価値の向上も図れます。

事業承継ファンドのメリットとデメリットとは

事業承継ファンドは、自社の独立性を維持し承継や企業価値の向上が期待できる反面、自社に合ったファンドでないと改善が難しい場合もあります。

事業承継ファンドのメリット

主に次の2点が事業承継ファンドを活用するメリットです。

自社の独立性を保ち事業承継が可能

事業承継ファンドを活用する場合、M&Aのように買い手側との統合や経営権が掌握されてしまうケースはありません。

自社の企業文化を守り、従業員の雇用・顧客との取引を継続できます。その上で、ファンドの経験豊富な視点から、自社の改善ポイントの指摘やアドバイスが受けられます。

そのため、事業承継ファンドのサポートの下で、自社の承継問題の解決はもちろん経営再建による更なる成長が期待できるはずです。

外部から有能な人材を受け入れることも可能

事業承継ファンドのサポートを得れば、企業経営の経験を有する人材、太いネットワークをもつ有能な人材を集め、経営陣として受け入れを行うことができます。

社内で後継者が見つからない場合には、経営陣の中から後継者候補として選ぶことができます。優秀な人材を招き、経営強化や後継者選びを円滑に進められるはずです。

事業承継ファンドのデメリット

事業承継ファンドは、どんな会社でも利用できるわけではなく、財務状況が非常に悪い場合、支援を断られてしまう可能性があります。

なぜなら利益を出すことがファンドの目的であり、改善の見込みがないと支援計画の策定は非常に困難となるからです。

また、ファンドごとに培ってきた経験・ノウハウ・ネットワークに違いがあり、自社に合った事業承継ファンドを選ばないと、十分な効果を期待できない場合があります。

事業承継ファンドによる事業承継の流れや事業承継ファンドの選び方を解説!

事業承継ファンドを活用する手順や、自社に合ったファンドを選ぶコツについてみてみましょう。

事業承継ファンドの活用手順

概ね次のような流れで手続きやサポートを受けていきます。

1.現経営者が事業承継ファンドに問い合わせ

2.事業承継ファンドの担当者と秘密保持契約を締結、財務状況等を開示

3.基本合意書を締結

4.自社の意向を伝えつつ、経営状況・財務状況の調査を受ける(デューデリジェンス)

5.調査結果を加味し、ファンドの担当者と調整

6.最終的な株式譲渡契約を締結

7.ファンドへ保有株式を売却

8.事業承継ファンドの経営支援開始、後継者の選定や育成、企業価値評価を上げる

自社に合ったファンドを選ぶコツ

現経営者が事業承継ファンドに問い合わせをした際、または最初に担当者と面談時、以下の3つポイントを確認しましょう。

・自社の希望と似た事業承継を行った経験があるか

・具体的な支援内容・計画が自社に合っているか

・ファンド担当者の人柄

自社の希望を聴かずにファンド側から全く予想外の支援策が提示されたり、支援計画に納得いかない場合は、別のファンドを探した方が無難です。

また、ファンド担当者が自社の希望を真摯に聴いてくれて、希望に沿った支援策を計画・実行してくれる人か、話し合いの中で見定める必要があります。

事業承継ファンドの活用事例をご紹介!

こちらでは実際の活用事例をみてみましょう。

事業承継の成功事例

事業承継・事業基盤の強化の2つをクリアしたケースです。

・利用企業:株式会社コミュニティセンター(主にマンションの管理人・清掃員・コンシェルジュの代行業務を行う会社)

・利用ファンド:日本プライベートエクイティ株式会社

(1)抱えていた課題

社内で後継者が見つからず事業もやや停滞しており、優秀な人材を後継者として迎え、同時に事業の活性化も図る目的でファンドの活用を決断しました。

(2)成果

日本プライベートエクイティは今後の市場の伸び、需要も考慮し投資を実行しました。支援者として複数の金融機関の参加により会社の信用度を上げ、外部から経営に適した人材を招き、新しい社長による経営が行われています。

成長支援の成功事例

本格的な成長を図るため、中小機構ファンドを利用し成功したケースです。

・利用企業:株式会社Zehitomo(顧客獲得プラットフォームの企画・開発・運営)

・利用ファンド:中小機構ファンド

(1)抱えていた課題

オンライン顧客獲得プラットフォーム「Zehitomo」を主軸とした経営の更なる拡大のため、ファンドの活用で潤沢な資金確保を目指しました。

(2)成果

中小機構の出資する組合・中小機構ファンド経由で、合計5.5億円の資金調達を得ました。その成果が実り、顧客獲得プラットフォーム「Zehitomo」は中小企業・個人事業主を中心に登録数5万以上、1週間に1,000件以上の仕事が依頼されるほど急激な成長を遂げています。

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