相続・遺産分割調停でかかる弁護士費用の内訳と相場、誰が払うのかを解説!

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遺産相続

遺産分割調停とは?費用はかかる?

遺産分割調停とは、相続人の間で遺産分割協議を行っても話がまとまらなかった場合、家庭裁判所に申し立て解決を図る方法です。

調停では裁判官(家事審判官)・調停委員で組織される調停委員会が、当事者双方の主張・希望を聴いて、アドバイスや解決策を提案し、遺産分割の話し合いを進めていきます。

遺産分割調停にはいろいろな費用がかかります。主に想定される費用は下表の通りです。

諸費用内容
遺産分割調停の申立費用申立手数料、予納郵券
必要書類を収集するための費用戸籍謄本等、登記事項証明書・固定資産評価証明書、残高証明書・取引明細書等
不動産鑑定費用被相続人の土地・建物が遺産分割の対象の場合
士業専門家へ依頼した場合の費用弁護士費用(相談料・着手金・報酬金・実費・日当)、司法書士費用(申立書類の収集・作成代行)

遺産分割調停の申立費用の他、どのような遺産があるのか、士業専門家への依頼の有無で、かかる費用に差が出てきます。

遺産分割調停の申立にかかる費用はどのくらい?

遺産分割調停を申し立てる場合は申立手数料、予納郵券(郵便切手)が必要です。ただし、申立費用自体はそれほど高額になりません。

申立費用金額
申立手数料収入印紙1200円分
予納郵券(郵便切手)相続人1人につき700円程度

郵便切手は連絡用に使用します。郵便切手の費用は裁判所ごとに異なっていますが、相続人が5.6人いたとしても数千円程度に収まるはずです。

遺産分割調停で必要な書類を収集するのにかかる費用

家庭裁判所に提出する書類は被相続人の他、相続人全員の戸籍謄本や住民票、遺産に関する証明書等が必要です。

申立費用金額
戸籍謄本等・戸籍謄本(被相続人・相続人全員):1通450円(本籍地の市区町村役場で取得)
・除籍謄本・改製原戸籍:1通750円(本籍地の市区町村役場で取得)
※除籍謄本・改製原戸籍は次のような場合に必要
・除籍謄本:戸籍に記載されている人が死亡等で全員いなくなった場合
・改製原戸籍:戸籍簿の様式変更前の戸籍が必要な場合
住民票または戸籍附票相続人全員がいずれかを取得する
・住民票:1通200円~300円(お住いの市区町村役場等で取得)
・戸籍附票:1通300円(本籍地の市区町村役場で取得)
遺産に関する証明書被相続人の残した財産にもよるが、証明書の手数料は次の通り
・残高証明書:無料の場合が多い(口座を開設していた金融機関で取得)
・不動産登記事項証明書:1通480円~600円(法務局で取得)
・固定資産評価証明書:1通300円(不動産がある市区町村役場で取得)

相続人が何人いるのか、遺産にはどんな種類があるのかで、かなり費用負担は変わってきます。必要書類を収集するための費用は数万円に上る場合もあるでしょう。

遺産分割調停で不動産鑑定を行う場合の相場は?どんな時に行う?

遺産分割の際、被相続人の残した不動産の評価額に争いがある場合、正確な鑑定が必要となります。鑑定は素人が行うのではなく「不動産鑑定士」という不動産鑑定評価の専門資格を有する人が実施しなければいけません。

例えば鑑定評価額が5,000万円以下の場合、概ね次のような鑑定費用となります。

不動産資産金額(目安)
土地(更地の場合)約20万円~30万円
建物約20万円~30万円
土地・建物セット約25万円~60万円
マンション約30万円~60万円

不動産資産がどれくらいあるのか、建物の規模や土地の広さ等でも鑑定費用は異なってきます。

遺産分割調停の弁護士など専門家費用の内訳と相場

遺産分割調停において士業専門家へ依頼するかどうかは当事者次第です。しかし、依頼をすれば適切なアドバイス、調停委員への効果的な主張が期待できます。

弁護士をたてる場合

弁護士は依頼者のために調停のアドバイスや書類の作成・申立、調停の際に同席し主張する等、トータル的なサポートを行います。費用は相談料・着手金・報酬金・実費・日当がそれぞれかかります。

相談料・実費・日当の目安

いずれの費用も弁護士事務所ごとに、自由に設定が可能です。

相談料・実費・日当金額(目安)
相談料30分5,000円~
※ただし、無料で対応する弁護士事務所もある
実費10,000円~50,000円程度
日当1日50,000円程度
※ただし、出張がなければ不要

着手金の目安

着手金とは、弁護士に遺産分割調停を依頼する際、結果がうまくいっても・うまくいかなくても、それに関係なく支払うお金です。こちらも弁護士事務所ごとに、自由に設定が可能です。

ただし「(旧)弁護士報酬基準」を参考に、着手金額を設定している事務所も多いです。下表をご覧ください。

経済的利益(相続する財産の規模)の額金額(目安)
~300万円8%(ただし、最低額10万円)
300万円超~3,000万円5%+90,000円
3,000万円超~3億円5%+690,000円
3億円超~5%+3,690,000円
※金額は税抜

相続する財産の規模で着手金額は違ってきます。なお、遺産分割調停の場合は相続に争いがある遺産、相続に争いがない遺産で、経済的利益の額が異なります。

例えば、自分が相続を主張する遺産1,200万円分のうち、遺産600万円分については他の相続人で争いがあり、残りの600万円分には争いがない場合、次のように算定されます。

  • 争いがある遺産600万円分:経済的利益600万円
  • 争いがない遺産600万円分:経済的利益200万円(1/3に減額)

よって経済的利益は「600万円+200万円=800万円」です。

経済的利益800万円なので「5%+90,000円」に該当し

800万円×5%+90,000円=130,000円

着手金は13万円となります。

報酬の目安

弁護士に支払う成功報酬について解説します。不成功ならば支払いは不要となります。こちらも弁護士事務所ごとに報酬が設定されています。

着手金と同様「(旧)弁護士報酬基準」を参考に、報酬金額を設定している事務所も多いです。下表をご覧ください。

経済的利益(相続する財産の規模)の額金額(目安)
~300万円16%
300万円超~3,000万円10%+180,000円
3,000万円超~3億円6%+1,380,000円
3億円超~4%+7,380,000円
※金額は税抜

着手金と同じく、遺産分割調停の場合は相続に争いがある遺産、相続に争いがない遺産で、経済的利益の額が異なります。

例えば、自分が相続を主張する遺産1,200万円分のうち、遺産600万円分については他の相続人で争いがあり、残りの600万円分には争いがない場合、次のように算定されます。

  • 争いがある遺産600万円分:経済的利益600万円
  • 争いがない遺産600万円分:経済的利益200万円(1/3に減額)

よって経済的利益は「600万円+200万円=800万円」です。

経済的利益800万円なので「10%+180,000円」に該当し

800万円×10%+180,000円=260,000円

報酬は26万円となります。

司法書士に依頼する場合

遺産分割調停の手続きを進めるにあたって、司法書士へも依頼が可能です。

ただし、次のサポートに限定されます。

  • 遺産分割調停申立書の作成
  • 提出書類の収集

司法書士への費用は概ね約10万円〜30万円です。

遺産分割調停を利用するのに最低限必要な費用はどれくらい?

弁護士や司法書士のような士業専門家に依頼しない場合、調停の当事者の数・必要書類の数にもよりますが、基本的に数万円はかかるでしょう。

また、弁護士等に依頼したくても費用を抑えたい場合は、「日本司法支援センター(法テラス)」を利用しましょう。

このセンターは経済的に余裕のない方々を対象として、遺産分割に関する悩みを相談できます。一定の条件を満たすと、弁護士・司法書士費用を立替えてもらえる制度があります(民事法律扶助)。この制度を利用すれば、毎月1万円程度からの分割払いが可能です。

なお、民事法律扶助を利用しなくても、依頼した弁護士や司法書士が個別に分割払いで対応してくれる場合もあります。士業専門家へ依頼する前に、費用についてもよく相談しておけば安心です。

費用が払えない場合は?困ったときは相続診断士へ相談しよう!

遺産分割調停に関する費用が払えるか不安な場合、事前に日本司法支援センター(法テラス)や、弁護士や司法書士に相談しても構いません。

また、遺産分割調停をはじめとした相続の悩みについては「円満相続ラボ」を利用するのも良い方法です。

円満相続ラボでは、様々な相続の悩みに答えてくれる「相続診断士」を無料で紹介しています。相続診断士は相続全般に深い知識を有しており、的確なアドバイスを行ってくれるはずです。

【無料相談】相続に関するお悩みは相続診断士へ

相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。

本記事で抱えている問題が解決できているのであれば大変光栄なことですが、もしまだもやもやしていたり、具体的な解決方法を個別に相談したい、とのお考えがある場合には、ぜひ相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にご相談することをおすすめします。

本サイト「円満相続ラボ」では、相続診断士に無料で相談できる窓口を用意しております。お気軽にご相談ください

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