相続登記のオンライン申請は自分でできる?手順や必要書類、注意点を解説!
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相続登記とは何?不動産相続の際に必要な手続きです
相続登記とは何なのか、そして相続登記が”不動産相続の際に必要な手続き”であることについて見てみましょう。
相続登記とは何?
相続登記とは、相続による所有権移転登記のことで、つまり土地や建物の所有者が亡くなった場合に、その土地や建物の名義を、亡くなった方から遺産を引き継いだ方(相続人)に変更する手続きのことです。
このように、相続登記は不動産相続の際に必要な手続きなのです。
しかし現時点では、相続登記は必ずすべき手続きとはなっていませんが、相続登記を義務化する改正法はすでに成立しており、令和6(2024)年4月1日から施行されることになっています。
改正法施行後は、正当な理由がないのに、不動産の相続を知ってから3年以内に相続登記の申請をしなかった場合、10万円以下の過料が科される可能性があります。
相続登記をするにはどんな方法がある?オンライン申請も可能です
相続登記をするにはどんな方法があるのでしょうか。
相続登記をする際の方法
平成15(2003)年までの登記申請は書面主義に限られ、原則として申請を行う際は法務局に出向いて申請書を提出する”窓口出頭主義”でした。これが後述する「窓口申請」になります。
その後、改正不動産登記法が平成17(2005)年3月7日から施行され、後述する郵送申請とオンライン申請が可能となりました。
相続登記をする際の方法には下記の3つがあります。
①法務局の窓口に持ち込んで申請する方法(以下「窓口申請」という)
②法務局に郵送して申請する方法(以下「郵送申請」という)
③オンラインで申請する方法(以下「オンライン申請」という)
以下で、一つずつ見てみましょう。
窓口申請
窓口申請は、不動産(土地・建物)の所在地を管轄する法務局(以下本記事でいう「法務局」あるいは「登記所」は、いずれも「不動産の所在地を管轄する法務局」を意味する)の窓口に直接持ち込んで申請する方法です。
登記申請の受付時間は、平日の8:30~17:15までです。登記申請はこの時間内にしなければなりません。
窓口申請の場合、登録免許税と戸籍謄本等の取得費用がかかります。
登録免許税の納付方法は、現金納付又は収入印紙による納付になります。
現金納付は、次のように行います。
①最寄りの税務署や金融機関で登録免許税額に相当する現金を納付して、領収証書を発行してもらいます。
②申請用総合ソフトの「処理状況表示」画面の「アクション」のメニューから「登録免許税納付用紙の印刷(不動産)」をクリックして、納付用紙を印刷します。
③印刷された「登録免許税納付用紙」に申請人の住所・氏名、受付年月日・受付番号、登録免許税を記載します。
④印刷された「登録免許税納付用紙」の印紙等貼付欄に領収証書を貼付し、同用紙を法務局の窓口に持参又は送付して提出します。
収入印紙による納付は、登録免許税額に相当する収入印紙を購入し、その印紙を上述した「登録免許税納付用紙」の印紙等貼付欄に貼付し、同用紙を法務局の窓口に持参又は送付して提出します。
郵送申請
郵送申請は、法務局に郵送して申請する方法です。
郵送申請の場合は、郵便が到着した日が申請日になります。
郵送申請の場合も、登録免許税と戸籍謄本等の取得費用がかかります。
登録免許税の納付方法は、上述した現金納付又は収入印紙による納付になります。
オンライン申請
オンライン申請は、インターネットを利用して法務局に申請する方法です。
オンライン申請の利用時間は、平日の8:30~21:00まで(国民の祝日、休日、12月29日~1月3日までの年末年始を除く。以下これらの日を「閉庁日」という)です。ただし、登記申請の受付時間は8:30~17:15までで、17:15を過ぎて申請情報が送信された場合は、申請情報を送信した日の翌日(翌業務日)に受付がされます。
オンライン申請の場合も、登録免許税と戸籍謄本等の取得費用がかかります。
登録免許税の納付方法は、現金納付、収入印紙による納付又は電子納付になります。
現金納付及び収入印紙による納付方法は、上述したとおりです。
電子納付は、インターネットバンキング、モバイルバンキング又は電子納付対応のATMを利用して登録免許税を納付する方法です。その方法の詳細は、後述するとおりです。
なお、電子納付する場合の納付期限は、申請情報が登記・供託オンライン申請システムに到着した日の翌日から起算して1日間(閉庁日を除く)となります。例えば、申請情報が金曜日に登記・供託オンライン申請システムに到着した場合は、月曜日から起算して1日目の当該月曜日の終了時が納付期限となります。
上述した相続登記の3つの申請方法を比較してみましょう。
登記申請の方法 | 窓口申請 | 郵送申請 | オンライン申請 |
申請書の提出 | 持参 | 郵送 | オンライン |
添付書類の提出 | 持参 | 郵送 | 持参又は郵送 |
登録免許税の納付方法 | 現金納付又は収入印紙による納付 | 現金納付又は収入印紙による納付 | 現金納付、収入印紙による納付又は電子納付 |
申請書等の修正 | 持参又は郵送 | 郵送 | オンライン |
処理状況の確認 | 法務局に問い合わせ | 法務局に問い合わせ | オンラインで確認可 |
相続登記をオンライン申請で行うメリット・デメリット、オンライン申請対象外の場合
相続登記をオンライン申請で行うメリット・デメリットは何か、またオンライン申請の対象外となる場合について見てみましょう。
オンライン申請のメリット
オンライン申請のメリットは、以下のとおりです。
①法務局に出向く必要がなく、自宅やオフィスなどどこからでも相続登記を申請することができ、時間と費用を節約することが可能であること。
②平日の8:30~21:00まで(閉庁日を除く)申請することができること。
③申請情報や添付情報に不備があっても、オンラインで訂正することができること。
④登録免許税の納付は、収入印紙を用意する必要がなく、インターネットバイキングなどを利用して電子納付で済ませることが可能であること。
⑤相続登記の処理状況をオンラインで確認することができること。
オンライン申請のデメリット
オンライン申請のデメリットは、以下のとおりです。
①インターネット環境を整え、申請用総合ソフトをインストールしなければならないこと。
②戸籍謄本や遺産分割協議書などの必要書類は、法務局に持参又は郵送する必要があること。
③マイナンバーカード(電子証明書入り)やICカードリーダなど電子署名を利用するための準備に手間がかかること。
オンライン申請の対象外となる場合
オンライン申請の対象外となる場合は、以下のとおりです。
不動産登記規則附則3条1項ただし書に規定する「電子情報処理組織による取扱いに適合しない登記簿」(いわゆる「改製不適合の登記簿」)についての登記申請は、オンライン申請をすることができません。
改製不適合の登記簿は、業界用語で「事故簿」と呼ばれるもので、電子化ができないため、未だに簿冊の中に眠っている登記事項のことです。
その例としては下記が挙げられます。
①同一の不動産について、数個の登記がある場合あるいは二重に登記されている場合
②登記されている文字に判読できない文字がある場合
③所有者の記載がされていない場合
④共有持分が記載されていない場合
⑤共有持分を全部合計しても1にならない場合
⑥建物登記で旧所在が記載されている場合
これらの事故簿は、紙の簿冊で管理されています。
オンライン申請を可能にするためには、登記簿を電子化する必要があります。
したがって、事故簿の不動産の登記申請は、オンライン申請では受け付けてもらえません。
以上のように、事故簿はオンライン申請の対象外となります。
相続登記を自分でオンライン申請する際の必要書類とは
相続登記を自分でオンライン申請する際の必要書類とは何かを見てみましょう。
そして、必要書類のほか、オンライン申請で準備しておくべきことには、以下に示すような場合があります。
必要書類の準備
オンライン申請で一般的に必要な書類とその取得先は、次のとおりです。
必要書類 | 取得先 |
被相続人の出生から亡くなるまでの戸除籍謄本、改製原戸籍等 | 被相続人の本籍地の市区町村役場 |
被相続人の住民票の除票(戸籍の附票) | 被相続人の最後の住所地の市区町村役場(被相続人の本籍地の市区町村役場) |
相続人全員の戸籍謄抄本 | 各相続人の本籍地の市区町村役場 |
不動産を取得する相続人の住民票記載事項証明書(住民票の写し) | 相続人の住所地の市区町村役場 |
相続人全員の印鑑証明書(遺産分割協議書がある場合) | 各相続人の住所地の市区町村役場 |
遺言書(遺言書がある場合) | 公証役場(公正証書遺言、秘密証書遺言)、法務局(遺言書保管制度を利用した自筆証書遺言に係る遺言書)、自宅(各種の遺言) |
遺産分割協議書(遺言書がなく、遺産分割協議書がある場合) | 相続人全員で作成 |
固定資産評価証明書 | 不動産所在地の市区町村役場 |
※なお、必要書類ではないものの、オンライン申請では不動産の情報を正確に記載する必要があるため、相続登記の目的となっている「不動産の全部事項証明書」を取得しておきましょう。
必要な道具等の準備
必要な道具等の準備は、以下のとおりです。
①パソコンやスマートフォンの用意
オンライン申請するためには、パソコンやスマートフォンの用意が必要で、次のような環境が求められます。
− パソコンの場合
CPU | 800MHz以上推奨 |
メモリ | 1GB以上推奨 |
ディスプレイサイズ | 1024×768以上推奨 |
ハードディスク | 300MB以上の空き容量(必須) |
OS | Windows8.1の場合:Internet Explorer11 Windows10の場合:Internet Explorer11、 Google Chrome |
※パソコンのOSは、Windows8.1又は10が推奨されています。
− スマートフォンの場合
バージョン | iPhoneの場合:14.1 Androidの場合:10 |
ブラウザ | iPhoneの場合:Safari Androidの場合:Google Chrome |
②マイナンバーカード(署名用電子証明書入り)及びICカードリーダの用意
オンライン申請するためには、申請情報や添付情報への電子署名の付与と電子証明書の添付が必要です。そのため、マイナンバーカード(署名用電子証明書入り)及びICカードリーダの用意も必要となります。
マイナンバーカードを持っていない場合には、住所地の市区町村役場で手続きをしてマイナンバーカードの交付を受けましょう。
また、マイナンバーカードに対応したICカードリーダが必要です。ICカードリーダは、家電量販店やインターネット通販などで購入することができます。
相続関係説明図の作成
相続関係説明図とは、被相続人の相続関係を家系図のような形で相続人が作成するものです。
相続人が相続関係説明図を作成し、これをスキャナで読み取った情報(PDFファイル)を添付情報として後述する申請情報に添付して送信すれば、登記原因証明情報を提供したことになりますので、戸籍謄本等の束や遺産分割協議書などをスキャナで取り込んで署名付与を行う手間を省くことができます。
「法定相続情報一覧図の写し」の取得
法定相続情報証明制度を利用して、法務局に戸除籍謄本等の束とともに、相続関係を一覧に表した図(法定相続情報一覧図)を提出し、登記官からその一覧図に認証文を付した写しの交付を受ければ、戸除籍謄本等の束の代わりに「法定相続情報一覧図の写し」を相続登記の申請手続きに利用することができます。
相続登記のオンライン申請を自分で行う手順とは?
相続登記のオンライン申請を自分で行う手順について見てみましょう。
相続登記をオンライン申請する際の手順の流れは、おおむね以下のとおりです。
1.必要書類・道具の取得
相続登記の必要書類・道具の取得は、上述したとおりです。
2.オンライン申請に必要な事前準備(ID/PWの登録)
オンライン申請に必要な事前準備は、以下のとおりです。
①「登記・供託オンライン申請システム」のトップページの「申請者情報登録」をクリックします。
②利用規約の内容を確認し「同意する」をクリックします。
③「申請者情報新規入力」画面で、画面に沿って完了まで必要項目の入力等を行います。
④申請者情報の登録を完了させ、申請者ID及びパスワードを取得します。
⑤「登記・供託オンライン申請システム」のトップページの画面上部の「ダウンロード(ソフトウェア)(操作手引書)」をクリックします。
⑥「ダウンロード(ソフトウェア・操作手引書)」画面で、ソフトウェアのダウンロードメニューから「申請用総合ソフト」をクリックします。
⑦「ソフトウェアのダウンロード」画面で、申請用総合ソフトの「ダウンロード」をクリックすると「ShinseiyoSogoSoft.application」が実行されます。
⑧申請用総合ソフトのインストールを確認します。
⑨「スタート」メニュー、又はデスクトップのショートカットから「申請用総合ソフト」を起動します。
⑩「申請者情報登録」の際に登録した申請者ID及びパスワードを入力し「OK」をクリックします。
3.申請情報の作成
申請情報の作成は、以下のとおりです。
①申請用総合ソフトの「処理状況表示」画面の「申請書作成」をクリックします。
②「申請様式一覧選択」画面が表示されるので「不動産登記申請書」メニューの中から「登記申請書(権利に関する登記)【署名要】」を選択し、さらに「登記申請書(権利に関する登記)⑷所有権移転(相続)【署名要】」を選択して「選択」をクリックします。
なお「相続登記」のメニューはないので注意しましょう。
③「登記申請書(権利に関する登記)⑷所有権移転(相続)【署名要】」が表示されたら、登記の目的、原因、原因の日付(被相続人が死亡した日)、不動産を相続した相続人などの申請書の情報、添付情報及び申請書の各項目について入力します。
④「申請書作成・編集」画面で「添付情報」欄に申請情報に添付して提供する登記原因証明情報及び住所証明情報を入力します。
⑤各添付情報のうち、書面で法務局に提出する情報については「登記原因証明情報(特例)」「住所証明情報(特例)」のように、名称の後に(特例)と入力します。
登記原因証明情報には、戸除籍謄本等の束や遺産分割協議書などが該当します。また、住所証明情報は、不動産を取得する相続人の住民票記載事項証明書(住民票の写し)となります。
また、添付情報(書面)の提出方法が、法務局に持参するか又は書留郵便等で送付するか決定している場合は「登記原因証明情報(持参)又は(送付)」「住所証明情報(持参)又は(送付)」と入力します。
そして、戸除籍謄本等の束の原本還付を希望する場合は「登記原因証明情報(持参)(原本還付)」あるいは「登記原因証明情報(送付)(原本還付)」と入力します。原本還付された書類について郵送による返却を希望する場合は、切手を貼付した返信用封筒(レターパックプラスでも可)を提出しておけば、相続登記完了後に提出した書類が返却されます。
⑥「申請書作成・編集」画面で「申請年月日」欄に申請の日付を入力し、登記所選択をクリックして申請先登記所を選択し「課税価格」欄に課税対象不動産の価格を入力します。「登録免許税」欄には申請の登録免許税額をそれぞれ入力します。
⑦「申請書作成・編集」画面で「登記完了証の交付方法」欄の「登記所での交付を希望する」「送付の方法による交付を希望する」「オンラインによる交付を希望する」の3つの選択肢から、希望する方法を選択します。
送付の方法を希望する場合には、登記手続きが完了するまでに郵便切手を法務局に提出する必要があります。
⑧「申請書作成・編集」画面で「不動産の表示」欄の「不動産の指定方法」にある「物件情報取得」をクリックし「オンライン登記情報検索」が表示されたら、登記申請の対象となる不動産の表示(所在、地番(建物の場合は家屋番号)、申請情報)を入力します。
不動産の表示を入力する際に、不動産を指定する方法として、❶オンライン物件検索を利用する方法と❷物件情報を直接入力する方法がありますが、❶の方法を利用すると、正確に不動産を指定することができます。
また、❶の方法は「QRコード読込」による方法もあります。すなわち、QRコードリーダを持っている場合は、登記事項証明書又は登記情報提供サービスで提供された登記情報に印字されたQRコードを読み込むことで、簡単に不動産を指定することができます。
⑨オンライン申請をした登記が完了した場合、登記識別情報は、オンラインで通知されるのが原則ですが、通知を受ける申請人は「相続人」の「登記識別情報通知希望の有無」欄で、登記所の窓口で交付を受ける方法又は郵送等(本人限定受取郵便等の方法に限られる)送付により交付を受ける方法のいずれかを選択し、登記識別情報通知書による通知の申出をすることができます。
なお、登記識別情報通知をオンラインで受けることを希望する場合には「登記識別情報通知取得用届出様式」を作成する必要があります。
4.申請情報の形式チェック・保存
申請情報の形式チェック・保存は、以下のとおりです。
①「申請書作成・編集」画面上部の「チェック」をクリックします。
②エラーの内容を確認した上で、オレンジで表示された箇所を修正し、再度「チェック」を行います。エラーの表示がなければ「OK」をクリックします。
③「申請書作成・編集」画面上部の「完了」をクリックします。
④「保存の確認」ダイアログが表示されたら「はい」をクリックし、作成した申請書情報を保存します。
⑤申請情報の作成は完了します。
5.添付情報の添付
添付情報の添付は、以下のとおりです。
①「処理状況表示」画面で「ファイル添付」をクリックします。
②「添付ファイル一覧」画面が表示されたら「ファイル追加」をクリックします。
③「添付ファイルの選択」画面が表示されたら、添付情報として添付するファイルを選択し「開く」をクリックします。
添付情報のうち「登記原因証明情報」として相続関係説明図(書面)を提供する場合は、申請用総合ソフトの「ファイル添付」をクリックして、上述したように、当該書面をスキャナで読み取った情報(PDFファイル。電子署名は不要)を添付情報として申請情報に添付して送信するほか、その書面の原本を後日法務局に持参するか、書留郵便等により送付する必要があります。
④「添付ファイル一覧」画面に添付する情報が表示されるので「保存」をクリックします。
⑤「処理状況表示」画面の「添付ファイル一覧」の欄に、申請情報に添付される該当のファイル名が表示されているかを確認します。
⑥添付情報として提供するファイルを申請情報に添付すれば、添付情報の添付は完了します。
6.申請情報への電子署名の付与と電子証明書の添付
申請情報への電子署名の付与と電子証明書の添付は、以下のとおりです。
①「処理状況表示」画面で該当の申請を選択し、画面上部の「署名付与」をクリックします。
②電子署名の形式により、ICカードで署名する方法とファイルで署名する方法があります。
③アクセスパスワードを入力して「確定」をクリックします。
④「署名付与完了」のダイアログが表示されたら「OK」をクリックします。
⑤「署名対象申請一覧」画面あるいは「PDFファイルの署名」画面で「状態」欄が「署名付与完了」となっていることを確認したら「閉じる」をクリックします。
⑥「処理状況表示」画面で情報欄に「署」が表示され、処理状況が「未送信」に更新します。
⑦電子署名の付与と同時に電子証明書も添付されます。
7.申請情報の送信
申請情報の送信は、以下のとおりです。
①申請用総合ソフトの「申請データ送信」をクリックします。
②「送信前申請一覧」画面で対象の申請情報の「送信対象」欄をチェックし「送信」をクリックします。
③「送信確認」のダイアログが表示されたら「OK」をクリックします。
④「送信前申請一覧」画面で、対象の申請情報の状態欄に「送信完了」と表示されます。
⑤法務局で申請が受け付けられると「受付確認」が表示されます。
⑥「受付確認」をクリックすると、受付年月日、受付番号、申請情報の内容が記載された「受付のお知らせ」が表示されます。
⑦「受付のお知らせ」に記載された受付年月日及び受付番号は、申請した案件を特定するために必要な情報になりますので、「受付のお知らせ」を印刷しておきましょう。
8.登録免許税の納付
登録免許税の納付は、以下のとおりです。
登録免許税の納付方法には、現金納付、収入印紙による納付、電子納付の3つがあります。
現金納付及び収入印紙による納付については、上述したとおりです。
電子納付について見てみましょう。
①申請情報及び添付情報を送信すると、登録免許税の「電子納付情報」が歳入金電子納付システムに登録され、電子納付に必要な「電子納付情報」が発行されます。
②「電子納付情報」が発行されると、申請用総合ソフトの「処理状況表示」画面にある「納付」が表示されるので「納付」をクリックします。
③「電子納付」画面で納付状況が「未納付」であることを確認した上で「納付」をクリックします。
④e-Gov電子納付(外部サイト)が表示されるので、案内に従い電子納付を行います。
9.書面により作成された添付情報の提出
書面により作成された添付情報の提出は、以下のとおりです。
書面により作成された添付情報について、当該書面を法務局に提出する方法により提供するときは、以下の操作により「書面により提出した添付情報の内訳表」を印刷し、併せて提出します。
①「処理状況表示」画面の「アクション」のメニューから「書面により提出した添付情報の内訳表の印刷(不動産)」(以下「内訳表」という)をクリックして内訳表を印刷します。
②内訳表に必要事項が記載されていることを確認し、押印欄に申請人又は代理人の印鑑を押印します。
なお、法務局で申請の処理が終了した後、法務局の窓口において登記識別情報通知の交付を求めるときは、この用紙に押印した印鑑が必要です。
③上述した必要書類及び作成した相続関係説明図とともに内訳表を、オンライン申請の受付日を含めて3日以内(閉庁日を除く)に、法務局の窓口に持参するか、書留郵便等により送付する必要があります。
10.法務局から「補正」のお知らせがあった場合
法務局から「補正」のお知らせがあった場合は、以下のとおりです。
①登記の申請情報及び添付書類に不備がある場合には、法務局から「補正」のお知らせが申請用総合ソフトの「処理状況表示」画面の「補正」欄に掲示されます。
②「補正」をクリックすると「補正のお知らせ」が表示されますので、その内容を確認します。
③補正の内容を確認した後、申請用総合ソフトの「処理状況表示」画面で該当の申請を選択し、上部のメニューから「補正」をクリックします。
④補正情報を作成します。
⑤作成した補正情報は、電子署名を行った上、登記・供託オンライン申請システムに送信します。
11.手続終了(登記完了証の取得)
手続終了(登記完了証の取得)は、以下のとおりです。
①登記手続きが終了すると、申請用総合ソフトの「処理状況表示」画面の処理状況欄が「手続終了」と表示されます。
②新たに申請用総合ソフトにログインするか、又は申請用総合ソフトの「処理状況表示」画面で「更新」をクリックし、登記完了証を取得します。
③登記が完了した後、登記完了証の交付を受けることとなります。登記完了証の交付方法の選択については、上述したとおりです。
相続登記のオンライン手続きは誰でも申請可能?
法務省は、オンライン申請を普及させるために、平成20(2008)年1月15日から特例方式を実施しています。
特例方式とは、申請情報と登記原因証明情報(相続関係説明図)をオンラインで送信した後、戸除籍謄本等の添付書類は別途法務局に持参又は郵送して提出する方式です。半分はオンラインで、もう半分は書面で申請するため、半ライン申請ともいわれています。
相続で土地や建物の所有権が移転したときに行う「相続登記」の申請は、特例方式(半ライン申請)を理解し、パソコンの環境が整っていれば、相続により不動産を取得した相続人は誰でも、法務局に直接出向かないで、インターネットを利用してオンラインで行うことが可能です。
そして、相続人から依頼を受けた司法書士などの専門家が、相続人を代理して相続登記のオンライン申請を行うことはもちろん可能です。
相続登記は専門家に依頼すべき?自分で行う場合の相続登記のオンライン申請に関する注意点を解説!
相続登記のオンライン申請を自分で行う場合の注意点とは何か、そして相続登記はどのような場合に専門家に依頼すべきなのかについて見てみましょう。
自分で行う場合の相続登記のオンライン申請に関する注意点
相続登記のオンライン申請を自分で行う場合には、以下のような注意点があります。
登記識別情報通知などの受領
登記識別情報は、データとしてオンラインで受領することも可能ですが、不動産の所有者であることを証明する重要な情報ですので、登記識別情報通知については書面で交付を受けることをおすすめします。
また、添付書類を法務局に提出する際に、返信用封筒を同封しておけば、登記識別情報通知、登記完了証、原本還付された書類を郵送で受領することができます。
添付書類の持参(郵送)期限、登録免許税の納付期限
オンライン申請では、添付書類の提出が必要ですが、上述したとおり、申請の受付日から3日以内に法務局に持参又は郵送しなければなりません。
また、登録免許税の電子納付については、上述したとおり、申請日を含めて2日以内(申請日の翌日)には納付を完了しなければなりません。
いずれの場合も期限が過ぎてしまうと、申請が却下される可能性がありますので、できるだけ早く行うようにしましょう。
補正
登記の申請情報及び添付情報に不備がある場合は、原則として、その登記の申請は却下されます。
しかし、不備の内容が補正することができるものである場合には、登記官が定めた期間内にその不備を補正することにより、登記をすることができます。
登記官が定めた期間内に申請の不備が補正されない場合は、その登記の申請は却下されます。
また、オンライン申請をした場合の補正については、登録免許税の追加納付をする場合を除き、全てオンラインでする必要があります。
法務局は、申請情報の些細な入力ミスであっても、訂正することはありません。
そして、添付書類の訂正や不備がある場合には、差し替えや追加提出を行う必要があります。
「補正のお知らせ」が届いた場合には、速やかに対応するようにしましょう。期限内に補正ができない場合には、必ず法務局に連絡して相談してください。
相続関係説明図の誤りや記載漏れ
送信した相続関係説明図に誤りや記載漏れがある場合でも、相続関係説明図のPDFファイルの差し替えや再送信は認められません。
相続関係説明図の補正は認められていないので、申請をいったん取り下げて、もう一度最初からやり直す必要があります。
相続関係説明図は、間違いのないように作成するようにしましょう。
相続登記は専門家に依頼すべき?
相続登記のオンライン申請を専門家に依頼すべきなのは、以下のような場合といえます。
①相続登記を自分でオンライン申請を行う場合には、システム環境が整っていない方やパソコン操作が苦手な方は、司法書士などの専門家に依頼するのが望ましい。
②オンライン申請では、必要書類の準備などの手間がかかる上、補正になる可能性が高くなるので、オンラインによる登記申請の知識のない方や時間に余裕のない方は、司法書士などの専門家に依頼するのが望ましい。
③添付書類の持参(郵送)や登録免許税の納付には、上述したように、申請の受付日から3日以内あるいは申請日を含めて2日以内(申請日の日)という期限があり、また申請情報及び添付情報に補正が必要な場合にも期限があるため、迅速に対応することができない方は、司法書士などの専門家に依頼するのが望ましい。
④登記簿が完全に整っていない場合、表示登記からやり直さなければならない場合など、自分で登記手続きを行うのに不安のある方は、司法書士などの専門家に依頼するのが望ましい。
まとめ
法務局に出向く必要がなく、自宅やオフィスなどから申請することができるオンライン申請は便利な制度です。
しかし、パソコン操作やインターネットに慣れていない場合、パソコンなどの環境が整っていない場合には、相続登記の各種手続きが進まなくなる可能性があります。
また、相続登記のオンライン申請を行うには手順が煩雑なため、操作手引書を参照しても、理解するのに手間取り、一般の方にはハードルが高く、あまり現実的ではないともいわれます。
オンライン申請に不安のある方や手間を省きたい方などは、司法書士などの専門家に依頼するのが望ましいといえるでしょう。
相続登記のオンライン申請は、相続と密接に関連していますので、相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にぜひ一度相談することをおすすめします。
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相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。
本記事で抱えている問題が解決できているのであれば大変光栄なことですが、もしまだもやもやしていたり、具体的な解決方法を個別に相談したい、とのお考えがある場合には、ぜひ相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にご相談することをおすすめします。
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