【実録】相続税が2.5億円安くなった?「土地評価」の見直しで資産を守った逆転事例|税理士選びで変わる評価額
「相続税5億円…払うために土地を売るしかない」納税直前に相談に来たお客様を救ったのは、土地評価の徹底的な見直しでした。税理士によって億単位で差が出る「土地評価」のカラクリと、評価額が下がる土地の5つのチェックポイントを解説します。
「先生、もう時間がありません。来週には、先祖代々の土地を売る契約を結んできます」
私の事務所に駆け込んできた50代の男性(Bさん)は、諦めきった表情でそう言いました。
手には、別の税理士が作成した分厚い相続税の申告書が握りしめられています。
そこに書かれていた相続税額は、なんと「5億円」。
Bさんはこの巨額の税金を払うため、お父様が大切に守ってきた広大な土地の半分以上を、不動産業者に二束三文で売却しようとしていたのです。
「本当に、これしか方法はないんでしょうか……?」
震える声で問うBさん。納税期限は目前に迫っています。
しかし、申告書の中身を一目見た瞬間、私の目つきは変わりました。
「Bさん、売却契約は少し待ってください。この税額、まだ下がります。それも、数千万円単位ではありません。半分になる可能性があります」
この記事では、税理士選び一つで数億円の損をしかけたお客様が、直前の「セカンドオピニオン」によって実家と資産を守り抜いた逆転劇をご紹介します。
Contents
1. プロの診断:なぜ「5億円」もの税金になったのか?
通常、税理士が計算した数字なら正しいはずだ、と誰もが思います。
しかし、相続税、特に「土地の評価」に関しては、その常識は通用しません。
私がBさんの申告書を見て違和感を覚えたのは、土地の評価額が「あまりにも高すぎる(定規で測ったようにきれいすぎる)」点でした。
税理士の9割は「相続」の素人?
実は、医者に「外科」や「眼科」があるように、税理士にも専門分野があります。日本の税理士の多くは、企業の決算を行う「法人税」のプロであり、相続税を扱うのは数年に一度あるかないか、という人が大半なのです。
怖がって「特例」を使わない税理士たち
Bさんの土地は、広大ですが傾斜があり、形も複雑でした。本来なら「地積規模の大きな宅地の評価(旧:広大地評価)」というルールを使い、評価額を最大で65%も下げられる土地です。
しかし、前の税理士はこの特例を使っていませんでした。なぜか?
それは「税務署に否認されるのが怖いから」です。
この特例を使って税金を安く申告し、後で税務署から「これは認められない」と言われると、税理士の責任問題になります。そのため、相続に不慣れな税理士ほど、あえて高い評価額のまま(安全策をとって)申告してしまう傾向があるのです。
2. 【解説】あなたの土地は大丈夫?評価が下がる5つの特徴
ここで一旦、Bさんの事例から離れて、読者の皆様にも当てはまる「評価が下がる(税金が安くなる)土地のポイント」を整理しましょう。
もし以下の条件に当てはまる土地をお持ちなら、評価額を見直せる可能性があります。
① 形がいびつ(不整形地)
正方形や長方形ではなく、三角形やL字型の土地。使い勝手が悪いため、評価を下げられます。
② 道路に面していない・間口が狭い
建築基準法上の道路に接していない、あるいは接している幅が2m未満の土地(無道路地など)。家が建てられない、または建て替えが難しいため、大幅な減額対象です。
③ 傾斜がある・崖がある
平らな部分が少なく、造成工事が必要な土地。Bさんの土地もこれに該当しました。
④ 騒音・振動・臭気がある
線路沿いや、墓地の隣などの土地も、利用価値が低いとみなされ評価を下げられるケースがあります。
⑤ 面積が広い(地積規模の大きな宅地の評価)
三大都市圏で500㎡以上など、一定の広さがある土地。マンション用地としてしか売れないなどの制約があるため、評価が下がります。
3. 解決のプロセス:現地を歩き、泥臭く「減額要素」を探す
話をBさんの事例に戻しましょう。
「Bさん、私に数日だけ時間をください。必ず証明してみせます」
私はすぐに現地へ飛びました。
机上の図面だけでは、土地の本当の価値(=低さ)は分かりません。
実際に歩いてみると、Bさんの土地は図面以上に高低差が激しく、上記の「③傾斜」と「⑤広さ」の要件を完全に満たしていました。
根拠のある「攻め」の申告
私は現地の写真を撮り、役所の資料と照らし合わせ、徹底的な「意見書」を作成しました。
「この土地は、これだけの悪条件がある。だから、国税庁の定める補正率を使うのが正当である」
それは、ただ税金を逃れるための言い訳ではなく、法律に基づいた正当な権利の主張です。
前の税理士が見て見ぬふりをした「土地の個性」を、私はすべて評価減の材料に変えていきました。
4. 結末:税額半減、売却地も半分で済んだ
特急で再計算を行い、申告書を作り直した結果。
当初「5億円」と言われていた相続税は、なんと「約2.5億円」まで圧縮することができました。
実に、2.5億円もの減額です。
「……信じられません。本当に、これで通るんですか?」
Bさんは通帳の残高と、新しい申告書を何度も見比べていました。
納税額が半分になったことで、土地をすべて売る必要はなくなりました。売却は最小限の区画だけで済み、お父様が愛した庭の大部分を残すことができたのです。
「先生、もしあのまま前の税理士さんを信じていたらと思うと……ゾッとします。父の土地を守ってくれて、本当にありがとうございました」
5. 専門家からのアドバイス
「相続税は『誰に頼むか』で、手残りが億単位で変わる」
今回の事例から学べる教訓は一つです。
「土地の相続税評価は、税理士によって答えが違う」ということです。
現金なら誰が数えても1億円は1億円ですが、土地は違います。
ある税理士が見れば「1億円の価値」でも、相続専門の税理士が見れば「5,000万円の価値(税金対象額)」になることが日常茶飯事です。
・提示された相続税額が高すぎると感じる
・担当の税理士が現地を見に来ていない
・「とりあえず土地を売りましょう」と急かされている
もし一つでも当てはまるなら、印鑑を押す前に必ず「セカンドオピニオン」を受けてください。
その一度の相談が、あなたのご実家と資産を救うことになるかもしれません。
【無料相談】相続に関するお悩みは相続診断士へ
相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。
本記事で抱えている問題が解決できているのであれば大変光栄なことですが、もしまだもやもやしていたり、具体的な解決方法を個別に相談したい、とのお考えがある場合には、ぜひ相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にご相談することをおすすめします。
本サイト「円満相続ラボ」では、相続診断士に無料で相談できる窓口を用意しております。お気軽にご相談ください
この記事を書いたのは…
LEXT税理士事務所 代表税理士
金森 泰弘(かなもり やすひろ)
相続・不動産・芸術芸能を専門とし、富裕層、特に不動産所有者のタックスプランニングや法人化:民事信託などを得意としている。
年間の相続相談件数は500件を超えており、youtubeやSNSなどの情報発信にも力を入れている。
サイトURL:https://lext-tax.com/
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCntjtaQ05m-9WphNpLY67QQ
