【特集】これからの母のためにを深堀り解説!【もう会えないと分かっていたなら】
本サイトの円満相続ラボを運営する株式会社サステナブルスタイル代表の後藤が発起人となり、相続に関する本「もう会えないとわかっていたなら」を出版しました。この本は、大切なご家族とお別れを経験した方や、もしもの日に備えて遺言書を書いた方、「家族の笑顔を守る会」の方々が体験した様々な実話をもとに短編のエピソードが書かれています。本連載では、「もう会えないとわかっていたなら」のエピソードをご提供いただいた方々にインタビューを行い、より深堀りした情報を解説していきます。
今回は、「これからの母のために」のエピソードをご提供頂いた栗原久人さんにインタビューを行った内容をご紹介します。
栗原久人さんのプロフィール
- 株式会社シー・フィールド代表取締役
- 笑顔相続サロン静岡の運営
―今回の相続案件の登場人物や相続人の財産状況を教えてください。
「これからの母のために」のエピソード内の相続案件の登場人物と相続人の続柄、年齢について分かりやすく相関図に示しました。
今回のケースは、被相続人が生きている間に被相続人と相続人が話し合う遺産分割協議でした。
今回のエピソードでは、被相続人が母であり、相続人は、長女(55歳)、次女(51歳)、三女(49歳)です。
―相続案件で実際に行った手続きを教えてください。
今回の相続案件で実際に行った手続きについてご紹介します。
- 相続診断書の作成 (税理士さんと協業)
- 相続税の計算 (税理士さんと協業)
- 分割方法の提案とそれぞれの相続税の試算
- 懸念事項の洗い出し
- 不動産の対策
- 現状の遺言書の効果の確認(行政書士さん)
- 家族会議の実施
- 遺言書の作成
- 付言の作成
見守り・財産管理・任意後見・死後事務については既に作成していたものを活用し、最終結果を家族会議で決定しました。
これらの手続きでは、相続税に関しては税理士さんと協業して行い、遺言書に関しては行政書士さんに関わっていただいたそうです。
―士業や相続の専門家として、今回の相続案件を円満解決するために努力した点や工夫した点があれば教えてください。
被相続人のお母さんの気持ちを十分に確認し、それを実現するのと同時に、残された3姉妹が仲良く暮らし続けて行ける事を目指した策を家族会議を開き、考えました。
お母さんの気持ちは、3人の娘に分け隔てなく平等にということでした。そのため、以前の遺言書は3人で3等分という内容でした。
しかし、不動産もありますし、祭祀継承者等の役割もあるため、3等分というのは厳しいこと、また不動産の共有は後々よろしくない事を理解いただき、遺言書の書き換えを決めました。
お母さんの気持ちの通りで尚且つ妥当だと思われる分け方を遺言書として形にすることにしました。
生前に気持ちをまとめることができたので、お子様の中のお一人が疎遠になっていることもあり、遺言の内容をあらかじめ発表する家族会議を開く事を提案し了承をいただきました。
―士業や相続の専門家として、今回の相続案件を円満解決していく過程で難しかったことや考えさせられたことを教えて下さい。
家族会議自体がなかなか大変でした。最初の1時間はほぼ争い事のような形でした。
ただ話していくうちにお互いの気持ちが通じ合い、特に疎遠になっていた方の気持ちが溶けるのと同時に普通の家族に戻ることができました。
その後はお母さんの亡くなった後のことではなく、お母さんが楽しく生きていくためにどうしたら良いかという方向で和やかに進みました。
―今回の相続案件を経験した上で、これから相続を経験する相続人や被相続人の方へのアドバイス・メッセージがあれば教えてください。
被相続人の方の気持ちが伝わるかどうかが笑顔相続と争族の境目だと思います。
また、気持ちが伝わっているはずだ、と思っていてもそうでないこともあります。
もし可能であれば、生前にご自身の意思を伝えること、家族全員でご自身が亡くなったあとのことを話し合っておくこと、そして理解を得た上で遺言書を残すこと、これが大事なことだと思います。
家族円満に進める相続について考える
事前に準備を行っていても、問題は出てきます。また、相続に関して知らないということが相続トラブルの原因の一つになってしまいます。
今回のエピソードは、被相続人が生前のときに相続に関して相続人と相談し合ったという遺産分割協議というケースでした。事前に準備し、家族で相談することは、被相続人・相続人が円満に相続を進めることができる方法です。
家族円満で相続が行われるように、今から相続について考えてみましょう。
「もう会えないとわかっていたなら」はAmazonや全国書店で購入できます!
今回深堀りしたエピソード「これからの母のために」を含む、全23の短編エピソードを紹介している「もう会えないとわかっていたなら」は、Amazonや全国書店で購入が可能です。
興味を持った方は、ぜひお手に取っていただけると幸いです。
【無料相談】相続に関するお悩みは相続診断士へ
相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。
本記事で抱えている問題が解決できているのであれば大変光栄なことですが、もしまだもやもやしていたり、具体的な解決方法を個別に相談したい、とのお考えがある場合には、ぜひ相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にご相談することをおすすめします。
本サイト「円満相続ラボ」では、相続診断士に無料で相談できる窓口を用意しております。お気軽にご相談ください
この記事を監修したのは…
笑顔相続サロン®静岡代表、FP事務所 LP想暖や代表、保険代理店 有限会社シー・フィールド代表取締役
栗原 久人(くりはら ひさと)
上級相続診断士・終活カウンセラー・ファイナンシャルプランナー(AFP)生前整理カウンセラー・住宅ローンアドバイザー
ファイナンシャルプランナー歴・保険代理店経営歴共に20年、ライフプランや家計の見直し等の相談件数は2000件以上。
2019年笑顔相続サロン®静岡を開設 特に相続診断士×ファイナンシャルプランナー×終活カウンセラーの要素を活かした、終活+生前+相続のトータル対策を得意としている。
サイトURL:https://lpsoudanya.com/
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UC95ZnN5--uvM3GLQ9LwMtbA