贈与税だけじゃない?不動産贈与時にかかる不動産取得税って何?
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不動産を贈与したときに発生する不動産取得税って何?贈与税以外に必要な税金のひとつです
親族等から土地や建物を贈与という形で取得した場合には、納税の必要が出てきます。個人間の贈与の際は、財産を受け取る側に納税する義務が発生するのです。
課される税金は、贈与を受け取った人に課される贈与税、不動産の名義変更をする際にかかる登録免許税、不動産取得税があります。
不動産取得税は自宅等の不動産を取得した際に課される税金のことです。不動産の取得者に課税され、取得時に一度だけ納税することが義務となっています。固定資産税のように毎年納付する必要はありません。
不動産取得税はどんなときに課税される?ケースごとに解説!
こちらでは課税されるケース、課されないケースを解説します。
不動産取得税が課されるケース
次の4つのケースでは納税が必要となります。
・土地、家屋を購入した
・家屋を建築した
・土地、家屋の贈与(有償、無償ともに)
・等価交換で不動産を取得した
贈与に関しては有償(贈与を受ける側が、ある程度の対価や義務を負担すること)か無償かを問わず、不動産を取得した場合に課税されます。不動産贈与の際に贈与を受けた側は、不動産取得税を納める義務が発生します。
不動産取得税が課されないケース
課税されないケースは次の2つです。
・相続による不動産の取得
・土地改良事業や土地区画整理事業の施行による換地の取得
個人の場合で不動産取得税が課されないケースの一つとして相続による取得があげられます。ただし、引き継ぐ不動産を含めた遺産総額によっては、相続税を支払う必要があります。
また、相続に関係する遺産分割でも相続人以外の人へ不動産を遺贈する場合は、遺贈された人は不動産取得税を納めることになります。
なお、行政が行う土地改良や宅地の利用増進のための事業で、従来の宅地を失った所有者が、新しい宅地を与えられたときには不動産取得税が課されません。
不動産取得税はどれくらいかかる?納付時期や支払わなかったらどうなるのかも解説!
こちらでは不動産取得税の税率や納付時期、もしも納税しなかった場合のペナルティについて解説します。
不動産取得税の税率
2024年3月31日までは、建物(住宅)・土地ともに税率等が軽減されています。
(1)建物
贈与した建物を住宅として取得したならば、「建物の固定資産税評価額×税率3%」となります。例をあげて計算してみましょう。
(例)建物の固定資産税評価額2,000万円の場合
2,000万円×3%=60万円
建物の不動産取得税は60万円となります。ただし、2024年4月1日以降に住宅として取得した場合や、2024年3月31日以前でも住宅以外の建物として取得した場合には、税率が4%となります。
税率が4%ならば
2,000万円×4%=80万円
同条件の場合、20万円も不動産取得税が高くなります。
(2)土地
宅地や宅地と同じ扱いを受ける土地に限り、2024年3月31日まで土地の固定資産税評価額が1/2に減額され、また特に要件はないものの土地であれば税率が4%→3%となっています。例をあげて計算してみましょう。
(例)土地の固定資産税評価額3,000万円の場合
まず固定資産税評価額3,000万円を1/2にします。
3,000万円×1/2=1,500万円
次いで税率3%をかけます。
1,500万円×3%=45万円
土地の不動産取得税は45万円となります。2024年4月1日以降は固定資産税評価額が減額されず、税率は4%となります。
2024年4月1日以降は
3,000万円×4%=120万円
同条件の場合、75万円も多く不動産取得税がかかります。
不動産取得税の納付時期
不動産を取得した日(登記をした日)から概ね20日~60日以内に、取得した土地、家屋の所在地を所管する都道府県税事務所へ届け出ます。申告書等に必要事項を記載し窓口へ提出します。
なお、届出の期限は都道府県によって異なるので、各事務所のホームページ等で確認しましょう。
不動産を取得した日からおよそ半年から1年で不動産取得税の納付書が送付されます。納付書には期日(原則として発送月の月末までが期限)も明記されているので、期限内に納税します。
納税場所は都道府県税事務所の他、支所、支庁、金融機関、郵便局の窓口をはじめ、コンビニ払い、クレジットカード払い等も可能です。
期限内に納付しないと「延滞税」が課せられる可能性もあります。延滞税は、本来払うべきだった税に一定の税率を乗じて算出、追加で課税される仕組みです。延滞税には懲罰的な意味合いがあり、納税者はより多くの税金を払うこととなってしまいます。
不動産取得税の節税対策はある?軽減措置をカンタン説明!
不動産の贈与を受けた場合には、主に次のような不動産取得税の軽減措置があります。
建物(居住用中古住宅)の軽減措置
贈与される建物が居住用中古住宅の場合、「固定資産評価額-控除額×3%=税額」と算定できる軽減措置があります。新築された日で次のように控除額が設定されています。
新築日 | 控除額 |
1954年7月1日~1963年12月31日 | 100万円 |
1964年1月1日~1972年12月31日 | 150万円 |
1973年1月1日~1975年12月31日 | 230万円 |
1976年1月1日~1981年6月30日 | 350万円 |
1981年7月1日~1985年6月30日 | 420万円 |
1985年7月1日~1989年3月31日 | 450万円 |
1989年4月1日~1997年3月31日 | 1,000万円 |
1997年4月1日~ | 1,200万円 |
こちらの控除額を利用する際には、以下の条件をすべて満たす必要があります。
・贈与を受けた人が住む(または実際に住んでいる)
・住宅の床面積が50㎡以上、240㎡以下
・1982年1月1日以後に新築されたもの(または、建築士等が行う耐震診断で新耐震基準に適合していることの証明がされたもの)
例をあげて不動産取得税を計算してみます。
(例)建物の固定資産税評価額1,200万円の場合
・贈与日:2022年4月1日(税率3%適用)
・新築日:1998年3月3日
・控除額:1,200万円
(1,200万円-1,200万円)×3%=0円
上記の場合には、非課税となります。
土地の軽減措置
住宅用土地も軽減措置の対象です。次の金額のいずれか高い方の額が減額されます。
・45,000円
・土地1㎡当たりの価格×住宅の床面積の2倍(200㎡限度)×3%
この軽減措置を利用する場合、以下の条件のいずれかを満たす必要があります。
・土地と建物を同時に贈与
・土地贈与日の前後1年以内に建物を贈与
例をあげて不動産取得税を計算してみます。
(例)土地の固定資産税評価額2,000万円の場合
・贈与日:2022年4月1日(固定資産税評価額1/2に減額・税率3%適用)
・住宅の床面積:200㎡限度
まず当初の課税額を計算します。
2,000万円×1/2×3% =30万円
次いで減税額を計算します。
2,000万円×1/2÷ 200㎡×200㎡×3% =30万円
当初の課税額から減税額を差し引くと
30万円-30万円=0円
上記の場合も、非課税となります。
軽減措置の申告方法
不動産を取得した際の届出のとき一緒に申告します。
申告書類は主に次の通りです。
・申告書:県税事務所のホームページや窓口で取得
・不動産取得税の納税通知書:届出後に申告する場合
・土地・住宅の売買契約書(住宅引渡証書)
・土地・住宅の登記事項証明書(もしくは登記簿謄本):法務局で取得
・市町村長の住宅用家屋証明書:市区町村役場で取得
・各階の平面図
都道府県税事務所によっては、追加の書類を要求する場合もあるので、事前に窓口へ問い合わせて確認しておきましょう。また、不動産取得税の届出の際に申請を忘れても、不動産取得税の還付請求ができる日から5年以内に申請をすれば還付金として返還されます。
難しくて一人ではお手上げ!不動産取得税に関する相談先はある?
税金の仕組みは非常に複雑です。一人で悩まずに、専門家等へいろいろと質問してみることが大切です。不動産取得税について相談できる窓口は沢山あります。
(1)都道府県税事務所
不動産取得税は都道府県税なので、都道府県税事務所の窓口で相談してみることを検討しましょう。もちろん、相談は無料で贈与により取得した不動産の所在地を所管する県税事務所で、相談してみることをおすすめします。
(2)税理士
自分が住んでいる地域で開業している税理士へ相談することも良い方法です。相談だけなら初回無料または1時間5,000円〜10,000円程度で対応してくれるケースが多く、税理士は税金の専門家なので、いろいろな節税等のアドバイスも貰える可能性があります。
(3)ファイナンシャルプランナー
FPとも呼ばれています。各税金、各種ローンや保険等の知識に精通した専門資格者です。贈与や相続に関する税金・節税等の助言も行っています。こちらも税理士と同様、相談料は各事務所によって異なるので、事前に電話連絡等で確認しておきましょう。
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