海外在住でも印鑑証明書は申請できる?代わりとなる書類の取得方法を解説!
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海外在住の場合は印鑑証明書の申請は可能?
海外在住の相続人でも、印鑑登録証明書の申請は可能です。ただし、日本では転出届等の提出で自動的に印鑑登録も抹消されてしまいます。
印鑑登録証明書が必要となったケースを考慮し、事前に日本国大使館(在外公館)で印鑑登録を行いましょう。
こちらでは印鑑登録の要件や、登録の際の必要書類を説明します。
登録要件・標準処理期間
印鑑登録は本人のみが申請可能で、次の要件に該当する必要があります。
- 満15歳以上の日本国籍者
- 現地に一定期間(例:3か月以上等)在住している
- 日本に住民登録がない
- 書類で現地の住所に居住していると立証可能
- 日本の市区町村・他の在外公館に印鑑登録がない
窓口で印鑑登録を申請した場合、申請日を含め概ね3営業日程度で印鑑登録証明書の交付が可能です。
印鑑登録の際の必要書類
印鑑登録申請書・原票に必要事項を記載し、添付書類を集め大使館(在外公館)窓口へ提出します。
- 印鑑登録申請書・印鑑登録原票:大使館(在外公館)窓口で取得
- 登録する印鑑:大きさが8mmを超え、25mmの正方形内に収まるもの(ゴム印、浸透印不可)
- パスポート:原本及びコピー
- 現住所を証明する書類:運転免許証、住宅賃貸(購入)契約書等
- 印鑑が二重登録でない事実を立証する証明書:戸籍の附票、以前の登録公館からの受領印済の印鑑登録廃止届出書(コピー)、「国外転出により返納」と記載されている失効済みマイナンバーカード・同コピー等
各国の日本国大使館(在外公館)により、必要な書類が異なる場合もあります。事前に大使館職員へよく確認しておきましょう。
海外在住者が相続手続きで印鑑証明書が必要になったときはどうする?
こちらでは、相続の発生により手続きが必要となった場合の印鑑登録証明書の取得方法、印鑑登録証明書の発行ができない場合の方法について説明します。
印鑑登録証明書の取得方法
事前に日本国大使館(在外公館)で印鑑登録申請を行っていれば、印鑑登録証明書の取得が可能です。必ず印鑑登録を行った本人が申請しましょう。
印鑑登録証明書の発給申請の際は、次の書類を準備します。
- 印鑑証明交付申請書:大使館(在外公館)窓口で取得
- 登録済の印鑑
- 現に有効なパスポート:原本及びコピー
申請時には「申請受理票」が交付されます。
こちらは、証明書交付のとき手数料(1,700円程度)と共に必要となるので、大切に保管しておきましょう。
印鑑登録証明書の発行ができない場合等の方法
何らかの理由で印鑑登録証明書等が発行できない場合や、海外の住所を証明する書類が必要な場合は、次の2つの方法をとりましょう。
- 署名証明(サイン証明)→印鑑証明の代わりとして、申請者の署名・拇印が本人のものに相違ないという事実を証明
- 在留証明→住民票の代わりとして、海外に住所がある事実を証明
いずれも日本の相続手続きを進める際、必要な書類となります。
署名証明書(サイン証明書)取得方法を解説!
相続人が遺産分割協議を行い「遺産分割協議書」が作成されたら、相続人全員の印鑑登録証明書および実印を準備しなければいけません。
海外在住の相続人が何らかの理由で印鑑登録証明書を準備できなかった場合「署名証明(サイン証明)書」で代用が可能です。
こちらでは、署名証明(サイン証明)書の発行要件や、申請の際の必要書類を説明します。
発行要件・標準処理期間
署名証明(サイン証明)書の発行申請は本人のみが可能で、次の要件に該当する必要があります。
- 日本の国籍を有している
- 日本に住民登録がない
- 大使館(在外公館)担当者の面前で書類に署名する
発行申請後、申請日を含め概ね3営業日程度で署名証明(サイン証明)書の交付が可能です。
申請の際の必要書類
申請書に必要事項を記載し、添付書類を集め大使館(在外公館)窓口へ提出します。
- 署名証明申請書:大使館(在外公館)窓口で取得
- 証明用の書類:日本からの関係書類の添付または大使館(在外公館)の書式による証明書作成
- 現に有効なパスポート:原本及びコピー
申請時には「申請受理票」が交付されます。
こちらは、証明書交付のとき手数料(1,700円程度)と共に必要となるので、大切に保管しておきましょう。
在留証明書の取得方法を解説!
被相続人の遺産の中に不動産がある場合、相続人は法務局に対して相続登記を行います。この登記申請には相続人の住民票が必要です。
海外在住の相続人の場合、日本国内に本籍が残っていたとしても、戸籍の附票や住民票に居住する外国の住所までは記載されていません。
そこで、住民票に代わる「在留証明書」を準備します。
こちらでは、在留証明書の発行要件や、申請の際の必要書類を説明します。
発行要件・標準処理期間
在留証明書の発行申請は本人のみが可能で、次の要件に該当する必要があります。
- 日本国籍者である
- 現地に一定期間(例:3か月以上等)在住している、または3か月以上の滞在が見込まれる
- 日本に住民登録がない
- 書類で現地の住所に居住していると立証可能
発行申請後、申請日を含め概ね3営業日程度で在留証明書の交付が可能です。
申請の際の必要書類
証明願に必要事項を記載し、添付書類を集め大使館(在外公館)窓口へ提出します。
- 在留証明願:大使館(在外公館)窓口で取得
- 現住所を証明する書類:運転免許証、住宅賃貸(購入)契約書、公共料金請求書等の原本及びコピー
- 住所履歴を証明する書類:住宅賃貸(購入)契約書、公共料金請求書等の原本及びコピー
- 現に有効なパスポート:原本及びコピー
申請時には「申請受理票」が交付されます。
こちらは、証明書交付のとき手数料(1,200円程度)と共に必要となるので、大切に保管しておきましょう。
海外在住者が相続手続きにおいて注意すべき点!
相続手続きのため海外在住の相続人が日本を訪問するのは、大変な労力を伴う可能性もあります。
特に海外在住の相続人が現地で就学していたり、就職していたりしていれば、海外と日本を何度も往復しなけれいけないケースもあるでしょう。
こちらでは、海外在住者が相続手続きで注意すべき点や、その対策等について説明します。
話し合いはテレビ電話の利用が最適
日本にいる相続人と遺産分割協議を行う場合、わざわざ日本に行ってから話し合う形だと、日程の調整等に追われてしまうかもしれません。
たとえ日本で協議ができても、話し合いがなかなかまとまらず結局何も決められないまま、現地に戻らなくてはならないケースも想定されます。
そんな時はテレビ電話(例:ZOOM等)を相続人全員が利用し、協議する方法を検討してみましょう。テレビ電話で提供されている画面共有システム等を使えば、資料を見せながらの説明も可能です。
相続人間でインターネットを通し、じっくりと話し合いができることでしょう。
海外に在住しているなら遺産分割証明書を活用しよう
協議がまとまったら、遺産分割協議書に署名・押印し、印鑑登録証明書(または署名証明書)を準備します。
しかし、遺産分割協議書の場合は相続人の連名で作成する必要があり、海外在住の相続人がいれば、作成にとても手間がかかってしまいます。
そんな時は「遺産分割証明書」を作成しましょう。
遺産分割協議の結果どんな内容で合意が成立したのかを明記する点は、遺産分割証明書も協議書も同じです。
ただし、遺産分割証明書の場合は、書式は同一にするものの、それぞれの相続人が単独で1通ずつ書面を作成・押印します。
そして、相続人全員分の遺産分割協議証明書が集まったとき、協議書と同じ効果が発生するという仕組みです。
遺産分割協議証明書さえ揃えば海外在住の相続人が日本にいなくても、基本的に問題ないので、スムーズな相続手続きが可能となります。
海外在住の相続人がいたら専門家に相談を!
海外在住の相続人がいて今後の相続手続きに不安を感じたり、不明な点があったりする場合もあるでしょう。
そんな時は日本国内に在住する相続人が「円満相続ラボ」へ問い合わせてみるのも良い方法です。
円満相続ラボでは相続に関する不安の解消のため、相続の専門家である「相続診断士」を無料で紹介しています。
相続診断士に相談すれば、海外在住の相続人がいる場合の円滑な相続手続きの進め方をアドバイスしてくれます。
【無料相談】相続に関するお悩みは相続診断士へ
相続は十人十色、十家十色の事情や問題があるもので、その解決策は一通りではないものです。
本記事で抱えている問題が解決できているのであれば大変光栄なことですが、もしまだもやもやしていたり、具体的な解決方法を個別に相談したい、とのお考えがある場合には、ぜひ相続のプロフェッショナルである「相続診断士」にご相談することをおすすめします。
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